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一歩の考察

各レーベル毎、発行時期毎に

.電撃文庫について

まとめると、
・主人公の絵は要らないけどヒロインの絵は絶対必要。
・もてもてハーレム話でなきゃやだ。
・メイドだったりエロだったりするのは3割、健全に学生服(ミニスカだけどな)なのが3割、普段着が3割の三国状態。まあそこまで不健全でもないのでは。
ぐらいになる。
  • 主人公の不在

    主人公は概ね男性であるはずなのに、
    約5割において、表紙イラストに男性キャラが居ない。
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  • ヒロインは必須

    対して、女性キャラはほぼ必ず(=9割)居る。

    男なんざどうでもいい、むしろ自分を投影するにあたってその顔形は邪魔。
    そして、(仮想の)自分の相手であるヒロインについては、イラストで明示しろ、
    という野郎の気迫が透けて見える。
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  • しかもヒロインはサービスサービス!

    約5割は、なんらかのセックスアピールで女性キャラがサービスしている。
    内訳は、
    ふとももを見せている絵が3割、
    メイドや巫女等の衣装を見せている絵が3割、
    そのどちらかでなく両方をしてるのもあって、総計が5割になっている。
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  • 純粋異性交遊

    主人公は半分居ない、という事が判ったのでそちらは無視とし、
    女性キャラの数を数えると、

    女性が1人のみ、つまり、1対1のカップルと推定されるもの:6割
    女性が2人、つまり、三角関係カップルと推定されるもの:2割
    女性が3人以上、つまり、ハーレム状態と推定されるもの:些少

    健全なるカップルが6割とみていいようだ。
    だが逆を返してみると、3割が女性2人以上、つまり、三角関係かハーレムの話らしい。3冊に1冊がそれというのは、ちょっと……
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  • イラストは顔だけに留まらない。胸と腰(とふともも)が重要

    顔だけ、あるいは胸から上のイラストが驚くほどに少なく、1割に過ぎない。
    残りは腰まで、膝まで、全身と3割ずつ割り振られる。

    全身のイラストは、純粋に立ち絵でなく、座ってたり膝を曲げてたりしているものが多く、これは「膝」の1バリエーションと取る事もできる。
    となると、膝までが一番優勢となる。
    数値になってない部分まで、以上のように甘く取ると、
    胴体全体+股が見えてる絵が8割、
    という結論になる。

    これを、
    人は絵を見る時、キャラの全身が見えていないと不安となるが、足首以下の末端は不要、
    ととるか、
    ふとももが見えないイラストに用は無い、
    ととるかは微妙である。

    私はもちろん、ふともも見えてる率が3割ある事を根拠に、
    後者の立場を取るものである。
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  • 特別な萌えは少ない

    猫耳とか、スク水とか、色々騒がれる昨今だが、「衣装」の内訳を見るとその内容はかなり分散している。特定のナニという感じではなさそうだ。
    「ドレス」という項目が一点ぬきんでているが、これは細分するとゴシックとかフリルとかお姫様とかになっていくのだろう。そして、それぐらいは従来からあった事であり、特に着目の必要はないと考える。

    まあ、衣装フェチが3割あるという段階で、既に終わっているという論もあるが。
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  • 学生服はミニスカ

    これって調べるまでも無く常識なんでしょうか。
    制服でかつふとももが見えている、というので、ミニスカ学生服が出ると考えて数値を出すと、実に学生服の7割が「学生服スカート翻してふともも見えてる」状態と判明しました。
    あとの3割はなんなのだろうなあ。
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.コバルト文庫について

まとめると、
・主人公の絵は要らないけどヒーローの絵は必要。
・カップルでなきゃやだ。男x男でいいから。
・色気は腹筋で。あと抱く/抱かれる事で。
ぐらいになる。
  • 主人公の不在

    主人公は概ね女性と思われるが、
    約4割において、表紙イラストに女性キャラが居ない。
    まあ、電撃の男性の時より1割増しで健全と思われる。

    健全でないもう一つの推定は、主人公が女性ではない(ついでに言うとヒロイン側も女性ではない)可能性である。
    これについては後述のデータと照らし合わせて結論する。

