『 書評者 : ゐんど 』 という条件で検索したよ! | |||||
7 件見つかりましたわ。そのうちの 1 〜 7 ( 表示数=7冊 ) 件を表示しますわ。 | |||||
医者はどこだ | |||||
今のらいとにこそ医者は必要ですわね…… | |||||
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タイトル | 銃姫 2 The Lead in My Heart | |
シリーズ | 銃姫 | |
著者 | 高殿円 | |
イラストレーター | エナミカツミ | |
レーベル | MF文庫J | |
書籍コード | ISBN4-8401-1126-X | |
発行年月日 | 2004-07-00 | |
備考 | ||
書店 | 【 amz絵 / bk1絵 】 |
応援メッセージ・小説部門 | |
みづき | 「消したい『言葉』を唱えて引き金を下ろせば、その『言葉』は世界から消え去る」 そんな力を持つという「銃姫」を盗んだ「キメラのオリヴァント」という男を追う3人の少年少女の冒険を描いたファンタジー世界を舞台にした物語。 2005年4月現在最新刊の3巻は上下巻の「上」でまだ完成していないというのもありますが、とりあえず現時点での「銃姫」シリーズにおけるもっとも完成して面白いと言えるのがこの2巻の「世界で一番偉い人」。 突然魔法を使えなくなった主人公セドリックは、その原因を探すために一人都会へ降りて己の実力を上げようとします。そんなセドリックの対比として登場する、田舎から都会へ単身降りてきて、成り上がった新進の政治家マカロックの物語がもう泣かせます。 セドリックとの形とは全く違うけれど「ありえる未来」として登場するマカロック。 心の重荷。大切だけれど、それ故にうざったい、捨てたいけれど捨てられない、心の鉛。 そして、世界で一番偉い人。 シリーズ展開するうえで、敵か味方かとなるサブキャラクターも一気に充実。眼鏡3兄弟が次男、詰襟軍服ギース・バシリスにスーパーマッチョの気の良いお兄ちゃんバロット。女の子じゃないなんて文句は言うな!これが萌えだ! MFJ文庫の中では飛びぬけて分厚いこの「銃姫」シリーズ。話のシリアスさと泣かせっぷりに反してあとがきと折込の作者紹介がぶっ飛んでいます。 嗚呼、素晴らしきかな眼鏡っ子!! |
toshi-ko | 内容はシリアスなのに、あとがきとか、プロフィールとか、HPの作者のコメントとかが、凄いこと。 今回の主役はセドリックで、突然魔法が使えなくなった事でショックを受けたセドリックが、単身街の図書館へ行き、騒動に巻き込まれるという内容。 もちろん、単身乗り込むわけだから、アンもエルもほとんど活躍無し。 もう、出るキャラ、出るキャラ、漢!!、漢!!、漢!! でも、メガネっこは出るらしい。 だが、そこがイイ!! いろいろと都合よく強いキャラにサポートされちゃう所が、セドリックらしいのだが、それなりに一生懸命な所が、彼のいい所です。 |
極楽トンボ | 銃と媒介としなければ魔法の使えない世界が舞台のファンタジー第二弾。 エルウィングさん鬼気迫る描写がすばらしいです。ほかにもみどころはいろいろあるんですが、これのために読むのだー!とあえて言ってしまいますええ。 あと主人公のセドリックは、悩みながらも確実に一歩一歩進んでいく様子が熱い。応援してあげたい男の子ですね。 |
ゐんど | 一巻は連作短編という形で、話としての繋がりはいまいち弱いかな、と思う部分もあった。 二巻は全てが一つの話へと割り当てられていて、やや長めの話なのだが、この構成が見事。張られた伏線が収斂していく様は心地よく、最後の真相を知った時は目が潤んだ。世界設定を巧く消化して活かしている所が、優秀なファンタジーの証。 この二巻のためだけにでも、一巻から読んで損は無い。そう、断言する。 |
永山祐介 | 出番こそ少ないものの、弟に対する複雑な情念を募らせる、エルウィングの狂気が素晴らしい。 |
練馬 | セドリックが魔法を使えなくなる巻。 男のプライドやらが邪魔をしてパーティ内に不協和音が満ちるけど、雨降って地固まる。ラストのアンとのやりとりで出てくる{{私にあんたを守らせなさいよ}}は本当にいい台詞です。 メインキャラクター三人の人間関係もさることながら、ゲストキャラの行動もかなり泣けます。 |
応援メッセージ・イラスト部門 |
タイトル | イリーガル・テクニカ 1 さまよえる賢者 | |
シリーズ | イリーガル・テクニカ | |
著者 | 後藤リウ | |
イラストレーター | 伊藤ベン | |
レーベル | 角川スニーカー文庫 | |
書籍コード | ISBN4-04-429106-3 | |
発行年月日 | 2004-10-00 | |
備考 | ||
書店 | 【 amz絵 / bk1絵 】 |
応援メッセージ・小説部門 | |
よしりん | 全てを焼き尽くした怪光"熾光(シアノライト)"によって文明が崩壊して数百年。五百人以上の人工が集中すると空から熾光が降り注ぎ、その土地を生命体のみを焼き尽くす世界で、青年カイタとディンデは賢者の秘都"ムネーメイオン"を求めて旅をする。 割とオーソドックスな遠未来戦記ですが、五百人以上の集落が作れないという設定は斬新です。主人公のカイタとヴィンデはすごく分かりやすく、いわゆるキャラが立っていて退屈しません。ガツンと来るインパクトはないですが、ジワッと面白くなってきます。 |
ゐんど | ファンタジー・ロボット小説。 王道。余りにも王道。 だが、その王道を描き切る力量たるや! 読んでいて、アニメが脳内再生される感覚をあなたも! |
