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作品評
半分の月がのぼる空 2 Waiting for the half-moon

著者 : 橋本紡
絵師 : 山本ケイジ
ISBN : 4-8402-2606-7
page : 258p


ぽん /
  このシリーズは不治に近い病気をもった里香と、彼女のいる病院に入院した裕一の物語で、様々な本がでてきます。前作は芥川龍之介の『蜜柑』、そして今回は宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』――
特に、この作品は里香の病状や気持ちを『銀河鉄道の夜』からの引用で演出されており、そのことに気づいた裕一は後悔します。
物語はまだ続いており、自分自身続きが気になる作品です。
また、『銀河鉄道の夜』を読み返したいと思いますね。(まだ読み返せてないですか……)
( ぽんさんの紹介ページへ )


yommy /
  いわゆるボーイミーツガール物。
病院を舞台に裕一と重い心臓病をもつ里香の交流を描く。

もともと、SFの要素を抜いて思春期の少年少女を描いて欲しいと一部ファンからずっと言われていた作家さん。案の定SFの要素を抜いてみたら非常にバランスのいい作品になりました。

この巻の前半では小道具としてエロ本が出てきます。そのエロ本のせいで大喧嘩。はっきりいって馬鹿らしい話です。「これでもか」ってぐらい馬鹿らしいです。

でも、その馬鹿らしさが重要なんです。おそらく話の流れからして今後つらい展開になるはずです。そのとき、この馬鹿な日常が重みを持つのでしょう。

逆に、この巻後半では銀河鉄道の夜が出てきます。この銀河鉄道を絡めた話がめっちゃ重いです。泣けてきます。

おそらく、話的にはあと1巻で終わりでしょう。どんな結末になるかは分かりませんがぜひとも次が読みたい作品です。
( yommyさんの紹介ページへ )