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『 書評者 : (ハンドルを捨てて、今は名無し) 』 という条件で検索したよ!
5 件見つかりましたわ。そのうちの 1 〜 5 ( 表示数=5冊 ) 件を表示しますわ。
べるのー、ぼくたちいつまで働いてればいいわけ?
24時間戦えますか? つまり休憩はなしですの……労働基準法違反ですの(怒)
うーくそ、そのうちスト起こしてやるー

[image:amz] タイトル 小説スパイラル〜推理の絆〜 4 幸福の終わり、終わりの幸福
シリーズ
著者 城平京
イラストレーター 水野英多
レーベル スクウェア・エニックス
書籍コード ISBN4-7575-1181-7
発行年月日 2004-04-00
備考 レーベル:Comic novels
書店 amz絵 / bk1絵 】
応援メッセージ・小説部門
みどりや 自分の感性にあった作品は…命ほど価値がありましょう
7日7晩かかっても「スパイラル〜推理の絆〜」の魅力のすべては語れません

などとパロって(http://maijar.org/word/serifu/sa-3.htm#spiral)いても始まらないので、
(1)漫画:スパイラル
(2)原作者:城平京
(3)小説:スパイラル
という感じで語ってみましょうか。

●漫画:スパイラル
やはり、「スパイラル〜推理の絆〜」といえば、漫画がメインで、小説版はおまけといった印象があります。
漫画「スパイラル〜推理の絆〜」は現在13巻まで出ています。11、12巻で多少だれた感じは在りましたが、13巻でまた、スピード感覚がよみがえり、後は、クライマックスに向け一直線といった感じです。
最初、「スパイラル〜推理の絆〜」は、「Q.E.D.証明終了(http://www.bk1.co.jp/product/1883007)」と同様の推理をメインとした作品かと思っていましたが違っていました。
ドラマの「スパイ大作戦」にも通じるものがあると思いますが、ある種の「勝利条件」が与えられ、それを実現するための武器に論理を使用します。
この論理の切れ味がすばらしい。そして、底流にある主人公鳴海歩の成長のストーリー。
とにかく、漫画「スパイラル〜推理の絆〜」は、3巻までは読んで欲しい。
3巻ラストの一杯のコップの水を飲むシーン。思わず身震いがした。このシーンは必見です。

∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
--あらためて
思いしらされたんだ

自分の
知恵も勇気も
無力なんだって

信じるものだけが
いつも幸福で
いられるんだって
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
4巻pp61-62より


●原作者:城平京
この人は、漫画「ヴァンパイア十字界」(http://www.bk1.co.jp/product/2479889)の原作者でもある。
その3巻の原作者あとがきで次のようなことを書いている。
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
「だまし絵」というものがあります。
壷の絵かと思ったら向かい合った人の絵にみえたり、ウサギかと思ったらアヒルに見えたり、若い女性かと思えば老婆だったり、(省略)
英国の推理作家にクリスチアナ・ブランドという方がいます。(省略)
『ジョゼベルの死』では容疑者全員が次つぎ自分が犯人だと告白し始めたりします(それもラスト七十ページを切った段階で、ほんの十数ページの間に。当然真犯人はひとり)。
同じ手がかり、同じ証拠でもほんの少し見方を変えてやる、同じ内容の証言でもほんの少し視点を変えてみる、ただそれだけで事件の様相がぐるぐる変化することもあるとブランドの作品は教えてくれます。
(省略)
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
そして城平京氏は、この手法を自家薬籠中の物としている。

●小説:スパイラル
さて、ライトノベルファンパーティーの応援メッセージなのでここをまじめに書かんとあかんな(笑)
小説版の「スパイラル〜推理の絆〜」はこの4巻目で閉幕ということだ。残念である。
全てオリジナルの別ストーリー。漫画のストーリーの小説化ではありません。

1〜3巻目までは、漫画スパイラルと同時期の本筋とは無関係な鳴海歩の活躍(謎解き)が本編として収録され、それにプラス外伝として歩の兄鳴海清隆の警視庁時代(歩は当時、小学生)のエピソード(短編推理)がついている。

3作とも、「ほんの少し視点を変えてみる、ただそれだけで事件の様相がぐるぐる変化する」というサプライズ付き。
圧巻は、2巻「鋼鉄番町の密室」における事件の真相を依頼人に伝える際の鳴海歩の次の台詞。
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
俺はあんたに三つの解決を提示してやる。さっきも言ったが、どれを真実とするかはあんた次第だ
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞

