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hikeさんの選。



▼プロフィール

hike
白面書生管理人。

url : http://hiketu223.fc2web.com/


推薦図書
・リバーズエンド/橋本紡/電撃文庫
・半分の月がのぼる空/橋本紡/電撃文庫
・しにがみのバラッド。/ハセガワケイスケ/電撃文庫
・涼宮ハルヒの憂鬱/谷川流/角川スニーカー文庫
・銀盤カレイドスコープ/海原零/集英社スーパーダッシュ文庫




電撃文庫「リバーズ・エンド(橋本 紡)」シリーズ。
 対象期間内なのは5巻のみ。この巻の締め方はどう見ても強引であり、不評が多かったのも頷けます。しかしシリーズとして4巻までからの繋がりをも考えると、そもそもシリーズの終着点である決着をシリーズの魅力に直結させるのは早計と呼べる。特異な状況下におかれた少年少女の、暖かくも何処か哀しい交流を最後まで描ききったシリーズだったと、私は今でも思っています。とはいえ、確かに1〜3巻程度が絶頂期かも知れません。

電撃文庫「半分の月がのぼる空(橋本 紡)」シリーズ。
 対象期間内に1・2巻が出版。同作者で登場するのは、回し者ではなく単なる好みの傾向ですのであしからず。以前のシリーズの様にsf等の枠に囚われず、“ちょっと変わった日常”に内容を留めた作品。それだけに、作者の暖かい文体が最大限に生きています。2巻では少し怪しげな医者が登場したりもしますが、敵と言う訳でなく相変わらず日常に留まる。もどかしい位の、少年と少女の繋がりを描く日常系名作です。特に1巻の纏まりは魅力的。

電撃文庫「しにがみのバラッド。(ハセガワケイスケ)」シリーズ。
 期間内に1〜3巻が登場。主人公的な死神「モモ」と相棒「ダニエル」を毎回脇役に落とし、本編は“生と死”を巡る普通の人間たちを主役とした短編集という変わった形式。身近な誰かが死んだという重いテーマを必然的に扱っている事による感傷もさる事ながら、その物悲しい優しさの文体は圧巻です。

角川スニーカー文庫「涼宮ハルヒの憂鬱(谷川 流)」シリーズ。
 期間中に1〜3が出ていますが、あえて言いますと。名作として特に推したいのは1巻「涼宮ハルヒの憂鬱」です。或る意味で荒唐無稽なまでにやたら壮大な設定。余程のライトノベル好きでも度肝を抜かれる事が多いのではないかと思われます。2巻は少々どころでなくその設定を持て余していた様ですが、3巻の短編集では元の持ち味を取り戻しつつあります。今後にも期待が持てる一作。

集英社スーパーダッシュ文庫「銀盤カレイドスコープ(海原零)」シリーズ。
 「まいじゃー推進委員会」さんの働きも確実に含め、間違いなく名作の地位を確保したシリーズ。期間内に3冊が出版。毒舌プリンセスと帯に紹介されるほどの主人公。しかし、その内面の不安を綴った描写は素晴らしい。更に凄いのが、物語調に表現されたフィギュアスケートの描写。誰にも真似できない、素晴らしい技法を持った小説と言えます。


 更に、対象作品外でのお奨めも、1冊。

 富士見ファンタジア文庫「ドラゴンズ・ウィル(榊 一郎)」。
 菜食主義で平和主義者の黒魔竜。身近な者(主に女の子)以外の幸せ以外を護る気などない勇者。自らの居場所に悩む“勇者の代理人”の少女。『世界に定められた運命』に逆って生きて行く者達の物語。正直、1冊完結でぼろぼろ泣けたのはこの作品位です。――雑誌にしか掲載されない、数年後の後日談を読んだことが無いのがそれこそ泣きたくなる位悔まれます。

 という所でしょうか。及ばずながら、アンケート考証の足しになれば幸いです。では。