応援メッセージ・イラスト部門 |
タイトル | 眠り姫 | |
シリーズ | 眠り姫 | |
著者 | 貴子潤一郎 | |
イラストレーター | ともぞ | |
レーベル | 富士見ファンタジア文庫 | |
書籍コード | ISBN4-8291-1663-3 | |
発行年月日 | 2004-10-00 | |
備考 | ||
書店 | 【 amz絵 / bk1絵 】 |
応援メッセージ・小説部門 | |
toshi-ko | ラブストーリーあり、ホラーあり、SFありと、著者の懐の深さ及び、技量の高さには驚かされました。 いや、珠玉の短編って言う言葉がぴったり当てはまるだけの出来映えです。 個人的に好きなのは、「眠り姫」、「さよなら、アーカイブ」、「探偵真木」シリーズって所ですね。 とにかく、短編なのに妙に内容にボリュームがあるというか、読み応えがあるというか個人的に気に入った作品以外でも、おもしろくなかったと言うような作品が全くなく、クオリティの高さには驚かせられるばかりです。 「眠り姫」 表題の短編で、12月のベロニカ外伝。「濃縮小説<<コンデンスド・ノベル>>」という手法を使っているので、やたらと長いように思うのに、一番短いというおかしな話。 「さよならアーカイブ」 美人司書のいる、図書室に私も行きたい!! 「探偵真木1〜3」 今までが、恋愛とか、SFとか、ホラーだったのに、いきなりヤクザと探偵の変なお話に変わってしまうギャップが笑えてしまいます。 とにかく、映画とか音楽とかのうんちくを語りながら、妙な言い回しの探偵と、変な映画の好きなヤクザの会話がおもしろいというかおかしいというか、そのくせしっかり探偵小説をやってる所がなかなか。 是非このシリーズの続刊を期待したいのですが・・・。 |
リッパー | 続々刊行されていく長期シリーズを追いかけていくのも楽しいけれど、 短い中に物語をギュッと詰め込んだ短編小説を読むのも、また幸せなもの。 その魅力がつまりにつまりまくった短編集。それがこの「眠り姫」でありますよーう。 本好き図書館好きな人なら、こんな司書さんに出遭いたかった!と思わず胸をときめかせてしまうかもしれない松田さんが素敵な「さよなら、アーカイブ」 眠りの病におかされていく少女を見守る表題作「眠り姫」 崩壊した近未来世界。身勝手なエゴイズムが支配する「水たちがあばれる」 超越者の力によって現実がずらされていく過程を目の当たりにする「汝、信心深き者なれば」 探偵とヤクザの世界を描いた軽ハードボイルド「探偵真木」 珠玉の短編があなたを待ってます。 汝、読み逃すことなかれ! |
みどりや | 「わたし、シェイクスピアは嫌いなの。あの人は主人公が破滅するエンディングでしか傑作を書けなかったんですもの。わたしが好きなのはハッピー・エンドの物語だけよ」 http://maijar.org/word/serifu/na-4.htm#nemuri 「まいじゃー推進委員会!」の極楽トンボさんも、しっかり押さえているこの台詞、カッコイイです。 世間的に、シェイクスピアの評価の高いことは知っているし、それを尊重することに異論は在りませんが、だけど、自分の好き嫌いがそんなものに左右される必要は微塵も無い。 私は「格好つけたがり」が、やせ我慢しつつ活躍する物語が好きだ。 中年だろうが、小学生だろうが、素敵な女の子の出てくる話が好きだ。 そしてハッピー・エンドの物語が好きだ。 そんな意味では、書き下ろしの「探偵真木」シリーズ3:孤独のRunawayは、まさにつぼでした。 シリーズ1作目と3作目のとても同一人物とは信じがたいキャラのギャップも素敵です(笑) ところで、「貴子潤一郎」というのは、本当にひとりの作家なのだろうか?ひょっとしたら、「貴子さんと潤一郎くん」からなる2人のユニットに対して付けたペンネームではないだろうか? などといった妄想をもてあそぶのもまた楽しい。 独立した短編4、連作3の計7編よりなる、とても素敵な短編集でした。 |
練馬 | 前作「12月のベロニカ」を読んだ時も思ったのですが、この人の小説は、なんというか、作りが美しいと思います。 スレイヤーズに代表されるようなポップなノリは殆ど無く、一般層を相手にしても問題の無い作品です。 かといってそういうノリに慣れきった層にとって面白くないかといえば全くそんな事はありません。 最近、電撃文庫さんがハードカバーの出版で一般層にも売り出そうとしてるみたいですが、この人にも是非そういうのを一本書いてみてもらいたいです。 |
いわし | 素晴らしいですね。これぞ正に短編集中の短編集です!(何だそりゃ) ジャンルも舞台も幅が広すぎです。片思いあり、復讐あり、憧れあり、溺愛あり。 それでいて、自分の読み込みが浅くてこの文章の真の面白さが味わえていなかったら どうしよう、と思うくらい1つ1つが深い…気がします。 個人的には「探偵真木」シリーズが最高でした。 ホントにシリーズ化して文庫にして欲しいくらいです。でも今の感じが丁度いいのかな。よく分かりません。 「さよなら、アーカイブ」は…こんな事ホントはあまり言いたくありませんが確かに松田さんが素敵過ぎる。 誰か実行しないかな、あの悪戯。 |
