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平安時代の陰陽師ものでありながら、視点は貴族よりも、日々を生きる庶民に寄った本作。 怪異と人の情念が渦巻く闇と、しっとりと急かず荒ぶらず、穏やかで優しい人の心根の繋がりをしっかりと描いた本作。 その本作の特徴にぴったりと、いやむしろ上記した本作の雰囲気を、より深く読者に印象付けているのではないかと思わせる、独特なタッチのイラストでした。 四巻には巻末に柚子の物語を絵草紙として載せており、そこに描かれる洒乃渉のイラストがまた……魅せられっぱなし。溜息が漏れました。 よくぞまあ、この小説にこの絵師さんを見つけてきたものだと思う事は間々ありますが、この陰陽ノ京はその代表格と言ってもいいかもしれません。 |