総合受付 一般参加 コラム 企画 総合掲示板 リンク集 メール・連絡
一般参加とは  参加ルール  書籍データ  2003年度データ  外部企画 


NOH

▼プロフィール
32歳、男性。
子供の頃は当たり前に感じていたのに、大人になって忘れてしまったことを思い出させてくれるような話や、はっとさせられる小説が好きです。ミステリー畑の人間ですが、人が死なない話が大好き。

推薦図書
・ イリヤの空、UFOの夏 その4
・ 学校を出よう! 2 I-My-Me
・ ダーク・バイオレッツ 5 針の小箱
・ ガンパレード・マーチ Episode TWO
・ 第六大陸 1


イラスト評




イリヤの空、UFOの夏 その4
  何かがはじまったと期待させた第1巻、ひたすら走りまくった2巻、急転直下の3巻,そして4巻の読後は放心状態になるほど切なかった。
明らかに結末はバッドエンド。だけどエピローグには「イリヤはあの夏の日に確かに生きていた」というハッピーエンド的な錯覚さえ与えてくれる。
この小説を一度読み終わった後、もう一度はじめから読んでみると、大暴走と思えた主人公とヒロインの一つ一つの行動にさえ泣けてくる。
一生のうち何度でも読み返すことになるであろう作品であるのは間違いないでしょう。
・・・主人公と同じ年代の時に読んだ方は、是非とも5年、10年後に再び読んで欲しい。その時どんな感想を持つのだろう・・・。
(この作品の書評を見る)



学校を出よう! 2 I-My-Me
  超能力者を「隔離」している学園を舞台とした、現在4作でているシリーズの2作目。
新刊が出る度に毎回よくもまあこんな奇抜な発想が!と感心しますが、その中でも個人的に最も好きなのが、この2作目。
3日後から来た自分と3日前から来た自分、そして現在の自分の合計3人が同じ時間に存在するという設定だけでも「え?」なのに
いろいろな伏線を絡ませて、全く予想の付かない展開が待ってます。
それだけに最後の謎解きはお見事!完璧に「やられた!」という感じ。
巻き込まれ型タイムトラベルを題材にした小説、漫画、映画には名作が多いですが、その中でもこの作品はかなり上位のレベルかと。
ボーイ・ミーツ・ガールものとしてもかなり心地よい余韻が味わえます。
同作者には「涼宮ハルヒ」のシリーズがありますが、そちらは「本当に同じ作者が書いてるの?」と思わせるぐらい痛快な作品。
どちらも非常に面白いです。注目している作家の一人です。
(この作品の書評を見る)



ダーク・バイオレッツ 5 針の小箱
  「怖い」という感覚には「衝動・突発的な怖さ」「精神嫌悪的な怖さ」「予想できない怖さ」がありますが、
この小説の場合「じわじわと追いつめられていく怖さ」が最も凄い。

幽霊を見ることだけが出来る少年と、幽霊に触れることだけが出来る少女、
小さな町で起こる不思議な猟奇事件の原因である「常世の者」を倒すための武器は少女のみが扱える拳銃のみ。
事件が起こるたびに少女が魂を削ることで一つの事件が終わるが、それすらも次の事件のための布石。
まさに「真綿で首を絞められていくような怖さ」を味わうことが出来ます。
この感覚は巻を重ねるごとに強くなり、最後は息が出来なくなりそうなほど。
淡々とした描写と繊細な心象を表した作者の文章力には脱帽です。

この5巻は1〜4巻のエピソードの合間に起こった6つの事件をつづった短編集。
普通ラノベでは、長編の合間の短編は閑話休題的なほっとするような話が多いですが、
この小説の場合、その短編全てを映像化して欲しいと思うぐらいに怖い!
特に「影の館」という話はラストで鳥肌まで立ててしまったほど。

追伸:主人公の少年と、ヒロインの少女は何よりも強い絆があるのは明らかなのに、
いつまで経ってもラノベ的進展が見られないのも、息が詰まりそうでしたわ。ハイ。
既にこのシリーズは完結してて,別のシリーズが予定されているということですが,非常に期待してます。
(この作品の書評を見る)



ガンパレード・マーチ Episode TWO
  私はPSのゲームをプレイしたことは無いので、純粋に小説だけの感想です。
このシリーズ、新作を読み終えるたびに、「私はこんな小説が読みたかった!」と思わせる内容なのですが、
中でもこのエピソードONE,TWOは異生物による人類滅亡間近という悲しい環境に置かれつつも、無鉄砲で、元気で、おバカで
個性的な気持いい奴らが集まったチームの、発足当時のエピソードがつづられた物語です。
笑いと哀しみと優しさとカタルシスが、ぎっしり詰まっているお勧めシリーズ。

長編の方は異生物との熊本城大決戦後、既に仲間たちがそれぞれ別の道に進もうとするような伏線(?)がちりばめられていて、
続きが非常に気になるところ。
(この作品の書評を見る)



第六大陸 1
  宇宙に行く。月に居住空間を作る。そのインフラを構築することだけでもどんなに難しい事なのか。
しかし、どんな困難でも人類が積み重ねた技術を使えば着実に一歩を踏み出していける・・・。
そんな職人魂あふれる小川一水らしい作品。

少女の夢のために、月面に地球文明を代表する結婚式場を作る大プロジェクト。実にロマンがあるじゃないですか!

・・・でもやっぱり一番の問題は技術より予算なのよね・・・悲しくも当然の事だけどさあ(涙)
もちろんそのあたりもしっかりと見せてくれます。

この小説の結末に関しては、賛否両論ありますが、それを考慮しても充分読む価値はあります。
こういう作品を高校生ぐらいの人に読んでもらいたいなぁ・・・。
現実の技術が小説に追いついて、一般人が宇宙に行けるようになるにはあと50年ぐらいは必要かもしれないけど、
それまで絶対に生き抜いてやるーー!
  〜建設系に勤める、星とロケットが好きな男より〜
(この作品の書評を見る)