    いやまあ、健全に男子が主人公なだけ、のが多いのかも。いきなり不健全を言い出すのはこっちの目が偏見に曇ってるのでしょうな。
    いずれにせよ、性別が異なる主人公という事は、
    ”自分を主人公に仮託して物語を愉しみたい”という欲求が薄く”単に見たい”だけなのか、
    ”それだけ変身願望が強い”という事なのか。
    後者だとすると、男子レーベルでは異世界トリップだったのが、女子レーベルでは異性別トリップ、という事になり、それはそれで興味深い。
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  • ヒーローは必須

    対して、男性キャラはほぼ(=8割)居る。

    女なんざどうでもいい、むしろ自分を投影するにあたってその顔形は邪魔。
    そして、(仮想の)自分の相手であるヒーローについては、イラストで明示しろ、
    という皆様の気迫が透けて見える。
    まあ、男性より1割そのへんの気迫はよわげ。
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  • ヒーローのサービスとは? 「抱く」事か

    ふとももとか、衣装もドレスと着物が多い、つまり女性側をカウントしてる数値にしかなってないと思うので、数字で「サービス」を示す事は出来ない。

    だが、あえて示すと「並構図」が1割に満たない点が逆に注目。
    (電撃文庫では16%だったのが9%になっている)
    これは、実は、二人並んでいる構図は結構あったのだが、その両者の頭の位置が「並んで」居ないのが多かったのである。だいたい頭身で数えて1つか2つ分のずれ。そう、片方(ヒロイン役)が片方(ヒーロー役)の胸に抱かれている姿勢、の絵が多かったのである。
    残念ながらそのカウントは今は数値化していない。

    ちなみに、電撃文庫では、二人が並ぶ時、その目線位置は頭身で数えてせいぜい半分、多くて1つぐらいだった。例え身長差があろうとも”並んで”居たのだ。
    このあたりの
    ”一緒に立っている”
    のか
    ”抱かれている”
    のか、の差は、性差、あるいはドリームの差を思わせて面白い。

    あるいは、ピン立ちのキャラ萌えに狂う男子と、
    相関性、お互いの関係性に萌え悶える女子、
    という結論が導かれるかもしれない。

    他に適切な”色気”を定義する項目としては、
    相方に向ける熱い視線とか、
    なにげに肩に回された手とか、
    なんとなくあるだろうなと思うのだが、私に素養がないのでそれらを客観数値にできない。
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  • カップルの行方 「二人」でないと始まらない

    前述に繋がって話を続けるが、
    ここでカップル率をチェックしてみたい。厳密カウントの方。

    男x女カップル:3割
    男x男カップル:3割
    女x女カップル:些少

    つまり、6割の絵が「カップル」なのである。
    ちなみに性別問題のところが半々、という数値がなんとも生々しい。
    更に「シングル」の絵をチェックすると、これが女一人の絵が1割に足りず、男一人の絵では些少となる。”カップルでないと意味がない”というのがこちら側からも示唆されている。

    こうして、カップル率については上の癖に、先にあげた「並構図」の率は下がる。
    演繹的だが、これで”抱く/抱かれる”構図が多い事の証左とならないだろうか。
    カップル率と合わせて、上述の相関萌え(特に攻め受け付?)、に裏づけができたように思う。

    余談だが、電撃文庫では、男女カップルが2割、女女カップルが1割、で、こちらに比べて比較的少ない。同性別率が下がってるあたりも注目だろう。更にシングルについても、男一人絵は些少、女一人絵は3〜4割と、順当にカップルの減った分がそちらに回っている感じだ。それはまた、ピン立ち萌えという上述に矛盾しない。
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  • 男(のイラスト)は胸(と腰)で語る

    顔だけの絵が0%。そして、全身率や膝から上率も少なく、腰から上に集中している。

    下品ですまないが、要するに股間までで太ももは要らない?
    というか腹筋かわき腹ぐらいがセックスアピールになっているのだろうか。
    あるいは、少女漫画系の文法が、そのあたりからのカット、という事になっているのかもしれない。(そしてその文法が小説表紙イラストに導入された)

    野郎は大柄で、全身入れると相対的に顔が小さくなって困るとか、男のズボンなんかのぺーとしていて描いてても面白くない、とかもあるのかしらん。
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  • (今の)数字では見えないこと

