|
今年度読んだ本も、まあそれなりにそれなりの数があったわけで、すごかったとか、感動したとか、そういうものはやはりいろいろありました。 それで、その中で一番面白かった本が何か、という観点では、僕は小川一水さんのこの作品を推します。
ゲームみたいだった。 簡単に言うとそんな感じです。 RAGNAROK ONLINEのことを言いたいわけではないので注意。 いや、確かに小川一水さんはROにはまっていたわけだし、明らかにROを下敷きにしているし、まあ世界の設定的にはMMORPGみたいな物なんだけど。僕が言いたいのはそういうことではなく。まさしくゲームの様に楽しめた。ということ。 やはり面白さの基本は、成長するということだなあ、とか思う。
ファミコンのころのドラクエみたいに、レベルが一つあがる度に新たなる地平が見えてくる。新しい土地に移るたびに、新しい街がそこにはあり、そこでしか会えない人々がいる。そしてその土地にしかいない浮獣(この作品の中のモンスターみたいなもの)が次の試練を与え、それに対抗する新しい策を考えていく。 主人公と読者が同じ速度で世界を知り、できることを増やし、だんだんと活躍できるようになるということが大事なんだろう。最初のころの主人公が何も出来ない少年だからこそ、後半の成長ぶりは快感と言ってもいいくらいに心地いい。そう、このお話にはカタルシスがある。
そんな感じで、ハイウィング・ストロールをすごく楽しんで読んでおりました。 いえ、企画で忙しくて三月中これ以外の本が読めなかったせいではないはずです。 きっと。
あ、あと、SFがよみたい! を読んで期待していたほど「♪」が出てこなかったのが心残りって言えば心残りですね。 |