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作品評
封殺鬼シリーズ 26 終の神話・天泣の章

著者 : 霜島ケイ
絵師 : 西炯子
ISBN : 4-09-43430576-9
page : 267p


ヤマタ /
   長く続いてきた羅ゴウ編、その迫り来る災厄に抗う術を歴史と神話の裏側に隠された謎を解く事で追い求めてきた本作。
 羅喉と呼ばれる存在の正体とはいったいなんなのか。どうやってその脅威を防ぐのか。
 日本神話の裏側に篭められた古代の人々のメッセージ。祀る神を通しての警句。謎の鬼の正体。古来の風俗や歴史的事実を絡め、または手掛かりにして、それらを解き明かしていく過程は、良質の謎解きを見ているかのようでもあり、物語全体の核心でもある事から、非常に盛り上がりながら読み進めていただけに、遂にこの巻で総ての糸が解き解されたときには、感嘆が漏れました。
 また同時に主役の鬼二人を除く主要登場人物たちも、それまで自分の立場、在り様に悩み苦しみ、時には迷い、暴走してきたわけですが、自分なりの決着をつけます。それを人間的成長と一概に言うべきかどうかは迷う所です。成長という言葉は相応しくない、まさに決着を着けたというのが相応しいのではないかと感じました。これまでの二十数巻に渡り丹念に描かれてきた彼らの思いの移ろいの到着点。それが良いのか悪いのかは分かりませんが、感慨もひとしおです。

 なんにしろ、往くべき道は定まり、あとは結末を迎えるために走り出すだけになりました。彼らの行く末がどうなるのか、既に27巻は出ていますが、残り数巻、実に楽しみです。
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鷹水 真 /
  本当はもっとシリーズ初期の方が好きなのですが。最近はだらだらと書いているように思えて、残念ですが、終わりに向けて展開しているこの作品に向けて1票。
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