    電撃文庫に比べ、歴史モノ(新撰組等時代劇)、異世界モノ(中世風ドレス、中華風着物)の比率が多かったと思う。だが、そのあたりの分別はこのデータ項目では数えられなかった。
    衣装も華やかなものが多いのだが、そのあたりを区別する目が私に無かった為、「ドレス」「着物」でカウントされてて申し訳ない。

    また、イラストからの男女の区別が非常につきにくい。色使い等でも、小さい画像で見るといわば”溶けてる”ものが多く、時に人数すら数えにくかった。
    イラストレーターの技量問題なのか、構図問題なのか。
    これもこのデータ項目からは窺い知る事はできない。
    私見で良ければ、下手な絵が多いのもそうだが、むさい男子が不要(中性的な男子が好まれる)、という事なのだと思う。
    そういえば、ごつい体格の男子+それに抱かられる女子、の図は見た記憶がほぼない。
    ごつい男子の時は相方も男子だったような……

    あと、男の服装分類も不明だった。
    黒のシャツ、胸元ははだけてる、とか、いうのがおそらく”ふともも”に該当するような、
    カッターにネクタイ、が”委員長”に通じるような、
    そういう文法があるのだと思うが、そのへんは識者の指摘を待ちたい。
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.MF文庫Jについて

まとめると、
・電撃文庫と同傾向だが、より過激にエロい。(どの項目も1割増量)
・衣装フェチが無視できなくなってきた。
・学生率が4割、ミニスカ率は6割。
ぐらいになる。
  • 主人公の不在は6割超

    主人公であるはずの男性は3割強しか表紙に居ない。
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  • ヒロインは前提。しかも一人じゃ足りない

    女性キャラはもう必ず居ると言っていいだろう(=96%)。

    男女の存在率は共に、電撃文庫より更に1割過激な人口移動が起こっている。

    2つの項目で1割ずれたという事は、総計すると更に大きな事になる。
    現状、1冊当り平均1.4人の女性と0.4人の男性が居るという数値があり、つまり、
    男性1人当3〜4人の女性?
    なんですかそれは!?

    まあそれは数字のマジックだとしても、女性2人以上が3割、3冊に1冊が三角関係ないしハーレムという部分はしっかり保持されている。
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  • 究極のサービス

    サービスの度合いも対電撃文庫比で1割ちょい増え、要するに7割がなんらかのセックスアピールをしてることになる。
    ふとももが5割! ついに半分になりました。そして衣装が4割。
    そろそろ、衣装フェチなんて少数派、と言ってられなくなりました。半分に迫る勢い……

    衣装内容の中では「ぴったり」が目立ちます。レオタード系の服装が好きなフェチが多い?
    「ミニスカ」というのもカウントしてみましたが、要するにふとももの一部でしょうなこれは、という事で、こちらの考察は省略します。
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  • 学生度もアップ、ミニスカ度もアップ

    学生服は4割(電撃文庫が2割)。
    つまり、より身近な題材の話が増えている、という事だろうか。
    学園モノの話が多いのか、主人公が学生という設定のものが多いのか……そういうものが約半分、というのは、なんだか嬉しい気持ちになる。

    だが、学生が2倍(又は2割増)になった事と共に、エロ度が上がっているという点を重ね合わせると、
    こう、かなり不純な結果が……今の時代は乱れてる! というかMF文庫Jが乱れてるゥ!!

    更に更にちなみに、
    学生服でミニスカ(ふともも)度もアップ。6〜7割について
    「学生服はミニスカ」
    という事がはっきりした。もう常識。過半数越え。
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.MF文庫Jピンナップについて

まとめると、
・MF文庫J(表紙)より更に過激に。女性は二人。
・「ピンナップ」とはこういう事さ。嬉し恥ずかし綴じ込み付録。
・新進レーベルの通常戦略?
ぐらいになる。
  • ヒロイン二人がデフォルト!

    もう必ず居るとかのレベルではない。
    1イラスト当り2人という平均値が出ている。

    それどころか、従来は端数切捨て扱いだった「女性3人以上」の項目が3割を獲得。
    は、はーれむ。



  • 学生服は(表紙)4割→2割に。
    ふとももは(表紙)5割→6割に。
    衣装は(表紙)4割→7割に。
    (ふとももと衣装を合わせた)サービスは(表紙)7割→8割に。

    お前ら! 学生服脱いでナニに着替えているんだ! ていうか、着てないのか!?