この話を読了した後、私の頭のなかでは先にあげた漫画スパイラルの台詞がリフレインしていた。

自分の 知恵も勇気も 無力なんだって
信じるものだけが いつも幸福で いられるんだって

本編3作は、本当に気楽に楽しめる。ひよのタンファンなら、読むべし。ロマンを求めるなら缶スープ「さばおり」を堪能しろ(笑)。

4巻は、外伝シリーズの完結ということで少し趣が異なる。
今回は、小学生の鳴海歩が直接、事件にかかわり、過去の歩の兄清隆、義姉まどか刑事との係わり合いも描かれる。
外伝は、漫画スパイラルの背景を知る上で、ファン必読の書と言えよう。

アンニュイな溜息の似合う小学生 鳴海歩に乾杯!!!
石野休日 名探偵は存在してはならない。
たとえフィクションの中であったとしても。



そんな絶望。
(ハンドルを捨てて、今は名無し) 合理的志向も度を過ぎると狂気となるというおはなし。
狂気のトリックに対抗できるのは狂気のロジックのみ。
かくして近年稀に見る頭脳戦が展開されることになります。
「ミステリ界に居場所のないミステリ作家」がノベライズの形で放つ最後の刺客。
応援メッセージ・イラスト部門
みどりや ネコ耳の 結崎ひよのタン、 萌え!!!

(漫画:スパイラルを読め!)
http://www.bk1.co.jp/author.asp?authorid=110003687020000
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4757501757

[image:amz] タイトル 南青山少女ブックセンター 1
シリーズ 南青山少女ブックセンター
著者 桑島由一
イラストレーター 湖湘七巳
レーベル MF文庫J
書籍コード ISBN4-8401-1104-9
発行年月日 2004-06-00
備考
書店 amz絵 / bk1絵 】
応援メッセージ・小説部門
toshi-ko なんですかこれは、「○○先生○○ま!」ですかこの設定は?

同作者の「神様家族」と対を成す作品。

奇跡の代わりに、自分の努力だけで男性恐怖症克服プロジェクトに挑む主人公が、


酷い目に遭います・・・。orz


注目は、コスプレ書店ですよ、先生!
{{ヒロイン達が、}}○ンミラとか、{{主人公が、}}スク水とかにコスプレして本を売るのは、イチオシです。
極楽トンボ 男嫌いの少女ばかりが働く書店で働かされることになってしまった男子高校生の受難。
コメディ分が主体なのですが、それ以外に山椒がきいててピリリと辛いです。でもとりあえずファブリーズ。
なお書店裏事情暴露小説ではないです。
煉紅 まず主人公の名前で笑いました。その名前は反則です。
内容としては主人公が何の因果か女子校の男性恐怖症克服プロジェクトの人間教材に
なり受難の日々を送るといったもので大半がコメディ調で進みますがそれだけで
終わらせないのが桑島先生の実力だと思わせられます。
(ハンドルを捨てて、今は名無し) まるでマシュマロのようにやわらかで口当たりがよく、いくら食べても胃もたれせずにすぐ消化でき、あとには爽快感だけが残ります。
これぞ究極のライトノベル!
石野休日 これぞ文体革命!

英語で言うと、

ライティング・スタイル・レボリューション!
応援メッセージ・イラスト部門

[image:amz] タイトル 涼宮ハルヒの暴走
シリーズ 涼宮ハルヒ
著者 谷川流
イラストレーター いとうのいぢ
レーベル 角川スニーカー文庫
書籍コード ISBN4-04-429205-1
発行年月日 2004-10-00
備考
書店 amz絵 / bk1絵 】
応援メッセージ・小説部門
toshi-ko 夏、秋、冬をテーマにした短編集。

短編集なので、ザ・スニーカーに連載された物+書下ろしが基本なのだけど、あえて季節をテーマに3作品に厳選した所がポイントです。

しかも、{{長門がメインで、消失に至る過程と、後日談。}}に絞っている所が、蝶、サイコー!