千秋 | この短編集の中には、自分がライトノベルにはまるきっかけとなった作品が収録されています。表題作でもある『眠り姫』です。 初出は2003年のドラマガ3月号。それから2年間、ことあるごとに『眠り姫』を読み直してきました。あのとき自分はどう読んでいたか--それを思い出し、確かめながら何度も読み返してきました。 2年経った今では、正直、この作品から受ける衝撃は少なくなってきてます。だがもしかしたら、この作品に触れて自分と同じように衝撃を覚える人もいるかもしれない。そして、そんな人たちがいて欲しいと思う。そういう気持ちが今でも心の中から離れません。 と、延々にくだらないことを書いてしまいましたが、勿論こんな個人的な感傷とは別に、この作品は素晴らしいです。自分が受けた衝撃までは約束できませんが、十分満足の出来る作品であることは約束します。是非ご一読を。 |
石野休日 | かわいい女の子に萌えられるのなら、 美しい構成にも萌えられるはず。 2004年最高の構成萌えライトノベルです。 |
雨空陽明 | まったく短編で泣かされるとは思っても見なかった。「眠り姫」はすごい小説だ。 そしてもちろん「探偵真木」のシリーズ化は激しく希望。 |
極楽トンボ | これも既に多くの方がオススメしているので補足だけ。 長編を書ける作家さんはいくらでもいますが、短編をきっちり書けるライトノベル作家さん(正直、境界線上にいる方だとは思いますが)はたいへんに貴重です。 応援しまくっていい作品をこれからもいろいろ読ませてもらいたいです。 |
ゐんど | ライトノベルでは希有なる、キレのある短編集。 短編ならではの「力」をあなたも味わってみて欲しい。 |
応援メッセージ・イラスト部門 | |
石野休日 | きみのひたいの傷がまぶしい。 |
タイトル | 砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない A Lollypop or A Bullet | |
シリーズ | ||
著者 | 桜庭一樹 | |
イラストレーター | むー | |
レーベル | 富士見ミステリー文庫 | |
書籍コード | ISBN4-8291-6276-7 | |
発行年月日 | 2004-11-00 | |
備考 | ||
書店 | 【 amz絵 / bk1絵 】 |
応援メッセージ・小説部門 | |
有里 | ふわふわしたイラスト付き小説の中身は毒入りの飴玉。 なにしろプロローグが少女のバラバラ死体を同級生が見つける新聞記事なのだから。 いや、毒入りっているよりハバネロまぶしというべきか。痛くてひりひりして、人によっては受け付けない、人によっては癖になる。 名台詞。私は「大人」なので、「空気の読めない担任教師」のこの台詞を採ります。 「俺は大人になって、教師になって、スーパーマンになったつもりだったから。(中略)ヒーローは必ず危機に間にあう。そういうふうになってる。だけどちがった。」(p.197) でもって、「大人」は--「大人になりきれない大人」でも曲がりなりにも「大人」なんだから--祈るだけじゃなくてなんかしなくちゃなと思ったりしますけど。 |
白翁 | 砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけないは、幼児虐待とひきこもりをメインにおいた幸せ探しの御伽噺です。最後に哀しい結末が待っていることは避けられませんが、たぶんだからこそそこまでの経過を大事に感じることが出来るような、そういう小説です。まあ、ハッピーエンドだといえばハッピーエンドなわけだから、それでもいいのかもしれませんけど。 桜庭さんの小説はまだ三冊しか読んだことが無いのだけど、彼女の小説は物事をリアルに描こうだとか、なにかしらかの問題を打破しようだとか、そういう類の主張はまったく持っていません。存在する問題のすべてをただ茫洋と受け止め甘受して、その雰囲気に流されるために存在している作品群のような、そんな気がします。 この小説だって題材は題材ですが、ただ甘受するだけ。洋菓子屋の目の前を通ったときに感じるような、バターと砂糖のにおい。そうした甘ったるい雰囲気が全編に漂っていて、良いことも悪いことも、大事なこともどうでも良いことも、すべてそのにおいの中で包み込んでしまいます。もちろん幼児虐待だって、もちろんひきこもりだって。そのことの是非はさておくとして、このやわらかな雰囲気を味わうことは、けっこう気持ちいいことのような。 個人的にはすごくお勧め。最近こういう小説でないと自分の心の琴線に触れないような、そんな病を発症してしまっているような気もしますが、まあ気にしない。とにかくお勧めです。 |
リッパー | 答えは最初からわかっている…。 それでも、手が届いたと思った瞬間に、指の間から零れ落ちていく 藻屑の儚さに、ぼくたちは、一体何を思ったのだろう。 |
紙様 | (とりあえず) 本書は冒頭にいきなりショッキングな事が書かれていて、それを追う形で物語が進む。 もし本書に対して興味を持たれた場合、立ち読みせずにすぐ買ってじっくり読むことをオススメする。 ライトノベルにおいて冒頭や口絵、折り返し(あと表紙w)を見て作品を選ぶことは重要だけど、この作品には当てはまらないことを覚えておいてほしい。 この作品ほど「冒頭立ち読み」がやばい作品も珍しい。 正直これを人に対して「イチオシ」として宣伝するのはどうかと思ったけれど、読んでもらいたいという気持ちもあるので敢えて選出しました。 この物語はやさしくありません。救いもありません。不快かもしれません。 でも仕方がないのです。「実弾」が無けりゃ世の中は動かせないのだから。 こどもは「実弾」がないから現状を甘んじて受け入れるしかない。そして「実弾」を求めて足掻く。それまでは無力な「砂糖菓子の弾丸」でがんばるしかない。 でもそれすらできない場合だってある。「実弾」を手に入れた「大人」によって道を塞がれたり、最悪命を奪われる事だってあるかもしれない。 