BLOODLINK 夜光
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HACCANのイラストは、見る者を何やらドキドキさせる威力がある。言うなれば瑞々しさと妖しさとが同居する、そんな感じである。 どうも昨今のライトノベルはイラストにおいても“ライト指向”の風潮があるようで、影の濃淡が少なく“薄っぺらい”ものが多いと思っていたが、その矢先にHACCANのイラストを見て「活きてるじゃん。まだまだいけるじゃん」と思い直したものだ。 まーとにかく、知らない人は一度見て頂きたい。女の子の可愛さ、妖しさは随一の絵師なのだ。 附言だが、本作『BLOODLINK』の陰湿ながら濃厚な内容と相互に作用し魅力を増大させているという点も投票の理由になる 素直に、もっと活躍して欲しいなぁ |
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導きの星 IV 出会いの銀河
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大洋の惑星<オセアノ>を舞台にドラマチックな文明SFが描かれる『導きの星』シリーズ完結篇。 第三巻までは、樹上生活のスワリスの一匹が大地に降り立ってから、火を手にし、青銅器を経て鉄を精錬し始め、ギルドや貨幣制度を発展させる大航海時代を流れ、航空機で空を駆け、原子力や宇宙ロケットに辿り着く過程を描いて来た。 オセアノ文明がC・O(文明観察官)辻本司の手助けによって技術を獲得していく過程は地球史に沿いながらも微妙に異なるもので、数々のエポックメーキングな事件のそれぞれが、その差異に潜む本質を浮き上がらせる事に成功している。 そして第四巻において惑星オセアノの知性体は地球人の社会・技術レベルに肉薄し、人類の造った目的人格(パーパソイド)が奉する新たな明主を加え、三つ巴を形成する。いずれの文明が存続し、いずれが潰えるのか、権謀術数乱れる壮大なドラマが展開する。 小川一水氏は昨年度、別に上梓した『第六大陸』(ハヤカワ文庫JA、全2巻)で『SFが読みたい!2004』国内篇第二位を獲得しているが、もし仮に本作が一ヶ月早く刊行していれば票が大きく割れていただろう事は想像に難く無い。ちなみに私はロマンにひたむきな『第六〜』よりも文明の興亡を直視した本作の方に惹かれるわけだが、背景描写や「今この人でないと描けないだろうなぁ」という技術面においても本作の方を評価したい。(あるいは単純に真面目なのにへたれな青年C・O辻本と人をくったような目的人格のやりとりがより面白かったと言い換えてもいい) ライトノベルでもちょっと手ごたえのあるものが読みたい、という方は是非本書を一読されたい。田中芳樹や茅田砂胡あたりの長編もいいが、私見にはより身近に感じられ、より若いエネルギーに満ち満ちた作品なのである。 付け加えては村田氏によるイラストだが、これはライトノベルファンとSFファンを繋ぐ架け橋としてわりと有効に機能しているんじゃないだろうか。 設定に惹かれたハードSFファンもイラストに騙されたジャケ買いさんも、だからとんでもない幸福者だというわけだ。こんなに面白い世界を読めるのだから。 |
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美亜へ贈る真珠 梶尾真治短篇傑作選ロマンチック篇
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ライトノベルの読者に「切なさの達人は?」と問えば、大体真っ先に思い浮かぶのは乙一氏であろう。が、ここにも切なさの達人がいる。梶尾真治である。 彼の活躍の主たる舞台はSFなのだが、本書『美亜へ贈る真珠』に収録されている作品群はライトノベルの読者にも充分に訴えるものがあるだろう。そこはそれ、乙一などと同じである。 時間テーマを得意とするカジシンは、時間に隔てられた恋人同士の悲愛やらといったものを描かせれば天下一品。本書もそういった作品を中心にしている。 ハヤカワ文庫JAなぞというレーベルの本はあまり読まない、読んだことがないというライトノベル読者に是非一度読んで頂きたい。レーベルの隔たりなどに意味は薄いのだ。 |
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ダイバージェンス・イヴ 2
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好きなシリーズで、イラストとのあまりのギャップに一票 2巻は背景を貫徹する膨大な設定が見え隠れし、グールとは何か、量子核の揺らぎは時空間にどう作用するかに触れてゆく。純粋に面白い正統派のSFホラーなのに、カバーからはどうしてもそうは見えないのだなぁ…
イラストに期待して買った人は裏切られるだろうし、野崎透のSFを読みたい人にはイラストが邪魔になる アニメはどう観ても設定を活かせていないし、困ったものだ 面白いんだがなぁ |
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スター・ハンドラー 3 ゲートキーパー 下