エンドレスエイト
訳して「終わりのない8月」なんて言うかそのまんまで素敵すぎです。

射手座の日
秋のコンピューター研の逆襲を描いたシミュレーションバトルが{{長門の}}独壇場です。

雪山症候群
雪山で遭難するエピソード。{{長門が}}大ピンチです。

しかし、{{メインヒロインが涼宮ハルヒから、長門有希}}に切り替りつつあるのは仕方ないのでしょうかねぇ。
困難を振りまく人と、萌キャラだけどあんまり役に立たない人と、困難を共に乗越え解決に導く人の内、

誰に一番惹かれるかと言えば・・・。
ぎをらむ 短編「エンドレスエイト」はなぜ「終わらない8月」なのに「エンドレスオーガスタ」ではないのでしょうか。それはエンドレスを∞(無限、メビウスの輪)とかけているからではないかと思います。つまり「エンドレスエイト」は「∞」=「8」なのです。
ひょっとするとただの私の思い込みかもしれませんが、こういう謎かけ、大好きです。
極楽トンボ 他の人の感想もあがっているのでごちゃごちゃ書くのはやめにします。

長門がすべて。ええそれだけですとも。
……あれ、前作と感想が一緒だ!?
シリーズ全体を通してキョンの戯れ言垂れ流しとかも好きですととってつけたようにフォローしておきます。
(ハンドルを捨てて、今は名無し) 循環する時間と閉じられた空間を巡る二つの物語を能天気なエピソードで繋ぐ構成がお見事。
不条理が醸す不安と恐怖のなかで世界の数学的原理のみが唯一の寄る辺。じりじりと迫る焦燥感がたまりません。
練馬 スニーカー掲載分に書き下ろし一本をくわえた短編集。
贅沢を言うなら、「エンドレスエイト」は「消失」より先に読んだ方がいいかもしれません。
退屈→消失のように短編のなかに長編の伏線を仕込んでおく事がある谷川さんですが、今回は「雪山症候群」などという露骨に先がありそうな話まで仕込んであり、単純に話を楽しむ以上に長編のことを考える燃料にもなりそうです。
応援メッセージ・イラスト部門
リッパー 夏休みのお話があるので、女の子たちの水着姿と浴衣姿がカラー絵で拝めます。萌へ。

[image:amz] タイトル 砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない A Lollypop or A Bullet
シリーズ
著者 桜庭一樹
イラストレーター むー
レーベル 富士見ミステリー文庫
書籍コード ISBN4-8291-6276-7
発行年月日 2004-11-00
備考
書店 amz絵 / bk1絵 】
応援メッセージ・小説部門
有里 ふわふわしたイラスト付き小説の中身は毒入りの飴玉。
なにしろプロローグが少女のバラバラ死体を同級生が見つける新聞記事なのだから。
いや、毒入りっているよりハバネロまぶしというべきか。痛くてひりひりして、人によっては受け付けない、人によっては癖になる。

名台詞。私は「大人」なので、「空気の読めない担任教師」のこの台詞を採ります。
「俺は大人になって、教師になって、スーパーマンになったつもりだったから。(中略)ヒーローは必ず危機に間にあう。そういうふうになってる。だけどちがった。」(p.197)
でもって、「大人」は--「大人になりきれない大人」でも曲がりなりにも「大人」なんだから--祈るだけじゃなくてなんかしなくちゃなと思ったりしますけど。
白翁 砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけないは、幼児虐待とひきこもりをメインにおいた幸せ探しの御伽噺です。最後に哀しい結末が待っていることは避けられませんが、たぶんだからこそそこまでの経過を大事に感じることが出来るような、そういう小説です。まあ、ハッピーエンドだといえばハッピーエンドなわけだから、それでもいいのかもしれませんけど。


桜庭さんの小説はまだ三冊しか読んだことが無いのだけど、彼女の小説は物事をリアルに描こうだとか、なにかしらかの問題を打破しようだとか、そういう類の主張はまったく持っていません。存在する問題のすべてをただ茫洋と受け止め甘受して、その雰囲気に流されるために存在している作品群のような、そんな気がします。


この小説だって題材は題材ですが、ただ甘受するだけ。洋菓子屋の目の前を通ったときに感じるような、バターと砂糖のにおい。そうした甘ったるい雰囲気が全編に漂っていて、良いことも悪いことも、大事なこともどうでも良いことも、すべてそのにおいの中で包み込んでしまいます。もちろん幼児虐待だって、もちろんひきこもりだって。そのことの是非はさておくとして、このやわらかな雰囲気を味わうことは、けっこう気持ちいいことのような。


