銀盤カレイドスコープ vol.2 フリー・プログラム:Winner takes all?
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スポ根物です。 フィギュアスケートでオリンピックを目指す少女の成長物語?でいいのかな・・・?
ファンタジー小説のカテゴリーのレーベルから出たにもかかわらずファンタジー分は、はっきり言ってありません。タズサに取り付く幽霊ピート君がいるにはいるんですがそれでもファンタジー分はほぼ0%と言っていいでしょう。逆に作者のフィギュアスケートに対する愛が100%詰ってます。
この作品、多くの人がその表紙が仇となり手を伸ばさなかったと言ういわく付の作品で、自分も実は回避してました。ところが地雷覚悟で読んでみたところスポコン物として普通に面白い。萌え要素があるにはあるんですが、なんか別にいらない感じです。
1人称の作品のため「勝気なタズサの性格についていけるか?」と言う点においては地雷指数は高いですが、その他の点においてはほとんど地雷要素は見当たりません。
話的にはオリンピック予選から本番終了までを描いていて、その過程で敗北→特訓→勝利→敗北・・・の王道パターンを繰り返していくだけなんですが、1人称の効果なのか妙に読んでいるときのシンクロ率が上がって大会で勝つたびに気持ちが異常に盛り上がります。特にオリンピックの時はやばいです。
ここまで書ききる力はあるんで、この作家さんのスケート以外の作品も読んでみたいです。
普通にお勧めできる小説なのでぜひご一読を。 |
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バウワウ! Two dog night
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いわゆる典型的な軽小説屋さん。読みやすい小説をいいペースで継続的に書けるところはまさに軽小説屋さん。
いい意味でも悪い意味でも「三流」な物語を作り出す作家なのかな。ただし最近ありがちな萌えとか美少女とかで無理やり話を作ろうとしないで、軽妙かつしっかりとしたストーリーを作れる力は本物。いわゆる萌えとかそういう概念が無かった時代の作家に似ている気がする。
人気作が多い中、個人的にはこの作品がつぼにクリーンヒットしました。
この作品はちょっと未来の日本海に浮かぶ無法地帯気味の人工島が舞台。二人の少年が同時に人工島に上陸するところから物語りは始まり、そして上陸から5年後をメイン舞台に物語が動いていく。
この話はなんと言うか三流、イメージとしてはジャッキーチェンの映画の展開を思い浮かべてくれれば。ほんとにいい意味で三流です。
今後も期待してます。
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七姫物語 第2章 世界のかたち
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物語の舞台の雰囲気を味わう小説。 独特の言葉使いが非常に優しく印象的で物語に深さを与えていると思う。
1巻は新人賞受賞作品ということもあり物語が駆け足だったが、今回は腰をすえて書きたいことをじっくり書いた印象。
静かな雪景色と冬祭りの情景を独特の文章で丁寧に描き出していく文章は見事の一言。作者の季節の情景を描く力はかなりのものだとおもう。
ただし、この作家は自分のペースで話を書き始めると話が進まなくなる予感。遅筆気味なところも含めて今後も追い続けるには忍耐力が必要かも。 |
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半分の月がのぼる空 2 Waiting for the half-moon
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いわゆるボーイミーツガール物。 病院を舞台に裕一と重い心臓病をもつ里香の交流を描く。
もともと、SFの要素を抜いて思春期の少年少女を描いて欲しいと一部ファンからずっと言われていた作家さん。案の定SFの要素を抜いてみたら非常にバランスのいい作品になりました。
この巻の前半では小道具としてエロ本が出てきます。そのエロ本のせいで大喧嘩。はっきりいって馬鹿らしい話です。「これでもか」ってぐらい馬鹿らしいです。
でも、その馬鹿らしさが重要なんです。おそらく話の流れからして今後つらい展開になるはずです。そのとき、この馬鹿な日常が重みを持つのでしょう。
逆に、この巻後半では銀河鉄道の夜が出てきます。この銀河鉄道を絡めた話がめっちゃ重いです。泣けてきます。
おそらく、話的にはあと1巻で終わりでしょう。どんな結末になるかは分かりませんがぜひとも次が読みたい作品です。 |
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第六大陸 1
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月に結婚式場を作る話。 宇宙大好き理系人間を熱くするロマンに満ちた最強のSF小説。テーマソングは絶対「地上の星」です。
そもそも、何百年も先の世界で、地球からはるか何光年という場所が舞台のSF小説が多い中、「ロケットを作る」ところからスタートするSF小説なんざ聞いたことがありません。ましてや、目標は「月に結婚式場を作る」です。しかも、その過程過程が妙にリアルです。
この話のリアル加減にやられて最後まで一気に読み進めさせる力は見事の一言。ぶっちゃけ、宇宙開発のノンフィクションの作品といわれても納得できるリアルさです。熱き血潮の技術者たちが技術的困難に立ち向かい一歩ずつ目標に近づいていく様はプロジェクトX以外の何者でもありえません。
ほかにも、この作者の作品で好きなものに導きの星があったんですがこっちの熱さを重要視してこっちにしました。
今後も小川一水の描く熱き技術者の戦いが読みたいものです。
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銀盤カレイドスコープ vol.3 ペア・プログラム:So shy too-too princess
(イラスト評)
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怪我の巧妙と言うかなんというか。 絵は綺麗なんだけど、小説の表紙としては地雷臭ぷんぷんのこの人の絵。でも確かにマッチしてるんだよなぁ。
物語の出来的には微妙なんだが、表紙絵はこちらのほうが好きかなぁ。でも、ウエイトレスも捨てがたい・・・。
余談ですが、この絵師になったのってウエイトレス繋がりだよなぁ・・・。ほんとよくはまったもんだと思う。 |
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空ノ鐘の響く惑星で
(イラスト評)
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個人的に好きな絵柄。 サッパリとした感じで非常に好感が持てる。
世界観にもしっくり来るいい感じのバランスでこちらも編集局のファインプレーかなぁと。 |
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七姫物語 第2章 世界のかたち
(イラスト評)
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世界観にあった絵を描いたと言う点では今期1番ではないかと思う。この組み合わせはほんと編集局のファインプレーだと思う
それと絵師が1巻より成長したようなきがする。 |
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