でも仕方がない。それが現実なのだから。 そしてそれは間違いなく創作でも何でもなく「現実」の問題なのだ。それもライトノベルが本来メインターゲットにしている中高生の世代に直面する問題だ。そして未だにライトノベルを引き摺ってるいい年こいた人々(他人事じゃないよネ……)にとっても、そうどんな人にとってもこれは「現実」なのだ。 それでも身近でこういうことが無いから、実際体験しないからどうしても実感できないという人が大部分だろう。 それでもいいと思う。実感する必要は無い。というより実感する事態(つまりこういう事が起きること)そのものが本来はあってはいけないのだけど。 ただ、自分が「実弾」を求めていた頃を、そして今「実弾」を手にした自分が誰かの命を奪ってしまうかもしれないということを忘れないようにしなければならないと思った。 (余談) これと「推定少女」(同じく桜庭一樹先生の作品(ファミ通文庫))を就職活動開始直後に読んでかなり凹みました。 受験生とかが読むとかなり大変かもしんない。 |
mikazuki | 私の頃の卒業といえば尾崎豊だったけど、今の子たちは尾崎とかやっぱり聞かないのかな。 切なくやるせない、そして読み手に強烈なインパクトを与えるトリガーでもある。 読み終わったあとはしばらく思考が凍り付き、そしていろんなことが頭の中をよぎることでしょう。 この砂糖菓子の弾丸は読み手の心に風穴を開けていく。 生きることに必死だったあのころの想い、それを忘れることで大人になったつもりでいた自分。生き残れなかったあのひと・・・ 私は桜庭一樹さんのファンで作品はずっと追っていたのですが、これはそのなかでも最もシャープで最も熱い、傑作だと思います。 「きっと僕も、一生忘れない」とは帯の冲方丁さんの言葉ですが、きっとこの本はあなたに忘れがたい豊かな読書体験を提供してくれると思います。(って書いててなんですが、うさんくさい言葉だなあ) たしかに暗く悲しい話ですが、同時にとてもやさしい話でもあります。 できれば敬遠しないで読んでほしいと思うのです。 |
第弐齋藤 | 『推定少女』と対になってる。 桜庭一樹はライトノベルの土俵でブンガクやってる人なんじゃねえかと思う。 「格斗する少女たち」が登場する一連の作品を読むと特にね。 『君の歌は僕の歌 Girl"s guard』 ↓ 『赤×ピンク』 ↓ 『推定少女』 ↓ 『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない A Lollypop or A Bullet』 |
麻由 | 痛くて憂鬱になる『現実』を少女の甘くも切ない感傷でコーティングした小説。『砂糖菓子の弾丸』やら『人魚』やら『嵐』やら、ファンタジックな言葉がふわふわととらえどころのない雰囲気を醸し出しているけど、それがなかったらこの物語はどうしようもないくらいに重苦しい。バランスは取れていたと思います。 ラスト3ページで語られるなぎさのモノローグは非常に鮮やかで秀逸。何度も読み返したらその新鮮さが失われそうだ、と思ったのは初めてでした。 |
toshi-ko | 「推定少女」がSFなら、こちらはミステリーをモチーフに、社会を風刺した問題作。 子供たちは、こんな砂糖菓子の弾丸をポコポコと放ち、必死に必死に、社会という戦場を生き残らなくちゃいけないんです。 これは、そんな少女たちの不安定な感情と、社会の中で成長して行く様を描いた作品です。 |
天戸 司郎 | 多忙により全然応援メッセージを登録できていません。もうすぐ締め切りです。 差し迫った状況なのでとにかく推しておきたい一冊としてこの作品を応援します。 まじめな話は格好わるいですか?話すのも照れ臭いですが、聞くのも恥ずかしくないですか? 正直に言えば、今はそういう風潮が強いと感じています。でも、伝えておきたい大切な事もあったりするんです。 現代に近い構造、不慣れな厳しさを和らげる甘さ、この作品は直接語るのがちょっと照れ臭い、でも、一度であっても感じて欲しい大切な事を、「今」の読者たちの心の中に運んでくれる作品です。 かなり痛いかもしれません。あるいは苦しいかもしれません。それでも私は多くの人に読んでもらいたいと思っています。 |
ぎをらむ | とにかくストーリーが見事です。とても綺麗に、コンパクトにまとまっていて、ハートを実弾でストレートに撃ち抜かれてしまいました。改めて「桜庭一樹さんはただものではないぞ」と思いました。 子供のあやうい心理を渾身の技術で描いた、後々まで語り継がれて欲しい作品です。 |
ゐんど | 一言で言えば「暗黒リリカル」(意味不明)。 「推定少女」をより暗黒方向に先鋭化した感じで、結構読み手を選ぶと思う。が、かちりと嵌まった人には忘れられない一冊となる事だろう。きっと私も忘れない。 最初に呈示される絶望的な結末。そこに向かって、まるで緩やかな坂を転がり落ちていくボールのように突き進む展開に、「いや、きっと違う」と大逆転のハッピーエンドを信じてページを繰る、独特の読書感。そして待っているのは… でも、読後感は、決して悪くない。 自信を持ってお勧めする。ただ、読むならば覚悟を持って。 |
こま | ぜひ多くの人に読んでもらいたい。特に大人に読んで欲しいような。 読後はなんとも言えない気分に浸れますが、きっと得るものがあります。 |
kaiei | 冒頭に示される結末に向かって一直線に進む、青春暗黒ファンタジー。 はっきり言って暗いです。 でも、ただ暗いだけではありません。 中性的な少女の視点で語られる絶望の物語は、読者の心に何かをきっと残すはずです。 本の薄さを感じさせない内容で、実におすすめです。 タイトルも秀逸だと思います。ぜひ、一度読んでみて下さい。 ---あなたは砂糖菓子の弾丸を撃ったことがありますか? |
