ブラックナイトと薔薇の棘
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腕のよい職人が丁寧に作った佳品。 見た目の派手さはないですが、しっかりとつくっているので百年は持ちそう。 イメージはそんなところでしょうか。 ちょっと地味すぎて、一昔前のジュブナイルのような感じも。 それでも、深刻にならず軽妙に読めるのなら これもまた「ライト」ノベルと云えると思います。 続編はでないんでしょうかねえ? |
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学校を出よう! 2 I-My-Me
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谷川流は優れたワンアイディアの短編作家のように思えます。 冒頭の奇天烈な状況、その謎をきっかりと解く結末(それでいて切なかったり)。 でも、筆力があるので読ませますが、中盤は冗長だったり(ハルヒの溜息) 前半と後半で明らかに話が分裂していたり、(学校3) 長い話を書くのはあまり向いていないタイプのように思えます。 で、この学校2は、弱点と思える中盤のだるみがなく、いい感じです。結末もせつないし。 個人的には、このレベルの締まった短編集が読んでみたい所です。 ハルヒの退屈みたいのではなく。あれも好きですが(笑)
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バッカーノ! 1931 The grand punk railroad 特急編
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ぶっちぎりのノリ、破天荒なキャラ、複雑を極めた構成。 どれもすばらしいですが、これらは皆さんも上げることでしょうから、 ここでは記述する必要もないでしょう。 昨年度出した作品はどれも好きですが、あえて一作あげるとこの特急編。 鈍行編をすべて、ミス・ディレクションに使って、特急編、開始早々でネタをばらす剛毅さ。やられました。 構成の他にも、すばらしいテクニシャンかと思います。 後は、人間の深みを描ける描写力があればとも思いますが、 この軽さ、軽妙軽快さが成田良悟の持ち味。 ある意味、真の「ライトノベル」。 読後は心も軽くなります。 結構人が死ぬ話なのですが(笑)
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吉永さん家のガーゴイル
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ガーゴイルはとんでもない力を持っているのに、町内で話が完結している箱庭がともていいです。 出てくるキャラクタも基本的にはみな善人ばかり、居心地のよい作品世界です。 何気に最強なママンが特にいいですね(笑)直接のせりふがないのに、存在感ありまくり。 ただ、どの話も中盤から結末までが弱いような気がします。 特に「少尉」への誤解がガーゴイルのよってあっという間に解けるのはどうかなと。 不当な汚名を晴らすのは、クライマックスがよいかなとは思います。 2巻の百色の再生も、もうちょっとねちこっく描いてくれるともっと楽しかったですが。 もっとも、あんまり深刻にすると作品に合わないかもしれませんが。 いい人ばかりでも面白い作品がかけるという見本でもありますから。 |
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幽霊には微笑みを、生者には花束を
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良質のジュブナイル・ミステリ。 まずは主人公が頭はいいけど、ただの人なのがいいですね。 不可思議な力で事件を解かれてもなんですし(笑) SF的要素やファンタジックな雰囲気がある場合、 事件を解く時に、アンフェアな力を利用したものかと思いますが、 その誘惑にうちかって、主人公の知恵だけで解いています。 こういった傾向の作品が増えてくれるとうれしいです。 能力バトル系ばかりではなく。
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