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作品評  /  イラストへの評を見る。
涼宮ハルヒの憂鬱

著者 : 谷川流
絵師 : いとうのいぢ
ISBN : 4-04-429201-9
page : 307p


うたたねこ /
   世界はハルヒで出来ている、というくらいに極端に閉じた世界観が美しいです。
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コポ /
  一人称でどうやったら、あれだけの文章が書けるのか!?
ぜひとも参考にしたい一作
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石野休日 /
  ハルヒが可愛いとかオチがいい加減とかそういうこと以前に、
300ページを1時間で読ませてしまう筆力は尋常じゃないと思う。
引き出しが多そうな人なので、これから数多く出るであろう新シリーズも楽しみですね。
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はろmk−II /
  「涼宮ハルヒの憂鬱はドラえもんだったんだよ!!」
「な、なんだってー!!」

 いや、「待てや」という前に以下の推論を読んで頂きたい。

 昨今の女性上位というか女性の勢いが増してきた今日この頃。単に我が侭なキャラというだけならさして珍しくない。しかし、自然法則まで自由に操れる存在となるとそうはいない。よって、数々の法則を編み出し、絶対唯一の存在(除く母)であるジャイアン、彼の女版こそ涼宮ハルヒに相応しい称号であろう。

 そして、ジャイアンに振り回されるのが主人公のキョンだ。そして、のび太にドラがいるように、彼には未来人・ロボット・超能力(進んだ科学は魔法に等しい、ってことで)と能力を細分化された3人がいる。そして彼らは協力してジャイアン(ハルヒ)に立ち向かってる(?)ではないか。

 そう、この話はドラえもんが基本プロットだったのだ!!

 だが、話の中盤で、実はキョンこそがジャイアンに唯一対抗できる存在、つまりジャイアン母であることが判明してからはオリジナルな展開になる。
もっともキョンという情けない響き(あだ名だからしょうがないが)から分かるように、「俺は母ちゃんのドレイじゃない」と訴えるジャイアンに「そんなことはドレイの様に働いてから言いな」とビンタ一閃で黙らせるジャイ母のような迫力は無い。が、唇一つで世界を救う中々のテクニシャンである。

 のび太とジャイ母という相反する属性を持つキョンに幸多からんことを望んでこの文章を〆にする

 ところでこれは余談だが、これ以降のシリーズはハルヒ=ジャイアンの横暴とそれをなだめる周囲という構図が定着して、ややマンネリなところも感じられる。
 ここらで、劇場版のような侠気のあるジャイアン、つまり女性らしいハルヒでも出してみてはどうか?

 (注)ハルヒ=ドラ説は本気にしないように。
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ぷらとー /
   ハルヒの開口一番で、すべてが宿命づけられる世界。日常が信じられない人、非日常に憧れる人に。
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トドドド /
  今まで積み上げてきた世界観を一瞬で破壊するラストが秀逸。
巧く出来上がっているキャラクター、特に読者側に立っていると見せかけて本当は作品中最もイレギュラーな主人公(どこかしら狂気さえ感じる)が非常に良い味を出している。がんばれよー。
ただ早く次の展開が見たい。2巻、3巻と出ているがだらだらと内容が進んでないので。
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シャドウ /
  話の内容が奇想天外ではまりました
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黒雨 /
   認めざるを得ない、というのがこの小説の本懐だろう。
 この作品で、涼宮ハルヒという存在が、世界を壊してやりたいと思う気持ちは、そのまま作者の思考の一形態であるのではないだろうか。
 でも、世界が壊れては困る。楽しいことだってあるし、あるに違いないし、きっとまだまだ価値あるものがあるに違いないという葛藤。それが作中に色々なキャラクターという形を取って、客観性をある程度備えた思考としてあふれかえっている。
 このシリーズは3冊出ているが、シリーズ後半に行くにつれ、作者の中の思考がどんどん客観性を帯びていく。主観に基づいたもっとも力強い思考が背景に溢れているのが、一作目である「涼宮ハルヒの憂鬱」だろう。
 だからこそ、谷川流の「涼宮ハルヒ」を用いて伝えたかったことをくみ取るにのに欠かせないものとして、この作品を推薦する。
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エヴァーラスティングライ /
  世界観の受取り方がなんとも・・・。1巻は大賞をとっただけあって一部が言うほど酷くないと思うのですが・・・?少数派でしょうか?暴れッぷりが度が過ぎて気に入らないという人もいるみたいだけど、物語の中の人格にいちいち突っ込みを入れるのもどうかと・・・(汗)あくまで与えられた一人格なわけだし
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夏葉薫 /
   2003年度最高のライトノベルヒロイン涼宮ハルヒの初登場作品。
 基本的にはそれで説明おしまい。
 つまりハルヒの気持ちがわかる、キョンの気持ちが分るかどうかがディープにはまるかどうかの境界線。
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いのま /
  おもしろさをとことん追求しているのがとても良いと思います。
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みゃ〜 /
  一方の視点から見ると、単純なボーイ・ミーツ・ガール小説であり、もう一方の視点から見ると、
ありきたりな設定を組み合わせたべたな学園SF小説である。が、その二つをうまく組み合わせる
ことで、何とも奇妙な味わいのある小説が出来上がった。ハルヒの視点から、ほぼ完全にSF臭さを
取り除いた計算は見事ですらある(その代償として使ってはいけない落ちといわれている夢落ちに
なってしまったが)。

