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作品評  /  イラストへの評を見る。
七姫物語 第2章 世界のかたち

著者 : 高野和
絵師 : 尾谷おさむ
ISBN : 4-8402-2574-5
page : 278p


Jonny /
  ほのぼのとしているお話で、読んでてよい気持ちになります!
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TD /
   ひとりの少女の目をとおして綴られた仮想歴史小説。

 物語は、こうだ。先王が崩御し、継ぐもののいなくなった国家、そこでは、七つの都市がそれぞれに『先王の隠し子』とされる姫を後継者として擁立し、国を七つに分けての争いが始まっていた。そのなかのひとり、七宮カセンの姫として擁立されたのはまだ九歳の名もなき孤児。カラスミ、という名と、姫巫女としての地位を与えられた少女は時代の流れに翻弄されつつも、強く、たくましく生きていく……

 仮想の国の仮想の歴史を記しているが、作品のもつ雰囲気は『十二国記』(小野不由美)というよりは『後宮小説』(酒見賢一)に近い。
 歴史ものではあるが、読者の視点を主人公のカラスミという少女の視点にリンクさせることで、適度にフィルタリングされているため、歴史もの特有のドロドロした感じは薄い。むしろ、少女特有の澄んだ、透明感に満ちた空気を心地よく感じることができる。

 この2巻では1巻で綴られた世界観と人物たちをベースに、より細かい、内面的なものを描いているので、登場人物の心の動きや、息づかいなどを前作以上に感じることができる。

 今節イチオシの一冊。


 
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NaruTo /
  透明感があるいい作品。おすすめです。
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ヤマタ /
   お祭っていうのはいつか終わってしまうから楽しいんだって、良くそういう風に言われますよね。そんな感覚なのかな。
 主人公の少女、カラスミが自分達をお祭に譬えるたびに、そしていつかの終わりを見つめるたびに、儚い気分にさせられます。何処までも続いていくかのようで、いつか唐突にあっさりと終わってしまうようでもいて。それが独特の文章で鮮やかに彩られる季節感を、過ぎ去っていくかけがえのないものとしてより輝かせている。カラスミの眼を通して、読んでいる此方までそう感じさせてくれます。
 それでいて、寂しさや物悲しさは感じないのですよね、これが。きっと、いつか祭が終わっても、また新しい祭を見つけて走り出すんだろうなっていうカラスミや、彼女を担ぎ上げた悪人二人組のたくましさが、楽しそうな姿が、そう感じさせてくれるのかもしれません。
 世界を取り巻くカタチを知っていきながら、それをちゃんと受け止めつつ、悪人さんたちとの祭を楽しもうとするカラスミが心地よく、彼らのお祭をもっともっと見続けたい、一緒に楽しみたいと、そう思わせてくれる七姫物語の二巻目でした。
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まらも /
  これはもう、未読の方には是非とも読んで浸って頂きたいとしか言いようの無い作品だと思います。
さいごに「よかったね」と言える結末がこの物語の先に待っていますように、と思わず願ってしまうのです。
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十夜 /
  描写の彩りが美しい架空歴史小説。中原から適度に離れた半島という舞台背景は朝鮮半島を想起させるが、そこから独自の曖昧模糊ないにしえの時代の都市国家を築き上げている。主要なキャラクター造形がよく練り上げられていて魅力的。のんびり書かれ、じっくり読まれるべき作品。
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Stella /
  血生臭く、そして陰湿なはずの政治劇が、独特の語り口で清涼さを感じさせます。
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T.L /
  読み終わった後一息ついて、あぁ面白かったな、って呟かせる作品だと思います。
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山崎 /
  過酷な世界ではあるが、その中に輝きを見出している主人公の視点が良いです。
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may /
  魅力的な登場人物やストーリー、設定もそうですが、それ以上に読んでいると感じられるこの世界の空気感?みたいなものが最高にGOODです。
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rustynail /
  独特の作風で、どこか懐かしい、ゆったりとしたお話です。
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楠真 /
  長く待たされたことがあまり気にならないのは、この作品の雰囲気のせいでしょうか。
…というか、続刊が出たことに驚きでした。もちろん嬉しいそれですが。

政争、陰謀劇を、それに担がれた少女の視点から眺める物語。
妙にマセてたり、頭が切れまくったり…なんてことは全くないカラスミの普通?っぽさがいい。
この世界の空気が心地いい。厳しい現実を優しく切り取る感じがいい。
二巻目もとてもいいものでした。また三巻目をゆっくり待つことにします。
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環菜 /
  物語全体の透明感があまりに綺麗で、
柔らかすぎて、
立ち読みの真っ最中だったというのに
涙を流してしまいました。
勿論迷わず買いましたよー
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yommy /
  物語の舞台の雰囲気を味わう小説。
独特の言葉使いが非常に優しく印象的で物語に深さを与えていると思う。

1巻は新人賞受賞作品ということもあり物語が駆け足だったが、今回は腰をすえて書きたいことをじっくり書いた印象。

静かな雪景色と冬祭りの情景を独特の文章で丁寧に描き出していく文章は見事の一言。作者の季節の情景を描く力はかなりのものだとおもう。

ただし、この作家は自分のペースで話を書き始めると話が進まなくなる予感。遅筆気味なところも含めて今後も追い続けるには忍耐力が必要かも。
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有里 /
  主人公の少女の淡々とした語り口がいい。みんな幸せになって欲しいけど……無理でしょうねぇ。
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うさぎや /
  待望の2巻。話があまりすすんでいないというのも気になりません。とりあえず続きがでてくれてよかった!
話を包み込む穏やかな雰囲気が、とても気に入っています。
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くわね@まるち /
  やわらかく、優しく。しかし決してそれだけではない生きた世界。そこに積み重なっているであろう過去まで想起させる描写の力は圧倒的。
ところで、アヴァロン・ヒル社の「マキャベリ」のようなマルチゲームとしてプレイしてみたいと思うのは僕だけだろうか?
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おとうさん /
  作者に依れば『造語が多い』そうですが、表現(語感)のきれいな言葉が多いです。
空澄を(カラカラを)ずっと見ていたいと思います。
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ひいきん /
  作品全体に漂う透明感が心地よい。
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ふ〜せん /
  漫画には「命台詞で魅せる」ものと「名場面」で魅せるモノがある。
この小説がどちらの分類に入るかと言うと、後者を体現した小説と言えましょう。

文を読み、に魅せられ、土の匂いと祭りの囃子とほろ苦い世界を。
優しくて暖かく、それでいて無常なる世界。

人が人と触れ合い、別れ、また出会う。
この本を読んだ貴方が世界に酔えることを祈る。

そうであるならばこの本は貴方にとっての故郷になり、同郷の者が増えることになるのだから……。
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INN /
   国盗りの御輿に担ぎ上げられた、一人の少女の視点で語られる物語。戦争を扱いながらも、ゆったりとした時間の流れと透き通るような雰囲気を持つ、不思議な作品です。
 独特の雰囲気を作り出している、一人称と三人称が巧みに混ざった地の文が素晴らしい。また主人公『カラスミ』の、姫であるが故の大人びた雰囲気と、子供であるが故の歳相応な雰囲気。この2つを少女の視点から書いているあたりも、楽しめると思います。
 今後どんな風に話が展開していくのか、とても楽しみな作品です。
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シス /
  すばらしい・・・
戦記物としてはまだまだではあるけど
実際はカラカラの観察記なんでそっちが重要なり
ちなみに絵も今年の一番好きな絵ですね
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夏夜 /
  ほのぼのした空気がよいです。。。あったかくなるお話は好き。
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