銀盤カレイドスコープ vol.2 フリー・プログラム:Winner takes all?
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昔から鈴平ひろさんのファンであるため、 発売日に平置きされていたのをたまたま見かけて イラストに惹かれて買っただけの作品……だったはずなのですが。 読み終えた後、「まだ自分は甘いな」と痛感した次第です。
最初こそ、少女の一人称という文体に戸惑いましたが そんなものはすぐに吹き飛びました。 一歩間違えれば独り善がりになってしまう技術的な知識等を クドいと感じさせずに文章に織り込む力量もさることながら "演技がきちんと映像として頭に思い浮かべられる描写"が圧巻です。 作者のフィギュアへの情熱が感じられる作品ですね。
半ば予想できるとはいえ、ラストの切ない終わり方も それまでの熱い展開との対比として好印象です。
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ASTRAL
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事故がきっかけで目覚めた霊視と、それを使った人(霊)助け、 主人公に気のある義妹、初恋の幼馴染など 一つ一つの要素だけを抜き出すと非常にありきたりという感じを受けますが、 文章の読みやすさと相まって、それが逆に 難解な設定等とは無縁の解りやすさという利点を生んでいると思います。 「下手に手の込んだ事をせず、素材の味を活かした料理」というイメージでしょうか。
「淡い」とか「透明感のある」などの言葉が似合う、 決して派手ではないけれど、心に染み入るような作品です。 敢えて言えば、幽霊として出てくるのが女の子ばかりなのが やや気になると言えば気になります。シヴいオヤジ系な幽霊が見たいかも。 |
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ROOM No.1301 おとなりさんはアーティスティック!?
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同じ富士見ミステリーから出ているDEARシリーズを読んで 「この作者、恋愛要素に特化した作品の方が向いてるんじゃないかなぁ」 と、ずっと思っていたんですよね。 そこへ、ストライクゾーンど真ん中に150kmの直球が! と見せかけて 実はど真ん中150kmのナックルボールでした、という。
主に倫理感の問題から、賛否両論ありそうですが 女の子たちの間で揺れ動く主人公の描写が丁寧で、 ついつい先へと読み進めたくなります。 千夜子との初々しさに溢れる会話なんかは、読んでいて、 こう、部屋の中をゴロゴロ転げまわりたくなるような(笑
ミステリー文庫という名前に恥じまくりではある作品ですが、 単なるボーイミーツガールもの、と一言で片付けるには ちょっと勿体無い良作ですね。続刊にも期待です。 |
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銀盤カレイドスコープ vol.1 ショート・プログラム:Road to dream
(イラスト評)
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表紙買いで後悔した作品は多数あれど、その逆は初めてでした。 この絵でなければ作品を手に取ることはなかったと考えると 本当に鈴平さんで良かった! と思います。
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