もりやん | 痛い。痛い痛い痛い。勘弁してくれ。なんで金払って時間かけてこんな痛い思いをせにゃならんのだ。俺か、俺が悪いのか。砂糖菓子の弾丸しか持ち得なかった俺が悪かったんか。砂糖菓子の弾丸しか持とうとしていない俺が悪いんか。実弾を持ったら砂糖菓子のマシンガンでゲリラやってる連中のことを忘れるだろう俺が悪いんか。だから実弾なんか持ちたくないんだよ。それすら悪いんか。でも海野藻屑のことなんて、誰が悪いことにすれば贖えるんだ? とりあえず、実弾でテロやるのだけは絶対にすまいと思った。 防御を打ち砕こうとする攻撃に関しては人は身構えることができる。しかし、守りのないところを責められたら人はなすすべもなく身悶えるしかない。ある種の読者にとってはこれはそういう作品だ。心当たりのある方は覚悟して読むべし。弾丸が貫通しないで体内に残るのはとても危険なのだ。 |
ひさ | 物語の結末は一番最初に提示されていました。それに反抗するように違った結末を求めて 頁を捲って行きました。そして結局決定付けられた結末は覆りませんでした。しかし、 この物語のどうしようもなく抗い難い魅力に捕えられてしまったのもまた事実。他人には 極めて薦め辛いが個人的には物凄い勢いで推したい作品。進むか戻るかは読み手次第。 |
まよねえずごはん | 青い青い。黒い黒い。痛い痛い。 まず冒頭で明かされる凄惨な結末。物語はそれに向かって突き進む。その結末が覆されるかどうかは、どうぞ読んで確かめてください。 読んでいてとにかく痛々しい。締めつけられるような、切りつけられるような痛みを伴う。それは若さ故の割り切れなさや矛盾であったり、過剰な自意識である部分であったりするんだが、同時に、自分が批判される大人であることを痛感させられる。 思春期にも大人にもお奨め。ただし、劇物注意。 |
煉紅 | まず読み終わったあと、「これ、ライトノベルですか?」と思いました。 冒頭の衝撃。内容の深さ。最後の締め方。どれをとってもへたな現代文学よりも自分たちに訴えかける力がある作品です。 虐待と引きこもり、現代が抱える問題を見事に風刺した作品です。 読んでいて痛々しく、切なく、今すぐ読むのをやめたいと思っても決してやめられない。 ここでやめたら後悔するぞと思わせる力があります。 砂糖菓子の弾丸で必死に現実と戦う藻屑の姿と現実と戦うために必死に実弾をこめよう とするなぎさの姿の対比が実に印象的です。 ぜひとも多くの人に読んでもらいたい作品です。 |
まるお | 今期ベストワン。 |
(ハンドルを捨てて、今は名無し) | 疾走する悲劇、感性と技巧の奇蹟的な融合。 薄倖の人魚姫、海野藻屑は海に還ることすら許されず、殺され、山に捨てられました。 海に藻屑があるように山の内には荒野があります。 山野内荒野(『荒野の恋』の主人公)は海野藻屑の生まれ変わりなのかもしれません。 |
石野休日 | 青春は (our lolipops were) こんなにも (something) 美しい! (pure!) |
極楽トンボ | 本作は同作家の「推定少女」とワンセットで読むことをおすすめします。 書かれている時期がほぼ同時期であることを考えても、表裏一体をなす小説だと思ってまちがいないかと。 いきなり冒頭で救いのない結末は提示されています。 痛い。辛い。 でも目を離すことは出来ない。 |
コモリケイ | 衝撃。呆然。 ライトノベルっていうのは「砂糖菓子の弾丸」みたいなモノだって思ってた人間としては、まさしくやられました。フワフワした砂糖作りの少女達の世界に突きつけられる、救いようの無いリアルがどこまでも痛い。生きるために日常を闘い続ける、そんな当たり前のうちに埋没してるとようなことが、あまりにエグイ形で突きつけられます。 繊細で透明で、それでいてこの切れ味の鋭さ。言葉が心に突き刺さります。 |
TD | 周りの方々が何度も言っていますが、 『推定少女』の対になると思われる作品。 ポジとネガ、空想と現実、希望と絶望、砂糖と塩、 そんな感じに対照的。 2冊ワンセットで読んでみることを推奨しますです、はい。 |
応援メッセージ・イラスト部門 | |
まよねえずごはん | イラストが当初はミスマッチだと感じていたが、今となってはこれでぴったりと思える。さびしげで空虚な瞳にひきつけられる。 |
煉紅 | 綺麗で繊細で儚げな印象な感じがするこのイラストが この作品の暗さ、深さをより浮き彫りにします。 また、このイラストがあるからこそ物語の深さに押しつぶされずに 最後まで読んでいけるのだと思います。 |
タイトル | 空の中 | |
シリーズ | ||
著者 | 有川浩 | |
イラストレーター | ||
レーベル | メディアワークス | |
書籍コード | ISBN4-8402-2824-8 | |
発行年月日 | 2004-11-00 | |
備考 | ||
書店 | 【 amz絵 / bk1絵 】 |
応援メッセージ・小説部門 | |
リッパー | 古代から空に潜んでいた謎の生命体<白鯨>とのファースト・コンタクト! 少年たちの物語はジュブナイルSFでもあり、武田三尉の物語はラブコメとしても楽しめます。 絵がなくても、ハードカバーな単行本でも、これは傑作ライトノベルですよーう。 |
