【ライトノベルについて】

──ちょっと話題を変えて。※ライトノベルとかって今呼ばれるものなんですけど、名前が気になるっていう作家さんも多いんですけど。呼び名とかってその辺は?
有:わたしが現役で読んでた頃はライトノベルっていう呼び方自体がなかったですから。しばらく離れて戻ってきたら、なんかみんなライトノベルって読んでいるから、ああそれで固定したのかっていう感じで。ああ今はこう呼ぶのね、みたいな。
──大学から復活するまでのあいだにいつのまにか、ライトノベルって。
有:名前がついてました。なんかわたしの時はコバルトとかソノラマとか、レーベルで呼んでたので。
長:僕も同じくらいの頃ですね。
──元々投稿していたところに参入するという形で。他には全然考えなかった?
有:というか、なんですよね。すごい中途半端な作風なんですよね、わたしは。一般としても微妙だし、ライトノベルとしても微妙っていうところがちょっとあって。で、どっちつかずに中途半端なんですよ。なんでしょうね。たぶんライトノベルとして読んだらなんか物足りない人っていうのが出てきちゃうと思うし、実際これはライトノベルとしてはどうなの?みたいな意見もあったりするし。かといって一般としても微妙なんですよね、わたしの出力するものは基本的なとこが初期のライトノベル文化に染まっちゃってるから。そしたら中途半端な作風に対してどっちが許容量が多いかなって考えたら。絶対ライトノベルの許容量の方が大っきいって思ったんですよね。懐はライトノベルの方が深いよなって。それでライトノベルに。
──長谷さんは?
長:いや、僕の場合は、本当に大して読んでないという感じだったので。
──自分の作品を出してもいいかなって。
長:やっぱりあれなんですよ。ライトノベル系のレーベルに出したっていうのは、やっぱりさっき有川さんの言われてたように微妙さっていうんですか、自分の書く奴は一般の小説ではないんだろうなっていうのがあって。実際、当時と過去形にできるほどは今だって理解できてないんですけど。あんまり理解できてなかったっていうところがあって。後やっぱあれですね。なんだかんだ言っても気分を変えたい時とか、けっこうライトノベル今でも、ちまっちまって読むんですけど、そういう時に頼ってるのってライトノベルなんだなって。ミステリーは本格的なものより※コージーものを好きで読むほうだし。本当にユーモア系とかそんなものばっかり読んでたんで、それだったらやっぱり一般よりもライトノベルに違いないってことで、ライトノベル系のレーベルを志したっていうのはありますね。
──これからは、ライトノベル系で?
長:わからないんですね。これがまた、結構微妙なところがあって。僕は、ライトノベルは好きって言うかまあ読んでいるんですけど、ライトノベルの読者さんの嗜好から外れたら、最悪また別の方向性を探さないといけないっていうのはやっぱり、作家である以上しゃあないって。
【萌えについて】