個人的にはすごくお勧め。最近こういう小説でないと自分の心の琴線に触れないような、そんな病を発症してしまっているような気もしますが、まあ気にしない。とにかくお勧めです。
リッパー 答えは最初からわかっている…。

それでも、手が届いたと思った瞬間に、指の間から零れ落ちていく
藻屑の儚さに、ぼくたちは、一体何を思ったのだろう。
紙様 (とりあえず)
本書は冒頭にいきなりショッキングな事が書かれていて、それを追う形で物語が進む。
もし本書に対して興味を持たれた場合、立ち読みせずにすぐ買ってじっくり読むことをオススメする。
ライトノベルにおいて冒頭や口絵、折り返し(あと表紙w)を見て作品を選ぶことは重要だけど、この作品には当てはまらないことを覚えておいてほしい。
この作品ほど「冒頭立ち読み」がやばい作品も珍しい。


正直これを人に対して「イチオシ」として宣伝するのはどうかと思ったけれど、読んでもらいたいという気持ちもあるので敢えて選出しました。

この物語はやさしくありません。救いもありません。不快かもしれません。
でも仕方がないのです。「実弾」が無けりゃ世の中は動かせないのだから。
こどもは「実弾」がないから現状を甘んじて受け入れるしかない。そして「実弾」を求めて足掻く。それまでは無力な「砂糖菓子の弾丸」でがんばるしかない。
でもそれすらできない場合だってある。「実弾」を手に入れた「大人」によって道を塞がれたり、最悪命を奪われる事だってあるかもしれない。
でも仕方がない。それが現実なのだから。

そしてそれは間違いなく創作でも何でもなく「現実」の問題なのだ。それもライトノベルが本来メインターゲットにしている中高生の世代に直面する問題だ。そして未だにライトノベルを引き摺ってるいい年こいた人々(他人事じゃないよネ……)にとっても、そうどんな人にとってもこれは「現実」なのだ。
それでも身近でこういうことが無いから、実際体験しないからどうしても実感できないという人が大部分だろう。
それでもいいと思う。実感する必要は無い。というより実感する事態(つまりこういう事が起きること)そのものが本来はあってはいけないのだけど。
ただ、自分が「実弾」を求めていた頃を、そして今「実弾」を手にした自分が誰かの命を奪ってしまうかもしれないということを忘れないようにしなければならないと思った。

(余談)
これと「推定少女」(同じく桜庭一樹先生の作品(ファミ通文庫))を就職活動開始直後に読んでかなり凹みました。
受験生とかが読むとかなり大変かもしんない。
mikazuki 私の頃の卒業といえば尾崎豊だったけど、今の子たちは尾崎とかやっぱり聞かないのかな。

切なくやるせない、そして読み手に強烈なインパクトを与えるトリガーでもある。
読み終わったあとはしばらく思考が凍り付き、そしていろんなことが頭の中をよぎることでしょう。
この砂糖菓子の弾丸は読み手の心に風穴を開けていく。
生きることに必死だったあのころの想い、それを忘れることで大人になったつもりでいた自分。生き残れなかったあのひと・・・

私は桜庭一樹さんのファンで作品はずっと追っていたのですが、これはそのなかでも最もシャープで最も熱い、傑作だと思います。
「きっと僕も、一生忘れない」とは帯の冲方丁さんの言葉ですが、きっとこの本はあなたに忘れがたい豊かな読書体験を提供してくれると思います。(って書いててなんですが、うさんくさい言葉だなあ)
たしかに暗く悲しい話ですが、同時にとてもやさしい話でもあります。
できれば敬遠しないで読んでほしいと思うのです。
第弐齋藤 『推定少女』と対になってる。

桜庭一樹はライトノベルの土俵でブンガクやってる人なんじゃねえかと思う。
「格斗する少女たち」が登場する一連の作品を読むと特にね。

『君の歌は僕の歌 Girl"s guard』

『赤×ピンク』

『推定少女』

『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない A Lollypop or A Bullet』
麻由 痛くて憂鬱になる『現実』を少女の甘くも切ない感傷でコーティングした小説。『砂糖菓子の弾丸』やら『人魚』やら『嵐』やら、ファンタジックな言葉がふわふわととらえどころのない雰囲気を醸し出しているけど、それがなかったらこの物語はどうしようもないくらいに重苦しい。バランスは取れていたと思います。