まるお | コミュニケーションの難しさが描かれている。 異種の知的生命体とのそれだけではなく、長い時間をともに過ごした友人とでも、親と子どもの間でも、好き合ってる二人の間でも、どこであろうとコミュニケーション不全は起こってしまうのだと。 けれど、いつまでも誤解や擦れ違いのままで終わることもまた無いということを、{{P450の宮じい}}が教えてくれます。この場面は去年一年読んだ中でも一番の名シーン、名台詞なので是非読んでもらいたい。 |
BAW WAO | 高度2万mの空域で謎の航空機事故が相次ぐ。そこには一体・・?という、 ある意味ジュブナイル系の王道作品です。(全一巻) 事件・衝撃・混乱・葛藤・解決と揃って人物も皆、好感を持て読了感もすっきり。 編集部が一般文庫では無く、重カバー版で起用した意気は確かに理解できます。20代以降の方がお薦めかも。 設定が一般物の割に、文体・口調がラノベ系なので、ラノベに慣れてる人に読ませると 「ラピュタみたいだったー。こういうのも良いよね」と返ってくる確率が高いですが 一般書籍しか読まない人に見せると「ちょっと皆、変な感じ(口調)だった」と戸惑われるかも(実体験) 重カバー版分の価値は確かにあります。『たまにはちょっと違うので、爽快なのを』と考えてる方に。 |
ゐんど | これは良質のファーストコンタクトSFなのです。 |
INN | 人類と未知の巨大生物との触れ合いを描く長編SF。 どの部分をとっても続きが気になる展開のオンパレードで、読んでいて飽きません。前半で繰り広げられる未知生物との遭遇・交流には、非常にワクワクさせられました。次に何が起こってどうなるのか、常に先が気になって仕方ない。 また、魅力的な登場人物ばかりなのも見逃せない所です。みんな良いキャラなんですが、その中で主役達を差し置いて特に良いキャラだったのが、宮じい。 主人公の面倒を良く見ているお爺さんなんですが、台詞のひとつひとつに重みがあって、それがとても良いです。特に終盤、意固地になっている子供たちを説き伏せるシーンは最高でした。 ハードカバーで分厚く、他のライトノベルと比較すると値段も少々張りますが、それだけの価値はある作品だと思います。 |
ひさ | 二つの線があって、そのどちらも未確認生物とのコンタクトとコミュニケーション を描いています。立場と視点の違いで二つを対比させるように展開させつつ、やが て一本の太い線に纏め上げてゆく。約五百頁の文章量を一気読みでした。ハードカ バーで手を出すのを躊躇っているのは勿体無い。金銭的に余裕があるなら是非。 |
domino | 書店勤めな私の今のテーマはライトノベルの枠を外に広げること、枠の外にいる読者にもライトノベルを読んでもらうこと。そんな私にピッタリの作品です。この本の帯コメントも書いた恩田陸とは相性良さそう。この爽やかな読後感は『夜のピクニック』『ネバーランド』に通じそう。少し不思議成分を加えるなら『光の帝国』かな。このあたりを軸に読むジャンル・枠の広がる人が増えると嬉しいなぁ。 |
応援メッセージ・イラスト部門 | |
一歩 | 何故この本がハードカバーなのか。 私はジュヴナイルだからなのだと思う。例えば図書館で、一般の書架でなく、児童の書架に並んで欲しい、だからなのではないだろうか。 未読の本を引き合いに出して悪いが、この話は「遠い海から来たCOO」を連想させる。 そのあたりの、なんというのだろうか、味わいが、ある。不可思議な生き物がいる。そのワクワクもある。同時に、少年少女が居て、大人がある。人生訓をその身で体言するおじいさん、仕事を責任を持って果たさんとする人達。そういう大人を仰ぎながら支えられながら、頑張って走る子供達が居る。 高校生の少年少女が、ある日浜で変な生き物を拾う。 その近傍では航空事故が相次ぎ、事故原因を究明しようとパイロットと開発者という男女が現場に飛ぶ。 この二組の、カップル? を軸として、子供の世界と大人の世界で話は進み、そして両者は常にリンクしている影で日向で。 これらのカップルズのキャラクタ造型がなるほどライトノベルで、私としては女性パイロットが好みです。いや、この話の女性陣は皆可愛い可愛い。それだけでも読む価値のありそうな一冊。 |
タイトル | All You Need Is Kill | |
シリーズ | ||
著者 | 桜坂洋 | |
イラストレーター | 安倍吉俊 | |
レーベル | 集英社スーパーダッシュ文庫 | |
書籍コード | ISBN4-08-630219-5 | |
発行年月日 | 2004-12-00 | |
備考 | ||
書店 | 【 amz絵 / bk1絵 】 |
応援メッセージ・小説部門 | |
まるお | ゲームオーバーになったから、TVゲームをリセットしてセーブしたポイントからやりなおす。 幼少のころから繰り返したその行動にこんな切り口があったなんて、考えもしなかった。 だからこそ敢えて言いたい。{{中の人も大変だな、}}と(笑)。 |
一歩 | エイリアンが攻めて来た。コミュニケーションは不可。基本的には肉弾戦の陣取り合戦で、人類はじわじわとジリ貧。戦闘は機動歩兵で頑張るオンリー。 戦闘中に瀕死になった新兵は、偶然の一撃から{{時のループ}}にはまり込む…… 各所では「すごい」「斬新」みたいな意見をちょいちょい聞くが、 むしろ私的にはスタンダードな、定番のネタを沢山うまく詰め込んだ楽しい話。というのは、ちょっと古いめのSF読みだからなのだろうか。今これを初に手に取る人にとってはこれこそが初体験なのだろうか。 機動歩兵、ループ、問答無用型敵エイリアン。なんてえのは、ハインラインを読んでると「宇宙の戦士」「時の門」「人形つかい」と固有名詞が出てくるし、ハインラインじゃなくても"ごろごろ"という感触だろう。 で、それにボーイ・ミーツ・ガールであるとか萌え(これを萌えと表現していいのか? 微妙だなあ)とかの要素を入れて、なるほど美味しいぜ、美味しいかもだ、というところ。 SFとしてはエイリアン設定をもっと深く色々見せてくれると楽しかったのに、というところか。 結論: 一昔前の海外SFちっくで大好き。 と言えばいいのかな。 で、それを期待して同作者の「よくわかる現代魔法」シリーズを読んで「これは全然違う!」って思ったり。 http://lanopa.sakura.ne.jp/cgi/review/search.cgi?author=%BA%F9%BA%E4%CD%CE;flag_author=on |
