キーリ 2 砂の上の白い航跡
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大賞受賞作の続編。キーリの幼少時のエピソードやハーヴェイの旧友とのエピソード、そして二人が出会ったのは偶然ではないという過去のつながりを感じさせる台詞・・・。二巻だけで完結するエピソードに三巻目への伏線を絡めて見事なまでの続編ぶりで読ませます。三・四巻目がやや低調なので本作に一票入れます。 |
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イリヤの空、UFOの夏 その4
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全4巻に対しての投票になります。
シリアスとギャグが見事に融合していながらも世界の歪みをそこここにのぞかせていた1−2巻、 表面を覆っていた砂糖菓子のような飾りが落ちて非情な現実があらわになる3巻、そして現実の 苛酷さに翻弄される4巻と見事な流れです。 3巻の後半から4巻にかけての強烈なリアリティを考えると最後はきれいにまとめすぎているように 感じますが、といって他のまとめ方も思いつきません。 昨年に読んだ本(ラノベだけではなく)を語る時には避けて通れない秀作です。
圧倒的存在感の水前寺が4巻では蚊帳の外におかれてしまったのが残念。 |
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マルドゥック・スクランブル The Third Exhaust-排気
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「ライトノベルか?」と聞かれたら「違う」と答えるかもしれませんが^^; 三部作全体への投票です。
他の方も書いていらっしゃるようにカジノのエピソードが圧倒的に面白かったですね。 自分の尊厳と自負心を取り戻すために闘うことを決意したバレットの成長物語であり ボイルドの救済の物語でもありました。 |
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平面いぬ。
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こちらもライトノベルではないと思っている作家ですが^^;
「切なさ」と「怖さ」が売りと言われている乙一氏ですが、切なく泣かせる話にもホラーにも 食指が動きません(ホラーの方は読んでも面白いけど、切ない方は…)。 私が気に入っているのは本書表題作のようなギャグに落とすでもなく深刻になるでもない 飄々とした作品です。「さみしさの周波数」に収録されている「手を握る泥棒の物語」が 似たような作風ですね。
こういうのはあまり評価されないのかなぁ。残念です。 |
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涼宮ハルヒの憂鬱
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一方の視点から見ると、単純なボーイ・ミーツ・ガール小説であり、もう一方の視点から見ると、 ありきたりな設定を組み合わせたべたな学園SF小説である。が、その二つをうまく組み合わせる ことで、何とも奇妙な味わいのある小説が出来上がった。ハルヒの視点から、ほぼ完全にSF臭さを 取り除いた計算は見事ですらある(その代償として使ってはいけない落ちといわれている夢落ちに なってしまったが)。
ハルヒの行動はかなりの奇矯ぶりであるが、そのように振る舞っている理由はしっかりと提示されており、 この年代であれば(あるいは中学生くらいの時に)多くの人が感じたことがあるに違いないことがベースに なっており違和感は少ない。取り様によっては豪快なご都合主義小説とも読めるが、その点も含めてよく できたライトノベルである。
特殊能力を豪快に使いまくる登場人物とまわりであたふたする他の人々という図式はありきたりだが、 特殊能力の行使が自覚的ではないという設定は珍しいかも。
続編は完全にパターン化してしまい残念ながら面白くありません。 |
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