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マルドゥック・スクランブル The Third Exhaust-排気
著者 |
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冲方丁 |
絵師 |
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寺田克也 |
ISBN |
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4-15-030730-X |
page |
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379p |
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白翁
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まさしく、「すごい!」という言い方をするのにふさわしい作品。
SF的ガジェットもさることながら、「SH」の韻律により生み出されるこの世界独特の雰囲気が作品を変えがたいものにしている。 それは必ずしも話のメインではないし、注目すべきところはいくらでもあるのだけど、こんな観点から言ってもこの小説は冲方さんにしか書けないと言える。少なくとも僕はそう思う。
「ちくしょう(ガッシュ)」
中でもこの言葉が深く印象に残っている。 まあ、それはそれとして。
1、2、3、と三冊続く中で選ぶなら、やはり最高の盛り上がりを見せる三巻がいい。それも中盤アシュレイとのブラックジャックのシーンが一番だ。 スロット、ポーカー、ルーレットと、それまで、相手のことを心理、動作、呼吸、様々な側面から読み、対抗することでチップを増やしてきたバロットとウフコックが、それまでの方法ではまったくもって理解不能な、わけのわからない状態へとたたき込まれる。 何手何十手何百手、ブラックジャックにおいてそれだけの数のドローが繰り返されればどう思うか? それも偶然ではなく、間違いなく相手の恣意によるものでの場合だ。 実際の話、そんなことはあり得ない。 そう。そのあり得ないことが起こるからこそ、読者は足下を崩されたような気分になる。 このときの絶望感がとんでもない。 そして、「だからこそ」、この絶望をひっくり返すときのシーンほど心震わされるものは無い。 バロットとウフコックという異なる存在が、どのようなコラボレーションでこれをひっくり返すのか。 このシーンの一行一句一字、そのすべてを味わうためにこそ、この小説はあったのだ。
過言だとは思うけれど、そこまで言い切ってしまっても許される程のものがここにはある。 |
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丹織
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3冊の中で1つを選ぶとしたら、まずこれを推します。 「少女と銃と敵」かと思いきや、2冊目の途中から舞台は唐突にカジノ。そしてその真骨頂はブラックジャックにあり。 アシュレイとの駆け引き一挙一動に、脳内CPUが加熱していきます。 シリーズ3冊を読み終えたとき、読者の中には熱いものが残るはずです。余韻に酔いしれろ。 |
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みゃ〜
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「ライトノベルか?」と聞かれたら「違う」と答えるかもしれませんが^^; 三部作全体への投票です。
他の方も書いていらっしゃるようにカジノのエピソードが圧倒的に面白かったですね。 自分の尊厳と自負心を取り戻すために闘うことを決意したバレットの成長物語であり ボイルドの救済の物語でもありました。 |
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森山雅文
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この作品の面白さというのは、集中、凝縮、そういったものなのだと思います。 それが如実に現れていたのは、かのブラックジャックでしょう。ウフコックが、自身の「焦げ付き」を街の「焦げ付き」に重ねているように、バロットの「焦げ付き」、そしてそれと戦う意志、倒すべき敵、乗り越えるべき壁、進むべき道、そして人類の行く先までもが一枚のカードに託される緊張感はまさしく圧倒的。まさかギャンブルシーンで泣かされることがあろうとは想像もしませんでした。正直、その後の最終決戦が霞んでしまうほど。これだけのためにでも読む価値はあります。 |
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にわか読者の名無しさん
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日本SF大賞を受賞し、世間での知名度も高いこの作品に長々とした説明は不要でしょう。 『運』という人生の要素を、単純に『運』として捉えず、深い人生観まで組み立てて話を作る。まだ二十代でこれだけのことが出来るのは、本当に素晴らしい。 僕の読書人生で三本の指に入る『熱い』話でした。 |
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高橋信彦
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ブラックジャックのシーンは必見です。とりわけ、バロットが「運」という不確かなものに頼りながら勝負していく様子が、無類にかっこいい。私は、カードゲームについては、ほとんど何も知らないのですが、バロットが偶然に翻弄されながらも、それでも前に進もうとする姿に惹きつけられ、一気に読みきってしまいました。 |
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Joshua Tree
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連作に二つ票を入れるのはいいのかな〜?と思うのですけど、この作品にはそれだけ楽しませてもらったということで、二票目です。読んでない人には是非読んでほしいなぁ。 |
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十夜
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最強のディーラー、アシュレイとバロットのブラックジャック勝負の結末に唸らされた。誰をも納得させる完全な勝利を目の当たりにしてしまったら、「恐れ入りました」と著者に頭を下げるほかない。 |
