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作品評  /  イラストへの評を見る。
平井骸惚此中ニ有リ

著者 : 田代裕彦
絵師 : 睦月ムンク
ISBN : 4-8291-6234-1
page : 237p


偽魔王 /
  ほぼ全編独特の語り口調で、雰囲気がよくでています。
「探偵小説と現実は違う」という探偵小説にしては一風変わった路線の骸惚先生が面白いです。
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イー君 /
  大正時代を堪能できる、王道推理小説。
トリック云々は、おまけでしかないと考えているのでそのほかの事について。

講談調の小気味良い語り口に、大正時代という今の日本から見れば、外国なんじゃないと思わせるくらい異文化で価値観の違う帝都東京を、魅力あふれるキャラクターが物語をどんどん引っ張っていく。

この作品がデビュー作ということだが、新人離れした安定した力があり、対象外ではあるが第二作も非常に高レベルだったと思う。

この世界観にあっという間に引き付けられ、今後の続編もそうだが、新作も期待してしまう楽しみな作家だと思う。
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しゃんテン /
  トリックは小粒かもしれないし、キャラクターだってそう目立ったものはないけれど、全体を包み込む文体が好き。読んでいてひきこまれ読み終えてほほえましい気持ちになれる
( しゃんテンさんの紹介ページへ )


キセン /
  小粒であることは悪いことではない。なかなか「わかっている」ということ。
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近田鳶迩 /
  地の文体が講談調という新手の文明開化ミステリー。
作品としてはやや小粒な感が否めませんが、そこが逆に心地好かったり。
平井家姉妹ふたりの愛らしさも印象的、萌えアピールはこれくらいが適量かと。
( 近田鳶迩さんの紹介ページへ )


matsuo /
  「平井骸惚此中ニ有リ」

ミステリ的な仕掛けは弱いが、時代の香りを感じさせるその文章は好感が持てる。
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真砂 /
  独特の語り口調が小気味よくって気に入ってます。
舞台は大正時代だけど、あくまで視点は平成にあります。
登場人物も魅力的。特に女性陣が素敵です。
ミステリ部分は、わりとどうでもいいのですが、富士ミスの中ではたぶん真当にミステリしてると思います。
続編も面白かったし、続きを期待してるシリーズです。
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ペンネームC /
   オヤこの奇態な文は何たる事かと皆様がたはお思いかもしれませんが。
 「平井骸惚」を読まれた方には一目瞭然、文体模写。
 其れというのも本作品に強い感銘を受けたが故という次第で。
 本作品を一読してまず感じた事は「世界の空気」が在ると云う一点でございまして。
 ハテと首を傾げる読者諸兄、其の通り、更なる説明が必要かと。
 一言で申しますと作品世界が物語の外に広がって見える、ということに尽きましょう。
 大正年間を舞台にしたこの探偵小説は、さほど背景の世界を説明してはおりません。
 しかし乍ら見えるのございます。主人公達の生きている「大正の世」が。
 其れは軽快でありながら独特の風格漂う文体故か、はたまたキャラクタア達の台詞一言に至るまで込められた考察故か。
 まあ理由はさておき、「大正の世に行った気になれる」本でございまして。
 ストオリイの魅力もございますとも。マアこちらは王道と云えば王道、意外性や深みをお求めの読者諸兄には些か物足りないかと。
 とは言え、テムポよく、引き込まれ、ホホウ成程と言わせる、娯楽として必要十分の物語性で。
 更に申しますと、この作品は富士見ミステリイ文庫。「L・O・V・E!」なる奇ッ怪至極なモットオを掲げる探偵文庫で。当世風の「萌へキャラ」も用意され、サアビスの点でも抜かりはございません。
 この完成度を讃えることには些かの躊躇いもございませんが、何とも残念なのが「すべからく」という言葉の誤用でございまして。
 ただ一つのミステイクで高度な知性を持つ筈の人物が知ったかぶりの粗忽者に見えてしまい。
 尤も、作中の骸惚先生なら以下の如く仰り、批判を一笑に付すことは確実で。
 「誤用が誤用であるのは少数派であるからに過ぎないのだがね。数限りなく繰り返され多数派となれば誤用こそが正しい意味に変わる。丁度『確信犯』という言葉の意味が変わってしまったようにね」
 まあ全体として、お薦めできることは確かでございまして。
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石野休日 /
  撥子がいれば他になにもいらない。
だって可愛いんだもん!
2巻の撥子とか、可愛すぎるんだもん!!!
……。
あー、えっと、その、ミステリとしてもなかなかですよ?
でもやっぱ撥子。泣き虫、いいなあ。
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永山祐介 /
   富士見ミステリーで正統派のミステリー小説を書いているという時点で好感。
 講談調の語りも面白いし、ヒロイン達も良く動いていると思います。実に今後楽しみなシリーズ。
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