toshi-ko | コンタクト不能の未知の生物ギタイとの戦闘中、突然同じ日の繰返しに巻き込まれた主人公のまだ見ぬ明日へ脱出を描いた、SFアクション。 コイン一個入て、無数の弾幕を避け続ける、弾幕シューティングゲームや、エンディングまで、無数の敵を屠る、アクションゲームの様な感じ、何度も何度も繰り返して得る物が、知識とテクニックという経験のみなところが、RPGとは一味違う。 特に、思考が完全にルーチンワーク化し、キリング・マシーンと化した時の心理描写のリアルさは圧巻。 これって、デスマーチの時の心理描写そのままやないですか? しかも、なぜか偏頭痛が残るとこまで一緒かよ。 この辺は、SE時代の経験がものすごく影響してそうですね、著者の怨嗟が聞こえて来そうです。こんな風に・・・。 儲からない仕事を取ってきた営業に。ファック! 無茶な事ばかり要求する顧客に。ファック! 穴だらけの仕様を作ったSEに。ファック! バグだらけのPGを残したあの野郎に。ファック! いつ終わるとも分からない無限ループの中で、戦うために、研ぎ澄まされ、キリング・マシーンとなって行く主人公と、(デスマーチ行進中の)自分が妙に重なり何とも言えない複雑な心境になりました。 主人公が、何かと妙な、選択肢を選びがちなように思えるのですが、デスマーチを戦い抜くと決めた人なら、彼の気持ちが分かるでしょう。 デスマーチ経験者は読む価値ありです。 ああっ、もう、何もかもぶっ壊してーーーー!!!!!! |
極楽トンボ | 無理矢理雰囲気を簡単に言うと、海外SFテイスト+に萌え要素を組んだらこんな漢字になる、というところでしょうか。 荒廃した世界で未知のエイリアンと戦いを続ける近未来の人類。その一兵士を主役とした、時のループものです。 {{リセットして何度もやり直すゲーム的な趣きがおもしろかったですね。}} |
ぎをらむ | 異常がループされ繰り返されていく中で、いつのまにかそれを日常として受け入れてしまう主人公のすり切れ具合が良い感じ。荒くれ兵士たちの下卑た会話や馬鹿騒ぎも、ふと振りかえってみれば楽しい思い出なのかも知れません。 コーヒーの苦味が好きな人にお薦めします。生きるために強くならなければならなかった人の、哀愁漂う物語です。 |
麻由 | 戦場での一日をループする、ゲームのような小説。 SFではありますが、分かりやすく説明されているので、設定の把握に手間取ることがありません。 ギタイと呼ばれる敵との戦闘シーンに燃え、加速していくストーリー展開に目が離せず、コーヒーの味がするラストに一抹の悲しさを覚える。 コーヒーと男の汗の匂いがする物語。燃えたい方は是非。 |
ミル兄さん | 何度でもハッピーエンドを求めるために終わりのないかのようなループを続けていく主人公。 救いのない繰り返しを諦めることなくハッピーエンドのために終わりの見えない繰り返しを続けていく、そしてその繰り返しに変化が訪れる時・・・ はっきり言って終わりまで一気に読めてしまいます。 読み進まずにはいられません。 とにかく、四の五の言わずに読め! そう言わせていただきましょうか・・ |
ふらつき | 例えば、シューティングゲームの最難度。隙間無く打ち込まれる弾丸を避けるその世界。針の穴のような隙間に潜り込み、全ての攻撃を掻い潜り最後のボスを倒す喜び。 それは血の滲むような練習を繰り返してきたプレイヤーだけが勝ち取ることのできる喜びです。来る日も来る日も弾丸の雨に飛び込み、そして、死ぬ。その繰り返しを経て、決して弾丸にも当たらない強靭なプレイングを体得するのです。 これは、そういう小説です。 何度も何度も死に、その度に得た、正に経験値をもってして、一騎当千の実力を得るのです。アーケードゲームなんかでそういった体験がある人にはある種のカタルシスを感じることができると思うので、是非。 あと、神林長平先生のオビがすごいウマイです。 |
高空昴 | 最近のライトノベルには珍しい、硬質な空気に浸れる作品だと思います。 血錆のついたガンメタル、生々しいくせに無機質、そんなイメージを喚起します。 ひたすら繰り返されるエイリアンとの戦闘。 {{"ループによりやり直しが可能"}}"という最大の救いさえ、地獄を構成する単なる歯車でしかない容赦の無さ。まさに甘ったるい砂糖が混じっていない、苦みばしったブラックコーヒーのような作品です。 ライトノベルの中では比較的珍しい作品ではないかなと思います。 けれど。 その苦味が、たまらなく美味い。 |
ゐんど | 時間リプレイSFに、ノベルゲーム的な感覚を持ち込むことで、今までの同テーマ作品とは別の味を出すことに成功している作品。 戦場でのボーイ・ミーツ・ガールとしても読めるので、SFって苦手かも、な人にも安心。 ゲーム「ガンパレード・マーチ」が好きな人にもお勧めかな。 |
雨空陽明 | ただひたすらに戦闘小説。 手の甲に書かれた数字が増えていくのが燃えた。 |
