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作品評  /  イラストへの評を見る。
少年陰陽師 真紅の空を翔けあがれ

著者 : 結城光流
絵師 : あさぎ桜
ISBN : 4-04-441613-3
page : 254p


海野 祢古 /
  このシリーズは第一巻から買い始めていたために愛着も人一倍あります。
安倍清明の末の孫、安倍昌浩が主人公の妖怪ものの話です。
稀代の陰陽師の昌浩と、十二神将・紅蓮という本性を隠している相棒の物の怪・もっくんとのやり取りがとても楽しく、好きでした。この巻では昌浩は妖怪を見る力を失い、もっくんは昌浩との記憶を失った状態から始まり、とてもシリアスな展開となっていて、初めの方は読むのも結構つらいものがありました。
ですが、最終的に新たなる敵との戦いを通してもっくんの記憶が戻り、新たなる出発となる巻なので、これからの期待を込めてこの巻に投票します。
( 海野 祢古さんの紹介ページへ )


kazusa /
   妹にすすめられて読んだのが運の尽き…どっぷりはまってしまったシリーズの最新刊(04年四月現在)。
 物語は稀代の陰陽師安部晴明の孫(というと怒る)昌浩となんか白くて愛嬌がある物の怪のもっくん(というと怒る。実は晴明の式神十二神将凶将騰蛇、晴明が付けた名は紅蓮、の仮の姿)のコンビが平安京または出雲を舞台に、異邦の妖怪や謎の女術師や変な宮司と戦ったり、怪事件を解決する話。
 そして、読んでいるほうが痛くなるほど、いつもボロボロに傷つく…。
 特にこの巻に向けて、前々巻から激しくて悲しくて、悲壮感漂っている。敵に「奪われた」紅蓮、紅蓮を殺さなければ黄泉の軍勢がなだれ込んでくる、でも昌浩は…。そして昌浩が選択したのは…。その直後からこの巻が始まる。この巻は前巻までのエピローグのようであり、間奏のようであり、次巻へのプロローグのような話で、主人公は心身ともにボロボロで、陰陽師に必要な見鬼の力を失って妖を見ることが出来なくなっているし、もっくんは記憶を失っていて…。前の事件が一段落したのに、もっくんの記憶に自分がいない昌浩がつらそうで、読んでいるこっちも心が痛くなる。
 でもそれだけに感動的で、マイペースな昌浩の兄もいい感じだし、ある意味の良い結末と、新たな敵?も出てきて、次巻が待ち遠しい、すごいライトノベルだと思います。
( kazusaさんの紹介ページへ )