ラスト3ページで語られるなぎさのモノローグは非常に鮮やかで秀逸。何度も読み返したらその新鮮さが失われそうだ、と思ったのは初めてでした。
toshi-ko 「推定少女」がSFなら、こちらはミステリーをモチーフに、社会を風刺した問題作。

子供たちは、こんな砂糖菓子の弾丸をポコポコと放ち、必死に必死に、社会という戦場を生き残らなくちゃいけないんです。

これは、そんな少女たちの不安定な感情と、社会の中で成長して行く様を描いた作品です。
天戸 司郎 多忙により全然応援メッセージを登録できていません。もうすぐ締め切りです。
差し迫った状況なのでとにかく推しておきたい一冊としてこの作品を応援します。

まじめな話は格好わるいですか?話すのも照れ臭いですが、聞くのも恥ずかしくないですか?
正直に言えば、今はそういう風潮が強いと感じています。でも、伝えておきたい大切な事もあったりするんです。

現代に近い構造、不慣れな厳しさを和らげる甘さ、この作品は直接語るのがちょっと照れ臭い、でも、一度であっても感じて欲しい大切な事を、「今」の読者たちの心の中に運んでくれる作品です。
かなり痛いかもしれません。あるいは苦しいかもしれません。それでも私は多くの人に読んでもらいたいと思っています。
ぎをらむ とにかくストーリーが見事です。とても綺麗に、コンパクトにまとまっていて、ハートを実弾でストレートに撃ち抜かれてしまいました。改めて「桜庭一樹さんはただものではないぞ」と思いました。
子供のあやうい心理を渾身の技術で描いた、後々まで語り継がれて欲しい作品です。
ゐんど 一言で言えば「暗黒リリカル」(意味不明)。
「推定少女」をより暗黒方向に先鋭化した感じで、結構読み手を選ぶと思う。が、かちりと嵌まった人には忘れられない一冊となる事だろう。きっと私も忘れない。
最初に呈示される絶望的な結末。そこに向かって、まるで緩やかな坂を転がり落ちていくボールのように突き進む展開に、「いや、きっと違う」と大逆転のハッピーエンドを信じてページを繰る、独特の読書感。そして待っているのは…
でも、読後感は、決して悪くない。
自信を持ってお勧めする。ただ、読むならば覚悟を持って。
こま ぜひ多くの人に読んでもらいたい。特に大人に読んで欲しいような。
読後はなんとも言えない気分に浸れますが、きっと得るものがあります。
kaiei 冒頭に示される結末に向かって一直線に進む、青春暗黒ファンタジー。
はっきり言って暗いです。
でも、ただ暗いだけではありません。
中性的な少女の視点で語られる絶望の物語は、読者の心に何かをきっと残すはずです。
本の薄さを感じさせない内容で、実におすすめです。
タイトルも秀逸だと思います。ぜひ、一度読んでみて下さい。

---あなたは砂糖菓子の弾丸を撃ったことがありますか?
もりやん 痛い。痛い痛い痛い。勘弁してくれ。なんで金払って時間かけてこんな痛い思いをせにゃならんのだ。俺か、俺が悪いのか。砂糖菓子の弾丸しか持ち得なかった俺が悪かったんか。砂糖菓子の弾丸しか持とうとしていない俺が悪いんか。実弾を持ったら砂糖菓子のマシンガンでゲリラやってる連中のことを忘れるだろう俺が悪いんか。だから実弾なんか持ちたくないんだよ。それすら悪いんか。でも海野藻屑のことなんて、誰が悪いことにすれば贖えるんだ?
とりあえず、実弾でテロやるのだけは絶対にすまいと思った。

防御を打ち砕こうとする攻撃に関しては人は身構えることができる。しかし、守りのないところを責められたら人はなすすべもなく身悶えるしかない。ある種の読者にとってはこれはそういう作品だ。心当たりのある方は覚悟して読むべし。弾丸が貫通しないで体内に残るのはとても危険なのだ。
ひさ 物語の結末は一番最初に提示されていました。それに反抗するように違った結末を求めて
頁を捲って行きました。そして結局決定付けられた結末は覆りませんでした。しかし、
この物語のどうしようもなく抗い難い魅力に捕えられてしまったのもまた事実。他人には
極めて薦め辛いが個人的には物凄い勢いで推したい作品。進むか戻るかは読み手次第。
まよねえずごはん 青い青い。黒い黒い。痛い痛い。

