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順調に進んでいた下巻に比べて、問題山積みのこの下巻。 政治的問題に、人的損害に関する世間の感情的批判。そして、計画に伴って発生するスペースデブリの処理。正直、よく作中で全て解決できたなと思うほどの難題が次から次へと降りかかってきます。
ですが、この巻での目玉は「ヒロインの親子問題」これにつきます。 生い立ちや、頭の良さのせいで人より少し冷めてひねくれたようなものの見方をしていたヒロインが、不器用極まりない父親と、壮大な舞台での親子喧嘩を繰り広げての和解。それによって、論理から人情に目覚めるヒロイン。これです。
なお、二巻では、NASAの方々が、一巻の八重波社長並にカッコイイです。「私たちこそが人類の目、私たちこそが星をつかむ腕だ。政治的な力など借りる必要は、どこにもないのだ」といった演説等は、多少なりともあった作中のNASAへの悪印象を補ってあまりある物でした。
まぁ、なんだかんだ書いてますが、この小説を読んで一番強く思ったことは、「自分も宇宙に行ってみたい」です。 |