──萌えっていうのを聞きますけど。お二人の共通点って考えてみると、まあ失礼ながらも萌えがあんま無いかなあって(会場笑)
有:お求めの方は別の作品で素晴らしいものがいっぱいありますから。
長:いや、でもそのうち書きますよ。てか。ライトノベルレーベルに3年いて、次が4年目なんですけど。4年いてライトノベルの技術をまったく身に付けてないのもそれはそれで悔しいんで、もうべったべたの萌えとか書きますよ、そのうち。
──SFで?
長:やっぱりすぐにっていうのもなんですけど、徐々に萌えとかも書いていきたいなって。「ライトノベル系の出身です」って言って「じゃあ君萌え書けんの?」って言われた時に、「萌え書けます」って言えた方がいいのかなって?
──※フリーダもちょっと萌えが。
長:萌えは多少考えたんですよ。多少考えたんですけどね、だから最初の原題は『女子高スナイパー』だったんですよ。
──(笑いつつ)どういう?
長:タイトルは、今まで一回も僕のヤツが通ったことないんですよ。必ず編集さんに直されてるんです。
──まあでも、※セカチューみたいなのもあるから。
長:毎回直されている奴が、そんときもやっぱり「女子高スナイパーで行きましょう」って言ってたら。突然途中で話が「海賊が空からやって来ました」ってなって、「みんなで逃げましょう」とかっていっているうちに、だんだんあれ? あれ? あれ? あれ? っていう方向に行って。最後はずがーん(つまりは萌え的に壊滅)という感じ。こうなっちゃいましたごめんなさいという感じで終わっちゃいました。
──※あの世界は繋がってるんですよね。
長:繋がってますね。まあ繋がっていた方がいいかなっていう感じで。
──有川さんは萌えとか?
有:どこかですね。なんか世間様の求めるところの萌えとわたしが萌えだと思っているものが乖離しているんで。
──わかります。有川さんの萌えはよくわかります。いろいろと。
有:んーだから。わたし的にはけっこう萌えなんですね。女の子とかもわたしにとってはけっこう萌えるところを書いてある。わたしの萌えが書いてあるだけで、それが世間的に認められるかどうかは知らない(笑)これを萌えだと思ってくださる方は、一緒に楽しんでくだされば幸いです、みたいな。
長:これからは宮じいを。宮じいの時代がやって来ますよ。
有:宝田が結構萌えなんですよ。
長:宝田さん萌えですか。宝田さん意外とシーン少なかったですよ。
有:そうなんですよ。
──作者の中では存在は大きい。
有:はい。脇役で気に入ってるかな、ぐらいの感じなんですけど。ああいう直情径行で単純なおじさんはけっこう好き。
【セカイ系について】

──あとは、けっこう質問とかしたい人はいるのかな? どうしよ。そうだもう一つは最近セカイ系というのがあるみたいなんですけど? あるんですか?
有:なんか、定義とかなんかを教えて頂いたら。
長:セカイ系の定義ってどんなんですか。
有:なんなんでしょうね。
長:ぼくも未だに定義が揺れてるんですけど。
有:わたしもなんか。
長:定義が揺れていてなんなんですけど。定義の固まってない枠のことを喋るのはなんか。
──誰かセカイ系の説明のできる人?
──説明指定やるっていう人、若者よ?
長:セカイ系っていう風にレッテルを貼るのに、レッテルの中身がわかんないっていうのはなにごとやって。
──最終兵器彼女みたいな。
長:そんなの酒場に行って、並んでるのはみんなアルコールアルコールっていうのと同じようなものじゃないですか。
──だから……だいたいこう窮地に陥って、男女の恋愛があって、(とここで会場中が笑いに湧く)どっちかが世界を救うことになっていて、一方は切ないおめでたが見てるって言うのがセカイ系のような気がする。
有:世界と自分の間に社会が欠落している形になるって聞いたことがあるんですけど。
長:なるほどなるほど。
──塩の街はだから、セカイ系っぽいなって思ったんですけど。
有:ネット上の感想とかを拝見してるんですけど、セカイ系に見えてセカイ系じゃないって意見があって。「え、セカイ系って何?」みたいな。これ(塩の街)がセカイ系だっていってくれると、ああ、わたしの書くものってセカイ系だったのかって納得できるんだけど、そう見えて実は微妙に違うって意見もあるから「だから結局セカイ系って何なの?」と。わかんないですね。
──ではこだわらず?
有:あんまりこだわってないですけどね。
長:本当に幽霊みたいなもんで、見えないものをどうやって語っていいのかよくわからないっていう。なにがしか、そこんところにカテゴリーにあるものがセカイ系なんだっていうのがばちんとかたまっていると、考えようっていう感じになるんですけど。よくわからないっていう。未だに。なんで、本当にごめんなさい。
──セカイ系は身に付けないと?
長:身に付けないっていうより、わかんないものに向かってどう投げていいのか、というかどう判断していいのかってよくわかんない状態でして。
──このへんに読者もいるんですかね。
長:そういうことやっぱり、そういう作品を求めている読者の方に対してどうアンテナをはったらいいかわかってない状態ですね。よくわからない。ごめんなさい。

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