マリア様がみてる 涼風さつさつ
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マリア様がみてるシリーズでは、一番……ではないけれど、かなりお気に入りの一冊です。
勇魚の場合、マリみてシリーズは『お姉様モノ』ではなく、『学園モノ』として読んでいるので、花寺生徒会の面々の登場には違和感ありませんでした。というか、大歓迎(笑)。バラの館の面々が個性的ではあるけれど濃くはない人達ばかりなので、あれくらいアクの強いキャラクターがどっさり出てくると、それだけでにやりとしてしまいました。あの濃い面々の中でも最強は、やっぱりフツウの裕麒君なのかと、一人で納得してみたり(笑)。
可南子嬢の動向には非難が集中しているようですが、勇魚としては仕方ないのかな、と思ってます。人に対してどうしても身勝手な理想を持ってしまうことってあるじゃないですか。特に思春期はね。そう思うと、彼女の暴走を責めるのはかわいそうだなぁ、と。 それに、祥子さまがびしっと言ったわけですから、勇魚としては肯定も否定もせず、加奈子嬢の成長を見守っていきたいと思います。そして、出来たら勇魚としては瞳子嬢ではなく、可南子嬢に祐巳の妹の座を射止めて欲しいな、と思う次第です。まあ、全ては彼女たちが選択することですが。
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フルメタル・パニック!(12) 踊るベリー・メリー・クリスマス
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フルメタ長編最新作ですね(2004春現在)。 フルメタルパニックシリーズ、勇魚の大好きなシリーズの一つなのですが、何が好きって、その設定のでたらめさと、リアルさですね。アームスレイブ、ラムダドライバ、ウィスパードなどなど、現実の延長線上にはまずあり得ないものを使いながら、リアルな政治構造や社会背景を構築しているあたり、すごいなぁと溜息が出てしまうのです。
この『踊る〜』では、美少女天才艦長・テレサ=テスタロッサの恋心に一応の決着がつくのですが、勇魚としてはもう少し彼女に幸せな日々を送ってもらいたかったです。どう考えても、ソースケにはかなめ以外考えられないとは思うのですが、それでも、ソースケに思いを寄せるテッサ嬢の姿がとても幸せそうだったので、もう少しだけ、決着は先延ばしにして欲しかった。単なる勇魚のワガママですが。 まあ、彼女の元気な姿は短編シリーズの方で見られると思うので、そちらで我慢することにします。
ミリタリー好きな人にはぜひぜひオススメの一冊です。 |
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魔術士オーフェンはぐれ旅(20) 我が聖域に開け扉(下)
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オーフェンシリーズの東部編の最終巻にして、長編完結作ですね。
勇魚としては、正直東部編よりも西部編・キムラック教会編の方が好きなのですが、それでもこの最終巻を読んで、感慨深い気持ちになりました。 多くの方々が、「尻つぼみ」だとか「ラストが期待はずれ」だとかの感想をあちこちで漏らしているようですが、実は勇魚もそう感じた一人です。やっぱり最後は、コルゴンとではなく、女神と直接対決して欲しかった…… でも、読み終わってしばらくしてから、あれはあれで良い終わり方なのかな、とも思えるようになりました。ネタバレになるので詳細は書きませんが、あのゲームのテーブルをひっくり返すような反則技と、相手を倒すのではなく、上手くはぐらかして楽して切り抜けるという手段こそが、オーフェンの持ち味なのかな、と。
哲学的な魔術理論と世界観が、勇魚はお気に入りなのですが、強さのインフレが起きないのも好きなところです。強い敵がいるからより強い力で〜という方法ではなく、強い敵がいるならやり方を変えて〜というあたりが、オーフェンにおける戦闘の描写に勇魚が惹かれる理由だと思います。オーフェンって決して最強ではないんですよね。魔術でも戦闘術でも、より優れた者がいる。でも、自分の足りないカードを駆使して、最後には勝つというオーフェンの姿勢は、派手な魔法でドンパチやる魔術師よりもかっこいいなぁ、と思うのです。
より強い魔法、より強い技という戦いはちょっと飽きたな、と思ったら是非この本を読んでみてください。きっと『目からウロコ』なはずですよ。 |
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魔術士オーフェン 無謀編13 これで終わりと思うなよ!
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小説の五作目、どの作品に投稿しようと悩みに悩んだ末、選んだのはこれでした。「こんな人気作ばっかり追いかけて良いのか?」「もっと、知られざる名作に投票するべき何じゃないのか」という内なる声が聞こえてきましたが、良いんです。だって好きなんだもの。
突然のラッツベインの登場や、最終回っぽくて最終回ではない作品のオンパレードに目を回し掛けましたが、やっぱり好きだなぁ。特に巻末書き下ろしのプレオーフェン。どうにも勇魚は学園モノがツボのようです(牙の塔での物語を果たして学園モノとくくって良いのかは別として)。 これでいつも貧乏くじを引かされるキリランシェロと、正体不明意味不明のキースに出会うのも最後かと思うと、感慨深くはありますが……今はただ、秋田先生に、ありがとうとお疲れ様の一言を。
疲れたとき、迷ったとき、勇魚の心に力を与えてくれたのは、短編のもたらす馬鹿笑いと、プレオーフェンが醸し出す、今はもう喪われてしまった過去のノスタルジーであったように思います。 これ以上言葉を重ねるのは無意味でしょう。是非一度、読んでみてください。 |
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おいしいコーヒーのいれ方 7 坂の途中
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最近大きい賞を受賞された村山先生ですが、その数ある作品の中でも、やっぱり一番好きなのはこのシリーズですね。
最近、手軽な恋愛が流行の中、純粋で真剣に恋をしているショーリ君とかれんが羨ましく、微笑ましいです。「好きなんだから他はどうでもいい」というのではなく、「好きだからこそ全ての人に理解してもらいたい」と、頑張って自分を磨き続けるショーリのスタンスがすごいと思うんですよ。
『坂の〜』では、念願の一人暮らしを始めたショーリ君ですが、思ったようにかれんとの仲が進展せずイライラ。そのせいかバイトも大学もいまいち調子が良くなく、あげく、かれんからも距離を置かれてしまうという……ショーリ君にとってはかなりきつい巻です(もっとも、かれんの件は後に誤解が解けましたが)。 ただこの巻で先輩も味方についてくれたみたいだし、次の巻こそは、ショーリ君に幸せが訪れると良いなぁ、と思いつつ、次の巻を心待ちにしています。
現実でも小説でも、たくさんの恋人達がいるけれども、勇魚が心の底から幸せになって欲しいと願ってやまないカップルの一組です。
くっついた別れた浮気したよりを戻した等々、昼メロのような恋愛に食傷気味な人にはぜひオススメです。村山先生の美しい文章と物語に、きっと癒されると思います。 |
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