応援メッセージ・イラスト部門 | |
高空昴 | 作品のカラーにジャストフィットしていると言っていいでしょう。 文体から感じ取れる空気をそのまま描き出したような表紙は秀逸だと思います。 ライトノベルのイラストとしてはお手本といっていいハマり具合です。 |
タイトル | キリサキ | |
シリーズ | ||
著者 | 田代裕彦 | |
イラストレーター | 若月さな | |
レーベル | 富士見ミステリー文庫 | |
書籍コード | ISBN4-8291-6292-9 | |
発行年月日 | 2005-02-00 | |
備考 | ||
書店 | 【 amz絵 / bk1絵 】 |
応援メッセージ・小説部門 | |
麻由 | えっ、これ本当にあの『L・O・V・E!』な富士ミスから出たんですか? と思ってしまうくらい、ミステリーしている小説。それくらい、終盤の謎解きは驚きの連続。ファンタジー要素を混ぜ、論理的に構築された真相には感嘆しました。L・O・V・E! はあまりないけど、オススメです。 |
紙様 | 富士ミスにしては珍しいミステリー。つか「富士ミスなのにミステリー」というのが最大のミステリー(笑) いささかファンタジーな手法が多いのも確かですけど、それでも最後まで読者を騙し続け最後の最後で真相を一気に解き明かす様は見事。 皆で一緒に騙されよう(笑) しかし「L・O・V・E」という観点から見れば結構恐ろしい作品でもある。まあ「愛」と言い切るのも無理はないかと思うけど、あんな「愛」は嫌だなあ…… |
煉紅 | 富士ミスには珍しくしっかりとミステリーな作品です。 多少ファンタジーな要素が含まれていますが論理的に組み立てられた真相には 驚かさせられます。読み終わった後は騙されたという気分になれます。 個人的には{{最後にでてくる主人公の本当の名前}}に驚かされました。 |
ゐんど | 「デスノート」+「ハサミ男」? 本格ライトノベルミステリを読みたい方に、是非! |
極楽トンボ | 「おいおいこれLOVEじゃないですよ?ミステリですよ?」 とばかりに、富士見ミステリにあって異彩を放つ本格ミステリ作品です。 ほんとうに最後の最後になるまでひっくり返されることを覚悟してください。 ですからこれはキャラクター萌えするよりは物語を見たい方に、 さらに言うとミステリを読みたい方におすすめします。 |
ひさ | まあ「またLOVE重視なのか」と表紙イラストに騙されたわけですが。富士見ミステリー 文庫で真っ当にミステリしてるのも含めて、二重三重四重に驚かされました。練り込まれた 物語の謎に、思い描いていたものを全て覆された真相語りでの心地良い"してやられた"気分 に諸手を上げて降参。参りました。歪み切ってるけれど一応LOVEの形はあります。 |
月季 | そしてまた驚愕した。何て見事なミステリなんでしょ?!! 「L・O・V・E」のオビに正直少し引きましたが、買って正解!!な逸品。 途中までは目星もついてたし、正直当てる自信はあった。が、その自信は後半に進むにつれてあっけなく崩されたのでした……作者の方が一枚も二枚も上手でした、脱帽。 |
リッパー | さすが、殺人許可証(コロシノライセンス)を持つ男。 リッパーさんは"富士見ミステリー文庫の片隅でミステリを叫ぶ"田代裕彦氏を応援しています。 # 富士見ミステリー文庫では殺人事件を書くのに編集部の許可がいるのです。詳しくは壱乗寺かるた氏の著作あとがき、および木ノ歌詠氏のブログ(下記)を参照のこと。 http://ta-eis-heauton.blog.ocn.ne.jp/konouta/2005/04/post_9c33.html |
永山祐介 | 他の人が皆ミステリ視点で書いている(というか富士見にしてはミステリ、とかが散見される)ので、他の方向のコメントを一つ。 主人公の、姉への思いの向き方は、なかなかに狂気が入っていて良い感じです。{{ラストのどうしようもなさ(でも好き)といい、姉弟恋愛を期待しては駄目ですが、}}歪んだ関係性が仄見えるのは良かったなあ。ちなみにLOVE寄せはなされていないよーに感じます。 |
雨空陽明 | 読み進めるうちに「え?」「ええっ!」「なんだってー!?」と三段階の驚きが楽しめるサンペンスミステリ系ライトノベル。 願わくば富士見「ミステリー」文庫ももっとこういう本を出してもらいたいものだ。 |
コモリケイ | なかなかに性根の歪んだミステリでした。 ライトノベルとしても、ミステリとしても面白かったです。最後の方はもうあっけに取られんばかりに、想像の上を行く真相が浮かび上がってきました。これを「L・O・V・E」だと言う底意地の悪さに感服。 |
柚熊猫 | 心情的には極端で、「love」というにはどろどろしすぎなのですが。 話の仕掛けと落とし方が楽しいです。きちんとミステリー。 ある意味{{同じ名前の彼と彼女の魂入れ替わりネタ}}ですが、けっしてラブコメディではありません。 うそくさい爽やかさにあふれたラストまで、一気読み推奨。 |
神無月 | LOVEに見せかけて普通にミステリーをしている作品でした。 多少謎解きの部分で解りにくい部分はあるものの、謎解きまでに張られた伏線をきちんと回収していく感覚はとても爽快なものでした。 後は、個人的には意外と主人公が好みでした。 多分、余り戸惑わず、理知的であるようで基本的には人間のような感じであるからだと思います。 個人的には、続いて欲しい作品の一つです。 |
応援メッセージ・イラスト部門 |
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