ハルヒの行動はかなりの奇矯ぶりであるが、そのように振る舞っている理由はしっかりと提示されており、
この年代であれば(あるいは中学生くらいの時に)多くの人が感じたことがあるに違いないことがベースに
なっており違和感は少ない。取り様によっては豪快なご都合主義小説とも読めるが、その点も含めてよく
できたライトノベルである。

特殊能力を豪快に使いまくる登場人物とまわりであたふたする他の人々という図式はありきたりだが、
特殊能力の行使が自覚的ではないという設定は珍しいかも。

続編は完全にパターン化してしまい残念ながら面白くありません。
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TAG /
   賛否両論ありながらも結構ヒットしていたようですが、私は文句無しに面白かったと思います。好みの問題ですが、こういった愉快な仲間たちが織り成すバカバカしいハイテンションコメディーって好きなんです。2巻はちょっといただけない部分がありましたが、この1巻に関しては最初から最後までジェットコースターのごとき勢いでノンストップに楽しめた作品でした。
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森山雅文 /
   この作品が分かり易い萌え記号で彩られたキャラクターをエサにして哲学的命題への答えを読者に迫る話なのか、あるいはSFもテーマ性も見せ技でキツいデフォルメの効いた女の子こそがメ

インの話なのかは僕にはわからない。しかしながら、この作品が『涼宮ハルヒの憂鬱』である以上、ハルヒこそが最も重要な登場人物であり、彼女の魅力が物語そのものの魅力に繋がっている

事は疑いない。
 彼女はエキセントリックを絵に描いたような少女である。「傍若無人な少女に周りの人間が振り回される話」と言えば、少なくともこの作品の表層を説明するには充分だろう。あるいは、そ

れが全てかもしれないというのがどうしようもなく不安なところでもある。
 要するに、僕にとってのこの作品に対する興味は、未来人や宇宙人や超能力者の登場を熱望し、この世の全てに辟易している涼宮ハルヒという少女が、最後の最後にキョンを選ぶかというた

だ一点に集約されるのである。そういう意味ではこの『涼宮ハルヒの憂鬱』の結末は半分だ。そしてその後、同『溜息』、『退屈』と続巻が出続ける中、この問いに対する答えは道筋も示され

ないまま放置され、不安を煽るエピソードが積み重ねられている。(勿論、それらのエピソードの一つ一つは魅力的で、ハルヒもみくるも長門も随分気に入ってしまったのだけれど。)
 しかし、敢えて都合の悪い可能性には目を瞑って、望む未来が待っていることを無責任に期待してこの一冊を推そう。今までの生かさず殺さずの進行を見るに、僕がただ谷川氏の掌の上で踊

らされている可能性も、全くないとは言い切れないだろうし。
 
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