    と衣装の内訳を見ると、表紙では2〜3%だった水着とか露出が1割超えてたりする。風呂とかいう項目も増えて5%獲得してるし。
    表紙で数値の上がってたレオタード系「ぴったり」はゴミ数値にダウン。
    もうこうなったら余計な小細工は必要ありませんな、という事なのか。

    ああっ
    全身ショット率が5割以上に!(表紙では3割)
    つつつまり、あっあ〜んな姿を余すところなく?

    乱れています。
    いやはや、ピンナップの名に恥じない乱れっぷりですな。
    ぽかーん

  • 新進レーベルのサダメ?

    これは考察でなく今後の課題になるのだが、
    こうした過激さ(エロさ)というのは、新進レーベルの常套手段、という感じがする。
    それを確認するには、電撃文庫の登場当初の刊のイラストとかを調べないと駄目なのだが、その頃の表紙画像というのはオンライン書店にはない。電撃文庫のサイトに行っても、絶版や重版未定という事でリストから外されており、やはり表紙イラストの確認はできない。
    なんとももどかしいところである。

.MF文庫J表紙+ピンナップについて

基本的にOR集計(表紙かピンナップで学生服があると、制服に○)。
計数がORでは難しい場合はSUM(表紙で1人、ピンナップで1人男性が居ると男性2人)。
まとめると、
・女性は必ず居て、ほぼ必ずサービスしている。
・3冊に2冊はモテモテ三角ないしハーレム話。
・主人公(男性)の存在は5割に持ち直し、学生率は5割に上昇。
ぐらいになる。
  • 全女性のサービス

    判っていた事だが、表紙とイラストを合わせると、この部分は強化される。
    とはいえ既にあわせる前から8割9割行ってる様な話なので、あまり変わり映えがしない。せいぜい1割アップか。
    だがその1割が効いてくる。
    ふともも7割、衣装8割というのはかなり凄い数値だとは思う。

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  • 過半数がモテモテ

    女性2人の絵がある本が4割、3人以上が3割、合計で7割に達する。
    半数弱が二人に取り合いされるモテ男で、
    3冊に1冊がハーレム。
    3冊に2冊はただのカップル以上という事に。
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  • 男性と学生は半分

    男性率は持ち直して5割に。
    学生率は更に増えて5割に。
    このあたりは健全な傾向が見えて嬉しいのだが、さて。
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.MF文庫J年代別について

また、MF文庫Jのそれぞれについて、年代別に分けたデータからは、
  • 表紙絵における、主人公排斥+ヒロインお色気攻勢傾向は、以前からあったが、今年ぐらいから猛攻をかけそうな気配。
  • 主人公排斥は常に、徐々に進んでいる。
  • ヒロインイラストは最初から100%だった。
  • 2002年は表紙で粉だけかけといてピンナップはおとなしめ/サービスの両極端。
  • 2003年以後はピンナップでもおとなしめというのは減り、なにかちょっとサービスっぽく。
  • 少数派なのだが、表紙で露骨なサービスを行う場合が徐々に増えつつある。
  • ふとももは常に愛される。
といった結論が導かれる。

.電撃文庫初期について

まとめると、
・主人公は居た。
・ヒロインは居たけどサービス率は1割下がってた。
・主人公と恋人、主人公と敵。主人公と恋人と敵。という構図。並置する友は居ない。
ぐらいになる。

1993年から始まっている電撃文庫だが、Amazonとbk1で見る限り、オンラインに書影が用意され始めたのは1998年8月ぐらいからで、それ以前はほぼ画像が無い。
有るのは「クリスタニア」「央華封神」「ブギーポップ」と、
「フォーチュン・クエスト」及び「都市シリーズ」がそれぞれ途中から、ぐらい。1998年までは年に数冊分程度という事で、まあおまけ。
つまり、1998年末〜2001年4月までの100冊ちょいの検討と思っていい。
5年前の傾向という事になる。
  • 主人公は居た

    2005年には5割だが、2000年では7割に男性が居る。
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  • ヒロイン必須は変わらない

    勢いは多少衰えているが、これは変わらない傾向らしい。
    サービス率は昔が1割減。ふとももも1割減。
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  • ヒーロー/ヒロインを取り巻く環境の変化。昔はより勇者らしかった?