まず冒頭で明かされる凄惨な結末。物語はそれに向かって突き進む。その結末が覆されるかどうかは、どうぞ読んで確かめてください。

読んでいてとにかく痛々しい。締めつけられるような、切りつけられるような痛みを伴う。それは若さ故の割り切れなさや矛盾であったり、過剰な自意識である部分であったりするんだが、同時に、自分が批判される大人であることを痛感させられる。

思春期にも大人にもお奨め。ただし、劇物注意。
煉紅 まず読み終わったあと、「これ、ライトノベルですか?」と思いました。
冒頭の衝撃。内容の深さ。最後の締め方。どれをとってもへたな現代文学よりも自分たちに訴えかける力がある作品です。
虐待と引きこもり、現代が抱える問題を見事に風刺した作品です。
読んでいて痛々しく、切なく、今すぐ読むのをやめたいと思っても決してやめられない。
ここでやめたら後悔するぞと思わせる力があります。
砂糖菓子の弾丸で必死に現実と戦う藻屑の姿と現実と戦うために必死に実弾をこめよう
とするなぎさの姿の対比が実に印象的です。
ぜひとも多くの人に読んでもらいたい作品です。
まるお 今期ベストワン。
(ハンドルを捨てて、今は名無し) 疾走する悲劇、感性と技巧の奇蹟的な融合。
薄倖の人魚姫、海野藻屑は海に還ることすら許されず、殺され、山に捨てられました。
海に藻屑があるように山の内には荒野があります。
山野内荒野(『荒野の恋』の主人公)は海野藻屑の生まれ変わりなのかもしれません。
石野休日 青春は

(our lolipops were)

こんなにも

(something)

美しい!

(pure!)
極楽トンボ 本作は同作家の「推定少女」とワンセットで読むことをおすすめします。
書かれている時期がほぼ同時期であることを考えても、表裏一体をなす小説だと思ってまちがいないかと。

いきなり冒頭で救いのない結末は提示されています。
痛い。辛い。
でも目を離すことは出来ない。
コモリケイ 衝撃。呆然。
ライトノベルっていうのは「砂糖菓子の弾丸」みたいなモノだって思ってた人間としては、まさしくやられました。フワフワした砂糖作りの少女達の世界に突きつけられる、救いようの無いリアルがどこまでも痛い。生きるために日常を闘い続ける、そんな当たり前のうちに埋没してるとようなことが、あまりにエグイ形で突きつけられます。
繊細で透明で、それでいてこの切れ味の鋭さ。言葉が心に突き刺さります。
TD 周りの方々が何度も言っていますが、
『推定少女』の対になると思われる作品。
ポジとネガ、空想と現実、希望と絶望、砂糖と塩、
そんな感じに対照的。
2冊ワンセットで読んでみることを推奨しますです、はい。
応援メッセージ・イラスト部門
まよねえずごはん イラストが当初はミスマッチだと感じていたが、今となってはこれでぴったりと思える。さびしげで空虚な瞳にひきつけられる。
煉紅 綺麗で繊細で儚げな印象な感じがするこのイラストが
この作品の暗さ、深さをより浮き彫りにします。
また、このイラストがあるからこそ物語の深さに押しつぶされずに
最後まで読んでいけるのだと思います。

[image:amz] タイトル 春期限定いちごタルト事件
シリーズ
著者 米沢穂信
イラストレーター 片山若子
レーベル 創元推理文庫
書籍コード ISBN4-488-45101-2
発行年月日 2004-12-00
備考
書店 amz絵 / bk1絵 】
応援メッセージ・小説部門
ミズノトリ 全編通してコミカルな日常系ミステリとなっていますが、話の焦点は小鳩くんと小佐内さんの心のリハビリ(?)にあります。
敢えて言うなら、この小説は、乙一の「GOTH」(読んでないならこちらもお勧めです)とまるきり鏡の表裏です。
「GOTH」の主人公たちは自分たちの嗜好を抑えようとはしませんが、小鳩くんと小佐内さんはそれをひた隠しにします。
それはもう、涙ぐましい努力を重ねて、必死に隠すのです。
けれど結局、人の本性というものは隠しても滲み出てくるもので。
というわけで、小柄で可愛くておとなしい{{そして実に恐ろしい}}小佐内さんの大活躍を、ぜひご覧ください。
…できれば「夏期限定みかんパフェ事件」とか読んでみたいなぁ。
mikazuki さよなら妖精以降めざましい勢いの米沢穂信さん。
この作品もお得意の日常の謎をめぐる連作短編です。
米沢さんの作品には独特の、青春の残酷さを描き出すような何ともいえない鋭い読後感があります。
今回もその鋭い視点はそのままなのですが、読後感という意味ではそれまでの作品よりさわやかです。

