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作品評
ハイウイング・ストロール

著者 : 小川一水
絵師 : 長澤真
ISBN : 4-25-777027-9
page : 431p


白翁 /
  今年度読んだ本も、まあそれなりにそれなりの数があったわけで、すごかったとか、感動したとか、そういうものはやはりいろいろありました。
それで、その中で一番面白かった本が何か、という観点では、僕は小川一水さんのこの作品を推します。

ゲームみたいだった。
簡単に言うとそんな感じです。
RAGNAROK ONLINEのことを言いたいわけではないので注意。
いや、確かに小川一水さんはROにはまっていたわけだし、明らかにROを下敷きにしているし、まあ世界の設定的にはMMORPGみたいな物なんだけど。僕が言いたいのはそういうことではなく。まさしくゲームの様に楽しめた。ということ。
やはり面白さの基本は、成長するということだなあ、とか思う。

ファミコンのころのドラクエみたいに、レベルが一つあがる度に新たなる地平が見えてくる。新しい土地に移るたびに、新しい街がそこにはあり、そこでしか会えない人々がいる。そしてその土地にしかいない浮獣(この作品の中のモンスターみたいなもの)が次の試練を与え、それに対抗する新しい策を考えていく。
主人公と読者が同じ速度で世界を知り、できることを増やし、だんだんと活躍できるようになるということが大事なんだろう。最初のころの主人公が何も出来ない少年だからこそ、後半の成長ぶりは快感と言ってもいいくらいに心地いい。そう、このお話にはカタルシスがある。

そんな感じで、ハイウィング・ストロールをすごく楽しんで読んでおりました。
いえ、企画で忙しくて三月中これ以外の本が読めなかったせいではないはずです。
きっと。

あ、あと、SFがよみたい! を読んで期待していたほど「♪」が出てこなかったのが心残りって言えば心残りですね。
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はたる /
  難しいこと考えずに素直に読んでそのまま面白い。
RPGでレベルアップしたり装備整えたりするのが好きな人、プロペラ機が好きな人、格好いいお姉さんが好きな人、は読みましょう。
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楠真 /
  同じ作家さんから2つ推すのはどうかと思いつつ、こちらも。

RPGですよね。お金稼いで、経験値稼いで、装備を整えて、LvUP!
最後は世界の謎に迫っちゃうみたいな。
その一直線な単純さというか、それが心地いい作品です。

変に捻らないストーリー展開と魅力的な世界設定が絶妙ですね。楽しめました。
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零流 /
  少年がひとつひとつ何かを得て成長して行く姿を描くのは物語の王道であり、そして永遠のテーマでしょう。勢いよく読んで爽やかな読後感が。毛色は違いますが、同作者の「第六大陸」も合わせてオススメしておきます。
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YTS /
  主人公の恋と成長と魅力的な世界観に引き込まれました。小川氏の作品としては(多分)珍しく、恋愛が物語の主軸の一つとなっていて新鮮でした。
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