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正統派のSF要素を持ちながらこれほど笑えたシリーズを他に知らない。 第一巻では“ヤアプ”という生物の特殊な習性を追い、第二巻では“生きている”の馴致に挑み、そして第三巻においては更にスケールアップして“生きている電波”との邂逅を描いている本作シリーズ。 テーマから既にヤられてしまった私だが、読み始めるとその巧みなストーリー以上にキャラクターの魅力の虜になった。逐一の台詞の応酬がウィットに富んで、いやぶっ飛んでいるのがたまらない。これほどライトなノリでハードSFを読めるとは、一種革命的ですらあるだろう。 当シリーズは3巻で終了してしまったが、もっと続いて欲しかったシリーズだけに、これからの草上仁氏の働きにもより期待をかけつつ票を投じたい。と私は言った。 |
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クリスタルサイレンス 上
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藤崎慎吾のデビュー作の待望の文庫化。 99年にハードカバーで刊行され、火星SFの傑作として絶賛された本書『クリスタルサイレンス』であるが、エンターテインメントとしての面白さは第一級であり、ライトノベルの読者にも是非読んで頂きたい。 ほんと、圧巻ですよ。 |
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イリヤの空、UFOの夏 その4
(イラスト評)
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駒都えーじ先生応援します これからも期待してますギリギリスム
プラグスーツのイリヤ萌えー(゜▽゜) |
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第六大陸 1
(イラスト評)
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幸村誠、『プラネテス』も好きだし、本書の表紙は絶妙だったぞ。今後も頑張ってー |
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ヒトクイマジカル 殺戮奇術の匂宮兄妹
(イラスト評)
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一昔前にはわりと硬派で落ち着いた表紙であった講談社ノベルスだが、今はどっこい、書棚においてけばけばしいカラーが目を引いて止まない。その中でも一際光っているのが竹(take)のイラストだ。これはぶっとんでいて良い。もう西尾維新の著作は何を読んでも竹のイラストでしか思い描けなくなってしまった。それくらい強烈だ。 そしてこの『ヒトクイマジカル』の恐ろしさは、小説の奇抜ぶりに負けない表紙カバーの存在なのだ。よく見て、ひっくり返してみて、色んな方向からためつすがめつ眺めてみるがいい。本書を読むような偏屈な人間なら多くの人が気付いたに違いない。そう、これは…。 こんなに凝った表紙カバーを付けるから、単価がバカ高く(ノベルスで四桁なんて!)ハードカバー並になってしまうのだが、こういった試みは「本」という紙媒体及びその内容物たる物語の価値をより高める事に成功していると言えまいか。 ラディカルで、クールで、サイケデリックな竹のイラストは、西尾維新等のファウスト作家という騎手を得て、ノベルスにおけるそれまでの価値体系を転覆させかねない危険性を有しているのではないだろうか。 なーんて事は、実はどうでもいい。竹の描く美麗なキャラクターに燃えて、萌えられるというだけで、既にして竹イラストの効用は認められているわけだしね。しかし真に恐るべきは彼が1983年生まれ、まだ20歳になったばかりだという点にある。これからの活躍には一層の期待がかかって当然なのだ。 さぁ、我々の価値を、どんどん破壊してくれ。 |
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スター・ハンドラー 3 ゲートキーパー 下
(イラスト評)
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鈴木雅久先生応援します ミリやジャブルなど個性溢れるキャラクターも、この人のイラストがあってこそ活きているものでしょう。異生物のイラストも好きだなぁ、たとえペット臭くても
ソノラマ=鈴木雅久のイメージを思い浮かべるのは 私だけ?
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乙女軍曹ピュセル・アン・フラジャーイル
(イラスト評)
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実は本書を読んだことは無いのですが、羽住都のイラストが気になって読みたいなぁと思っている次第です 羽住都といえば乙一の著『失踪HOLIDAY』や『きみにしか聞こえない』等のイラストや、二人で組んだ絵本『くつしたをかくせ!』で秀麗な絵を拝見していたもので、私の中では既に「羽住都がイラストやってる=面白い作品(に違いない)」という方程式が出来上がっていたりします まぁ著者の牧野修さんも日本SF大賞を受賞していたりでその実力を認められている方ですから、期待を裏切られる心配はあまりしていませんが、羽住さんのイラストイメージが先行しているとどうにも期待過多になりそうです(^^; 羽住都のイラストを堪能出来る機会は逃せません。こう考えると、改めて書籍におけるイラストの重要性を実感させられますね
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