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一枝零知
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各所で云われている通りカジノシーンが最高に盛り上がっていました。作者が後書きで「吐いた」のも納得です。設定も良かったですし、シリーズ全体への投票のつもりです。 |
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ELL
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すばらしすぎる。 全編通して勢いが凄く、いったん読み出したらもう止まりません。 読了直後は、放心状態でした。
この作品は主人公だけではなく、脇を固めるサブキャラクター達も負けないくらいの魅力を放って輝いています。 特にカジノのシーンに出てくる方々。ディーラーや客も含めて彼らがいなければこれほどまでに盛り上がらなかったでしょう。
とにかく読んでください。最高の時間をお約束します。
<注意> マルドゥック・スクランブルは全三巻です。 購入の際には全巻合わせての入手をおすすめします。 一巻のみの場合、もし読了後にいらいら、どうき、息切れなどの症状が出ましたら早急に続刊を読むことをおすすめします。 |
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adramine
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いろんな賞獲得した去年を代表する一作。シリーズを通して素晴らしかったが、やはりウフコックに惹かれる。 また、ベル・ウイングやアシュレイのような脇役も素晴らしい。 |
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リン
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「マルドゥック・スクランブル」最終巻を推します。賭博場を舞台としたブラック・ジャックでの勝負と、最後の銃撃戦との対比が凄かったです。もちろん前2巻があってこその面白さなのですが、パロットとウフコックの連携が頂点に達した、この巻が一番ワクワクさせてくれました。 |
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熾水
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間違いなく傑作。
作品にこめられた執念、熱意が尋常じゃない。 巻末で作者語るところの「吐いた」というのも納得。
SF読める体質の人は、何があろうとも読め。 絶対後悔しない、というか読んでなかったことを後悔すること請け合い。
ところで、どこかで「ヒロイックピル」売ってませんか? |
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巽うり
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今年度というかオールタイムベストであろう「すごい!」作品。文句なしの一等賞です。 こんなエンターテインメントを待っていた! 全3巻揃えて一気に読みましょう。 |
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Se27
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いまさら紹介する必要はないのだけれど……。
なんといっても圧巻は、この三巻のカジノシーン。気が付けば読者はバロットとともにトランプを握っていること請け合い!
マルドゥック・スクランブルは作者の奇妙な言語感覚とスピード感溢れる戦闘描写が魅力のサイバーパンク小説。少しだけ苦いSFの血と、随所に感じられる鮮烈なライトノベルの血の見事な融合は、冲方丁による新時代の幕開けを予感させる。 |
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シス
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圧巻です 気がついたら全部読み終わっていました そして熱冷めやまず・・・ 全編を通して面白いのですが、カジノのシーンでは心は燃えたぎり ぞくりとすること請け合いです
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東雲長閑
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敵役のことを徹底的にぶちのめせばよりカタルシスが得られるだろうに、あえて避けた所など、テーマについて徹底的に考え抜いていることが伝わってくる。卵のモチーフで統一された世界観のつくりこみもすごい。 早く翻訳して英米人にも読ましたれ! |
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エクリチュール
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もはや何も言うことはありません。 ――刹那に輝く生。 まさにSFの真骨頂ではありませんかっ。 |
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hiroto
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カジノのシーンの心理戦は圧巻。派手なアクションもない、心理戦だけのこのシーンをここまで迫力を持って書けるのは本当に才能だと思います。読んでいる間、自分は確かにカジノにいました。2003年のナンバーワンです。 読んでない方、作品評なんか読んでいないで今すぐ読みなさい! |
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INN
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2巻後半から始まるカジノシーンは正に圧巻。特に緊張感漂うブラックジャックは読み応え満点です。1行先、1ページ先が気になって気になって仕方がない展開に、完全に引き込まれました。また、重い過去を持つバロットと、それを認識した上で支え助けようとするウフコックの交流も非常に良かったです。 全3巻、楽しませてもらいました。 |
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Surreal
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言うべき言葉は、なにもありません。 まずは読む。それで、判る。
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