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ヤマタ 《yamata14@hotmail.com》

▼プロフィール
25歳、男性。


URL : http://www.jttk.zaq.ne.jp/baaqy304/index.html

推薦図書
・ 封殺鬼シリーズ 26 終の神話・天泣の章
・ 七姫物語 第2章 世界のかたち
・ 魔法遣いに大切なこと2 真冬の夢の静寂に
・ Dクラッカーズ7−1 王国−the limited world−
・ 導きの星 IV 出会いの銀河


イラスト評
・ 陰陽ノ京 巻の四
・ 七姫物語 第2章 世界のかたち
・ 火魅子伝10
・ 吸血殲鬼ヴェドゴニア(2) MOON TEARS
・ ディバイデッド・フロント I 隔離戦区の空の下




封殺鬼シリーズ 26 終の神話・天泣の章
   長く続いてきた羅ゴウ編、その迫り来る災厄に抗う術を歴史と神話の裏側に隠された謎を解く事で追い求めてきた本作。
 羅喉と呼ばれる存在の正体とはいったいなんなのか。どうやってその脅威を防ぐのか。
 日本神話の裏側に篭められた古代の人々のメッセージ。祀る神を通しての警句。謎の鬼の正体。古来の風俗や歴史的事実を絡め、または手掛かりにして、それらを解き明かしていく過程は、良質の謎解きを見ているかのようでもあり、物語全体の核心でもある事から、非常に盛り上がりながら読み進めていただけに、遂にこの巻で総ての糸が解き解されたときには、感嘆が漏れました。
 また同時に主役の鬼二人を除く主要登場人物たちも、それまで自分の立場、在り様に悩み苦しみ、時には迷い、暴走してきたわけですが、自分なりの決着をつけます。それを人間的成長と一概に言うべきかどうかは迷う所です。成長という言葉は相応しくない、まさに決着を着けたというのが相応しいのではないかと感じました。これまでの二十数巻に渡り丹念に描かれてきた彼らの思いの移ろいの到着点。それが良いのか悪いのかは分かりませんが、感慨もひとしおです。

 なんにしろ、往くべき道は定まり、あとは結末を迎えるために走り出すだけになりました。彼らの行く末がどうなるのか、既に27巻は出ていますが、残り数巻、実に楽しみです。
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七姫物語 第2章 世界のかたち
   お祭っていうのはいつか終わってしまうから楽しいんだって、良くそういう風に言われますよね。そんな感覚なのかな。
 主人公の少女、カラスミが自分達をお祭に譬えるたびに、そしていつかの終わりを見つめるたびに、儚い気分にさせられます。何処までも続いていくかのようで、いつか唐突にあっさりと終わってしまうようでもいて。それが独特の文章で鮮やかに彩られる季節感を、過ぎ去っていくかけがえのないものとしてより輝かせている。カラスミの眼を通して、読んでいる此方までそう感じさせてくれます。
 それでいて、寂しさや物悲しさは感じないのですよね、これが。きっと、いつか祭が終わっても、また新しい祭を見つけて走り出すんだろうなっていうカラスミや、彼女を担ぎ上げた悪人二人組のたくましさが、楽しそうな姿が、そう感じさせてくれるのかもしれません。
 世界を取り巻くカタチを知っていきながら、それをちゃんと受け止めつつ、悪人さんたちとの祭を楽しもうとするカラスミが心地よく、彼らのお祭をもっともっと見続けたい、一緒に楽しみたいと、そう思わせてくれる七姫物語の二巻目でした。
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魔法遣いに大切なこと2 真冬の夢の静寂に
   いやもうなんで? というのが読み終わった直後の感想でした。
 ストーリー自体は実にオーソドックスで癖のある作風でもなく、こじんまりとした話とすら云っていいかもしれません。だというのに、読後はもう呆然。作品世界の余韻に酩酊。この作者なにものー? と作品に感動するだけじゃなく、こんな作品を作り上げた作家先生の方にまですごいよこの人、と感動してしまった次第です。
 例えるなら、ハンバーグや肉じゃがというありふれた料理を、別に特別な材料や調理法を使って作ったわけでもない癖に、食べたら眩暈がするほど美味しかったというような。
 ぽんわりと温かく、胸のすくような爽快さとしっとりとした穏やかさの同居する、なんてことはないけれどじんわりと心に染みるお話です。
 読んで、私はとてもとても幸せな心地になりました。
 私にとっちゃ、この作家さんが魔法遣いです。
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Dクラッカーズ7−1 王国−the limited world−
   胸が高鳴る。息を呑む。叫び出したくなるほどの興奮。
 本を読むという静的行為でこんな高揚感を味わったのはちょっと記憶にない。それぐらいにパワーがあって、魅力的で、素晴らしくステキな話でした。
 台詞の一つ一つが心にとび蹴りを食らわし、地の分の湧き出る登場人物たちの想いの一文一文が魂にアッパーカットを食らわしてくれやがりました。

 最高!