    「並構図」が0%。つまり、必ず上下関係/対立関係のあるイラストになっている。
    こうしてみると「並んでいる」絵というのは、昔は禁じ手だったらしい。
    世相の変化か、描き手の変化か。

    数字になってない私見で言うと、3角形型をしている絵も多かった。
    1人の男の立ち絵と、それを挟んで背景に二人の女のアップ。あるいはその性別逆転。
    そう思ってカップル類のカウントを見ると、
    女性カップルは現在の半分、三角関係や逆三角関係は2倍。
    私見には裏付けがあると見てよいようだ。
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.コバルト文庫初期について

まとめると、
・主人公が8割に居た。
・4割は自分のみ、2割は恋人のみの表紙イラスト。
・男2人組は居なかった。
・全身4割、顔だけ3割のイラスト。
ぐらいになる。

1978年から始まっているコバルト文庫は、Amazonとbk1で見る限り、オンラインに書影が結構用意されて居る。1990年まででは、大体半数ぐらいはあるようだ。
電撃文庫より古いのに絵の揃えがいい。これを、電撃他の男子レーベルは「読み捨て」られるものであり、少女レーベルはより息が長く、ずーっと読まれ続けるものなのだ、と観るか、単に出版社の体質の違いとみるか。 1978年〜1990年での100冊ちょい、
15年前の傾向という事になる。
  • 主人公は居た

    2005年には6割だが、1990年では8割に女性が居る。
    男女レーベルを問わず、昔は主人公が表紙を飾っていたのだが、今は……という事らしい。
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  • 恋人は半数にしか居ない

    現在では8割の表紙に居る異性が、この頃は5割しか居ない。 少女(主人公)の「自分語り」というお話の体質があったのではないだろうか。
    バーチャル恋人が欲しくて読んでるのではない、そんな世相。
    今に比べ、学生服率が1割上がっている事、特別な衣装をしてるものが減っている事からも、「普段着の主人公」が透けて見える。

    女性シングルの絵が、今は1割なのにここでは4割という側からも追認できる。

    もう少しそこを突っ込む。
    表紙に居る人数で見ると、
    1人(今は1割)→この頃は6割
    2人(今は7割)→この頃は3割
    である。
    4割は女性1人の絵で、つまり自分語り。
    2割は男性1人の絵で、つまり、恋人を熱く見つめ続ける話?
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  • 男二人組はこの頃は居なかった

    今は3割だけど、この頃には1割に満たない。
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  • 全身を書くか顔を書くか

    この頃は、少女の全身像を書くか、そうでなければ男性の顔だけという絵が多く感じる。
    性別についてのカウントは別途集計しないと証拠にならないが、ショットの集計は如実にそれを表し、
    現在では廃れている顔だけで(胸上も含んで)3割。
    現在では2割程度だった全身描写が4割。
    これは、イラストがイラストレーターさんから少女漫画家さんに移ってきてるのと平衡して起きている現象のようにも思える。証拠は無い。
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  • 2000年にはこの傾向は消えていた

    では何時頃から変遷したのかは、今だ謎である。
    とりあえず1999年の100冊ぐらいについてデータを拾ってみたが、それの傾向は2004年度のそれとあまり変わらなかった。せいぜい、幾つかの項目で1割のズレがあったぐらいだ。(ずれ方は確かに1990年代方向ではある。)
    路線の変更/変質は、1990〜2000年までの10年間の何処かで起こっている。

    という事で1995年についてもチェックしてみたが、極端な差は無く、各項目が1割から2割ずれつつあるのが見て取れる。
    つまり、1990〜2000年にかけて、緩やかに路線の変更/変質が進んでいったらしい。
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.富士見ミステリー文庫について