青春もの好きな人も、日常ミステリ好きな人も、読んで間違いなしだと思います。
いちせ 小佐内さん、さいこーーーーっ!! 小動物系の外見と行動、美味しい性格、きゃーー、きゃーー、うきゃーーーーっ、ごろごろごろごろ〜〜〜。
練馬 従来の米澤さん作品に漂う青春小説的なオーラを備えつつ、これまでの作品よりも爽やかさというか和み度などがアップ(主に小山内さんのお陰か?)した一品。
多分、米澤さんの作品入門としては一番いいかと思います。今なら比較的見つけやすそうですし。
人が死なない日常系ミステリで、連作短編です。
タイトルについては、最後まで読めばバッチリ明らかになります。
domino ちょっとライトめなミステリーとして面白いのは言うまでもなく、そのポジションが面白いなぁと思います。そもそもレーベルがライトノベルとしては異端の東京創元社・創元推理文庫。本作が面白いと感じる方なら同じレーベルの加納朋子の『掌の中の小鳥』や倉知淳作品もいけるのではないか、倉知淳がいけるなら泡坂妻夫の『亜愛一郎』シリーズもいけるのでは、と、ライトノベルの外側にも目を向ける契機となりうるポジションに存在しているのが面白いと思います。
ひさ 日常生活の中でちょっと目に留まって気になるような、それでも一度気になった
からには何となく追わなければ気が済まないような些細な出来事がメインのミス
テリ。どのエピソードも軽く頭を刺激される心地良さで楽しめました。
しかし、それよりもっとずっと重要なのが何といっても小佐内さん。いやもう健気
過ぎるよ小佐内さん(作中のとある台詞がトドメだったのですが)。一度ころっと
転げてしまって、彼女の真相を知ってからもう一度ころっと転がされました。
(ハンドルを捨てて、今は名無し) コミカルでユーモア溢れる挫折の物語。
名探偵の大仰で自己陶酔に満ちた苦悩の歴史に、決定的で乗り越えることのできない終止符を打った画期的な作品です。クイーンも法月綸太郎も「小市民」の三文字の前に立ちすくむことでしょう。
麻由 ライトに仕上げたコミカルな日常系ミステリ。
淡々とした筆致がこのほのぼのとした雰囲気にマッチしていて非常に穏やかで優しい物語になってます。
ミステリとしてもトンデモトリックなど出ることなく、大きな驚きこそ無いですが、謎が明かされた時に「あぁ」と感嘆の声を漏らしました。
キャラなら小山内さんが可愛くて可愛くて。ライトノベルとしてもミステリとしてもオススメ。
極楽トンボ 過去にいろいろ訳ありらしい小鳩くんと小佐内さんの二人が、その牙をひっこめるべく小市民の星を目指す日常ミステリ。
果たして牙は引っ込んだのか? それは作品をご覧ください(笑)
小鳩くんと小佐内さんの微妙な間柄・微妙な会話など青春小説として実に一級品。
ミステリも日常的な内容とはいえ、幅広いです。
どちらを楽しみたい方にもおすすめ。
楠真 推理と謎解きがメインの話は苦手。でも、これはそこが重要ではないのですね。
他の方も語ってますが青春小説。ちょっとした事件の数々をそのエッセンスにしてることに好感を持ちました。
加えて、小山内さんの存在がライトノベル読者からの敷居を上手く下げてると感じます。
軽ーく読める良作。
TD ひとがしなないミステリー風味な学園小説。
いいかんじに『やっちゃった』作品です。

ミステリ好きにも、キャラクターは萌えてナンボな人にも
応援メッセージ・イラスト部門
ゐんど 変則青春ミステリとでも言おうか。所謂「日常の謎」系で、人が死んだりはしない。
とりあえず、小佐内さんに萌えていれば読めるので、ミステリが苦手な人でも安心。
こういった作品がミステリの老舗、東京創元社から出た事が何よりも意義深い、とか思ったりも。