 今まで読んだ物語の中で、その言葉が一番似合う、きっとそれがこのDクラッカーズ7−1王国−the limited world−
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導きの星 IV 出会いの銀河
   あのクライマックスにおける衝撃は、思い返すたびに覚める事無くぶり返してきます。あれはまさに衝撃であり、感動でした。
 オセアノ盟主チキの高らかな宣言。それにともなう、銀河文明の大転換。いつか、人類はこれほどの輝かしい希望を得ることが出来るのでしょうか。

 私の中では、小川一水氏の最高傑作はこれ以外にありません。
 色々気になる点や引っかかる所はありますが、もうそんなのはどうだっていい。文句なんて云いたくない。
 無限の宇宙に一人ぼっちなのかもという恐れが、人類を宇宙へと駆り立て、他の星の知性体を追い求める原動力の一端となっているといいますが、こんな形でその孤独が癒されるのであれば、停滞なんて怖くないなあ。
 傑作でした。素晴らしかった。 
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陰陽ノ京 巻の四 (イラスト評)
   平安時代の陰陽師ものでありながら、視点は貴族よりも、日々を生きる庶民に寄った本作。
 怪異と人の情念が渦巻く闇と、しっとりと急かず荒ぶらず、穏やかで優しい人の心根の繋がりをしっかりと描いた本作。
 その本作の特徴にぴったりと、いやむしろ上記した本作の雰囲気を、より深く読者に印象付けているのではないかと思わせる、独特なタッチのイラストでした。
 四巻には巻末に柚子の物語を絵草紙として載せており、そこに描かれる洒乃渉のイラストがまた……魅せられっぱなし。溜息が漏れました。
 よくぞまあ、この小説にこの絵師さんを見つけてきたものだと思う事は間々ありますが、この陰陽ノ京はその代表格と言ってもいいかもしれません。
 
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七姫物語 第2章 世界のかたち (イラスト評)
  良くぞまあ、この著者さんにこの絵師さんを選んだものです。まさに慧眼。今となっては、この小説にこの絵以外は考えられない。それぐらいピッタリとハマっています。
この著者さん特有の透明感のある美しい情景描写、優しげな人間描写をまさに相乗させる色彩に富みながらも派手ではなく、柔らかな絵です。いいです。ちょっと感動するくらいに。
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火魅子伝10 (イラスト評)
   …………え?

 いや、だって。


 乳、が…… 
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吸血殲鬼ヴェドゴニア(2) MOON TEARS (イラスト評)
   眼の輝きがね、違うのですよ。この人の描くイラストは。
 ちょっと圧倒されてしまうくらいに。見惚れるではなく、目の当たりにした瞬間動けなくなるような衝撃。
 本当のところ、この絵師さまのイラストで一番好きなのは同じ虚淵氏の前作「ファントム」の方なのですけれど。描かれている人物の感情がダイレクトに伝わってくるような、一種呑み込まれるような迫力は、本作でも最初の口絵を見れば伝わるのではないかと。
 喜色に輝く瞳。怒りに猛る瞳、哀愁に濡れる瞳、楽しさに弾む瞳。惚れます。喜怒哀楽だけじゃなく、呆れたりふざけたり虚ろに沈んだり、すべての感情描写がすごい。すごいと云われてまず真っ先にこの絵師さまが思い浮かびました。
 未だにファントムの口絵は偶に見返して溜息をついています。 爛々と、という表現が本当に当てはまる絵がそこにありました。
 初めてイラストの為だけに買っていいと思わされた絵師さんでした。いや、幸いにもこの人がイラストを担当なされた作品で、文章の方は諦めて買わざるを得なかったようなハズレは今のところないのですが。
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ディバイデッド・フロント I 隔離戦区の空の下 (イラスト評)
  表情が描いてあるなー。
いや、意外とちゃんと表情が描けてない、描きわけられていない絵師さんというのは多いと思うのですが、この絵師さんに関しては痒いところまで手が届くような微細な感情の滲み具合がちゃんと描かれていて、表情として伝わってくる。
この絵師さまには他の小説でも一票投じさせていただきましたが、入れずにはいられませんよ。
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