まとめると、
・男女カップル率が5割。
・サービスは5割。
・始まってのこの5年、方針変換は無かった。
・時代物が多い。
ぐらいになる。

2000年から始まっている富士見ミステリー文庫は、そこだけ見るとMF文庫Jに近い。後発のレーベルとしての特徴みたいなものが見えてくるかが期待したがまだ判らない。
データ打ちしながらの所見だが、気になったので、眼鏡と絶対領域についてもカウントしてみた。あと、ちょっと時代がかったものが多いようだ。少年探偵団とかの影響だろうか……
  • 健全な男女交際

    男女の存在率がそれぞれ7割9割。
    (それだけを取ると初期の電撃文庫に近い数値。)
    それぞれの内訳を見ると、どちらも、1人が6割で2人が1〜2割。
    厳密に男女1人ずつというのをカウントしても5割に近く、よりその意図を強化するように、男だけ、女だけのカップルは1割になるかならいないかぐらい。

    つまり、男女それぞれ1人ずつが並ぶ絵、が圧倒的。
    この、なんというのだろうか、「健全さ」は他のどれにもない部分だと思う。
    男女どっちかだけが居るのではない、どちらかの性別が大量に溢れてハーレムになるのでもない。(電撃文庫やMF文庫Jの傾向とは異なる)
    カップルが基本なのはコバルト文庫と同じ傾向だが、同性カップルの率がお話にならないぐらい低いところは真逆の傾向ともいえる。
    探偵もの、つまり、ホームズとワトソン、という二人組構造があまりにも定着しているせいなのだろうか。そして、その二人が居た時、それぞれが男女の性別を受け持つ、というスタイルがラノベ文法の上で成立してる、というのはどうだろうか。
    あるいは「恋愛」に重きをおかずにすむ「ミステリ」の強みがここに現れているのだろうか。アピールポイントはトリック等で作っているので、恋愛要素に関しては普通でいいよ、という。

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  • 健全でもサービス

    でも、ふともも率は3割。まあ電撃より1割小さいしMF文庫Jより2割小さいけど。
    そしてふともも+衣装で計ると結局のところサービス5割。
    ミニスカ学生服率も4割。
    どんなに健全といおうとも、ミステリといえども、このへんのサービス精神からは逃れられないようだ。ストイックなミステリは一体何処に。

    更に問題なのはなんだか微妙なフェチっぽい空気が富士ミスには有る事だ。
    そのへんは、そう、MF文庫Jにも似て、しかもあからさまさが無い故に非常に根の深いものを感じる。
    ズバリ、眼鏡と絶対領域。
    眼鏡はまあ、他のとこではカウントしなかった訳なので比較のしようが無い訳だが、そもそもカウントする気にならなかったのに、このレーベルでは気になった、という所が驚きだ。
    探偵は眼鏡をかける、という事だろうか。実際数えてみると5/200という事でまあ誤差の範囲だったのだが。
    そして、絶対領域。他のレーベルではそんなに執拗に数えたわけではない。ないのでこれも信用できる比較かと言われると困るのだが、
    9/200で4%。
    他では……あ、MF文庫Jのピンナップがあるね。まあこれはピンナップだから除いて……他の表紙では、こんな数を出しているところはない。
    ミニスカ+オーバーニー率が1番の表紙イラスト。
    (えーと、絶対領域/ふともも率、かななんかで出すとより露骨な数値になるのかな?)

    ……健全なのか、不健全なのか。……
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  • 時代に流されない、ような感じ

    男女の率がそれぞれ、
    2000年(8冊) 6割、10割 健全カップル5割
    2001年(42冊) 7割、9割 健全カップル5割
    2002年(41冊) 8割、8割 健全カップル4割
    2003年(42冊) 8割、8割 健全カップル4割
    2004年(52冊) 6割、9割 健全カップル4割
    2005年(31冊) 7割、10割 健全カップル7割
    となっている。
    2000年はまあ8冊だけだから信用できない訳だが、
    常に男女率やカップル率を維持してきている。
    ……のに、なんだか、今年は怪しげな予感?
    いや、数字はどれもおかしな上昇はしてないので、
    よりカップルらぶらぶ作戦で行く方向が強化される予定なのか。

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  • 着物率が高い

    そうそう、時代といえば、衣装率は3割で他と変わらないが、その中の1割が着物。これは他のレーベルにはない。言うとコバルト文庫に近い。
    時代物が多い気がする、と上で伸びたが、どうやら気のせいではないようだ。

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