楽園の魔女たち 楽園の食卓 前編
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魔法は過去の遺物となり、産業革命が起こりつつある世界。 ある魔術師に弟子入りした四人の個性豊かな少女たちが、やがて稀代の魔女と呼ばれるまでに成長していく物語です。 コバルトですが、男性でも楽しめると思います。(私も実際、男性の知人に勧められて知りました)
世界観はしっかりしていますが、それよりも時として暴走しているほど生き生きとしたキャラたちの描写がメインのコメディー風味ファンタジーシリーズ、十九巻目。いよいよ最終章です。
前巻はやや失速気味でしたが、その不安を打ち消してくれました。 争乱に向かいつつある世界に翻弄されながら、それでも意地と想いを貫く彼女たちが見事にえがかれています。 現在中編まで出てますが、続きが楽しみです。 |
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シンフォニアグリーン 千年樹の町
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家から道路、武器、船、さらには町まで。多くのものが植物によって出来ている世界をえがいた、一風変わったファンタジー。 町を作るためその種と共に旅する少年と、植物を採取し運搬し植えるプラントハンターの少女、少年たちのお話です。
賞の出身であったり派手であったりするわけでなく、知名度は今ひとつですが、傑作とはいかなくても良作であることは断言できます。
単なる分かりにくい設定で終わることなくしっかりと作られた世界観と、あたたかい雰囲気が魅力です。 |
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Little birds fly
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いつも「八十点止まりのイイコ」だった修身。彼が自分の道として選んだのは「バード」だった。 現代日本。成仏し切れない魂がゴーストとなって災害を起こす中、歌と踊りで死者を鎮める吟遊詩人という職業が生まれた。 バードの養成学校が、物語の舞台――
どこか違う世界でも、学校やそこに通う少年少女たちは変わりません。 傷つけあったり、支えあったりしながら成長していく様をえがいた良作です。
余談ですが、「シルバー・ウィング」、「気象精霊ぷらくてぃか1」と比べて最後まで悩んだ一作です。 ちなみに「Hyper-Hybrid Organization」「銀盤カレイドスコープ(特に3巻)」「マリア様がみてる」も好きですが、これらは既に知名度抜群で、私が勧めるまでもないと思いますので除外しました。 |
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空ノ鐘の響く惑星で 2
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中世風の世界が舞台のファンタジー。 第四王子とはいえ権力と無縁の生活を送っていた主人公ですが、科学の発達した異世界からの「来訪者」たちによって、その人生は一変し王位争奪などに巻きこまれていきます。
ライトノベルの中では一番注目している作者ですが、具体的にどこがいいのかと言われると答えに悩みます。 勢いや奇策に頼ることなく、地に足のついた物語を書ける人だからでしょうか。
この作品を読んだら是非、「陰陽の京」と「パラサイトムーン(特に4〜6)」もどうぞ。 陰陽の京は落ち着いた和風の雰囲気、パラサイトムーンは魅力的なキャラクターたちと、また一味違います。 |
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ディバイデッド・フロント I 隔離戦区の空の下
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舞台は現代日本。ただ違うのは、憑魔というバケモノが存在するということ。 ただそれに寄生されてしまったから、運が悪かったから、隔離戦区の中で戦い続けるしかない少年少女(というには年食ってる人もいますが)たちの物語。
――とまあ、ここまではどこかでみたような設定ですが。 内向的で落ち込みやすい少女の心理描写と、(精神的に)痛いシチュエーションを書かせたら天下一品の作者です。 ただ「カラミティ・ナイト」と違うのは、絶望に飲みこまれず強くなろうとする少年を主人公に持ってきていること。カラミティ・ナイトの重苦しくどろどろとした雰囲気、少女たちの友情も捨てがたいですが、私は読後感がすっきりしているこちらの方が好きです。
ようやく2巻目がでるようなので、その期待もこめての一票です。 |
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