創 世 記

F.V.エクタクローム  またの名を 中山星香のメール



「くみちゅー」
(文責:久美沙織)

 偉大なるファンタジスタの先駆者・中山星香さまの「ご感想」をご紹介いたします。
 星香さまの超ロングラン・ファンタジー『妖精国アルフヘイムの騎士』の、文庫版第18巻に、不肖くみさおり解説を書かせていただきました。先日新刊を送ってくださったので、お礼を申し上げつつ、このラノのありかを教えて、いまわたしはこんなことやってるんだよー、と申しましたところ、さっそく少し読んでくださり、感想を送ってくださったのです(星香先生は言語道断にお忙しいのにこんなやつにもいつもすごくお優しい、思いやりに満ちたあたたかなかたです!)。
 そのメールがわたくしめひとりで読むのはちょっともったいない内容だったので、発表してもよいでしょうか、とおうかがいしました。「部外者の発言だから」と少し躊躇なさったのですが、
 少女マンガと“ライトノベル”は読者さまもかぶりますし、ファンタジー(風、も含める)は、ゲームやアニメなどの他メディアのほうを先に知って、そっちでミョーな「インプリンティング」されてしまった読者が少なくない現状、ずっと「本格」「直球」「一直線」な星香さまの目から、いろんなものがどのように見えているかについて「拝聴に値する」と考えるのはわたしだけではありますまい。また、「人間・中山星香」のかざらないお姿がそのまま出ていて、たいへん貴重なものだと思いましたので、ご無理を申し、転載のご許可を得ました。もとはあくまで私信であることをお含みおきの上、ご堪能ください。

 以下、ちょうだいいたしましたメールです。



中山星香
公式HPはねりまどーるはうす
中山星香氏の妖精国の騎士(47)は、1986年から『月刊プリンセス』にて連載されている少女マンガ史に残るファンタジー超大作、その最新作です!男性の方も手にとってみてはいかがでしょう?

妖精国の騎士(47)
著 中山 星香
プリンセスコミックス
秋田書店
→bk1 →ama →楽天

 久美さまΣ(・口・) 物凄い力の入ったぺーじですね、5話まで読んでタイムアウトしました。
 少しずつ読ませて頂きます〜〜〜\(^▽^)/。

 私は畑違いの人間なので、もとちゃんみたいな感想は書けなくって申訳無いです。
 お初コバルト体験が、実はめるりんのイラストに引かれて突入した丘みきなのです〜〜(^▽^;)>>。
 少女小説は小学校の友人が御家に(あの時代にコッカスパニエルとか飼っているお金持ちだった)自分専用のスティール本棚を2〜3持っていて、そこにハードカバーで、しかしお手頃サイズのシリーズものらしい何やら外国の少女小説が、ドカっと入っていたのを読ませてもらった位の記憶しかないのです。
 自分はその頃はシートン動物記やファーブル昆虫記にはまりにはまり、灰色栗鼠とフンコロガシに出会う事が夢の極みな子供でしたので、感想は「秘密の花園の”TVのシリーズ”」みたいと言うものでした。(秘密の花園そのものはFTと同様の世界観を感じます)
 世界が小さいのです、でもそこそこ、面白くて大抵読んでしまいましたが内容はあまり覚えていません(^▽^;)>>。
 後日母が買ってくれた若草物語は映画の様な作品でした(私の場合は頭で映像に変換出来て初めて魂に入った本の領域になりますがTV映像は狭くて小さいので準水準の作品という事になります)から、何かが未熟な本達だったのでしょう(^▽^;)>>今となっては解りません。


「制服の胸の・・・」
第1回の註参照。

 和風に行くと、「制服の胸の・・・」も、やはし中学校のクラスメートが貸してくれて読みました。
 何かギリギリだなぁ・・・と思った覚えがあります。なにか妙に生々しい本だった印象が。


「じゃぱねすく」
第4回の註参照。

 氷室先生を読ませて頂いたのは久美先生の御本の続きで読んでみたので「じゃぱねすく」がお初です。
 すらすら〜〜と読めて何と言葉の上手な方だろうかと感嘆しました。
 もとちゃんはもっとずっと後でした。世の中にもとちゃん以降だと思いますが沢山の一人称作家さん達が出て来てそれらの何かをチラリと読んで、逃げちゃいました(^▽^;)>>。今でも一人称小説は苦手です。そんなこんなでもとちゃんの作品はテクニカで御本人の書き込みを読ませて頂くようになった後でした、後年読んで(読めました!)凄いと思っています!
 ただ、後年何冊か色んな方の作品を一寸ずつ読んでみて、やはりコバルトタイプの作品には多少ですが違和感があります。出て来る映像がTVサイズのが多いので(^-^;A。

 もしかしたら、誤解を恐れずに書きますと、少女漫画界でドップリ育った私は小説には漫画を求めていない特殊な読者なのでしょうか(^▽^;)>>。
 今は漫画に代わり、アニメ化やゲーム化しているのかも知れませんが、それらの要素が入っている作品は、ノイズとなって、私にとっては作品の味読の邪魔をするのです。
 子供達にはそれがとっかかり易さになっているのかも知れません。
 ただ気をつけなくてはコピーのコピー現象が業界全体で起きるので、唯一無二の存在になり得ず消費されて消滅する可能性が(^▽^;)>>。
 今の漫画界の不振はそこにありとみています。

 私は本を読むのが一番の娯楽なので、良き本との出会いに常に心をときめかせておりますが、残念ながら、最近読んでみたハリポタもほぼ漫画でした(^▽^;)>>。
 でも嫌いでは無いっす、のめりこめないだけで。2巻以後読むかどうかは疑問です。
 これは書き手の世代の違いなのでしょうか?読み手の私とのギャップ?
 子供達に本を読む楽しみを教えてくれただけで感謝してもしきれない作品だと思っていても。
 翻訳児童文学に魂から持っていかれた、あの時の感激がにゃい(^▽^;)>>。
 ここいら辺の謎に答えてくれそうなのが、今回のエッセイなので物凄く楽しみに読ませて頂きます。

     取急ぎのF.V.エクタクローム拝


原稿受取日 2004.5.6
公開日 2004.5.10

目次にもどる    第11回 「『おかみき』が教えてくれた“愛”に関しての深遠な問題」

『ライトノベルファンパーティー』にもどる