魔術士オーフェンはぐれ旅(20) 我が聖域に開け扉(下)
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もはや惰性で買っていた。 この巻も、ぱらぱらと読んだだけで本棚におさまっていた。
だが、ふと1巻から読み返してみた。 そして、ようやくこのシリーズの面白さに気づけた気がする。 1巻づつ読んでいてはダメなのだ。 なぜならば、1巻から20巻まで、まとめてひとつの話なのだから。
後半の、”世界の秘密”(アイルマンカー結界とか)の話に惑わされがちだが、これはあくまでオーフェンというひとりの青年の物語なのだ。
絶望から逃げる旅から、絶望を終わらせる旅へ。
オーフェンは、マジクは、そしてクリーオウは、いったいなにを得たのだろうか。 |
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A君(17)の戦争6 すべてはふるさとのために
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この巻というよりは、シリーズに対しての投票。
この根底に流れ続けるフィクションへの不審と、それに溺れるものたちへの苛立ちはなんなのだろう。
はやく終わりが見たい。 この、おちゃらけていて、それでいてひどく切実で、作者も内輪ボケをいれなければやってらんねーような、なんとも不可思議な物語の結末が。 |
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マルドゥック・スクランブル The First Compression-圧縮
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これも1巻というよりは、このシリーズへの投票。
きっとみんながこれを挙げるだろうし、今さら説明も不要だろう。
これは自立への物語である。 心して読んでいただきたい。 |
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神様家族 4 シャボン玉ホリデー
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神山様太郎は、神さまの息子として生まれ、現在修行中の身となって地上で高校生として暮らしている。
美人の姉(女神候補)に無表情系美少女な妹(女神候補)、何かにつけて過激なスキンシップを敢行するセクシーダイナマイツな母(女神)。
それにお目付け役のテンコ(天使)、なにかにつけては奇跡をおこして様太郎を甘やかすパパさん(神様)。
そんな神様家族に囲まれて、様太郎はオトナになってゆくのです・・・・・・
各脇キャラに焦点をあてた短編を集めた4巻。 「神様家族」の、予想もせぬ秘密がほんの少しだけ明らかになります。
悲しい彼女の、現在と過去。 でも、神様家族は今日も明るく楽しいのです。 だって、そのための神さまだもの。
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吹け、南の風 3 開戦への序曲
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ああ、この人類賛歌の物語は!
最近になって購入し、なぜもっと早く秋山完をチェックしなかったのかと自分を責めた。
広大な宇宙、そこに存在する人々の小説。 「開戦への序曲」という副題のとおり、着実に世界は宇宙戦争へと動き出している。 今までの秋山完の作品のなかで、なんともちっぽけな人たちが、ひどく偉大な奇跡を起こしてきた。 だが、それらをまるで無視するかのように巨大国家は開戦へと動き出す。 恐るべき彼女の企みを、いったい誰が止め得るのだろう。
次作が待ちきれぬ。 |
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AHEADシリーズ 終わりのクロニクル 2<下>
(イラスト評)
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ライトノベルにとってイラストというのは、もはや単に挿絵というだけでは済まされない。 「文章」と「イラスト」のふたつが揃って、はじめてライトノベルたりえるのである。
その点、川上稔とさとやすのコンビは、現在のライトノベルにおいて、もっとも文章とイラスト融合に成功している組み合わせといえる。 |
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七姫物語 第2章 世界のかたち
(イラスト評)
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ライトノベルにおいてイラストを評価する際に、「キャラが可愛い」「絵がきれい」というだけでは意味がない。 ライトノベルが他の小説に比べて軽く見られがちな現状において、ライトノベルがさらなる飛躍を果たすためには「単なる小説以外の何か」になることが必要だと思う。
そして、そのために、ライトノベルのイラストは単に挿絵というだけではなく、もっと大きな効果を担うべきだ。
ただ小説のなかに1ページ分の挿絵が載っているだけでは充分とはいえないのではないか。 それでは、ときには挿絵が文章の邪魔になり、せっかくの小説がダメになってしまうこともあるだろう。
その挿絵をどのように小説の中に融合させていくのか。 そういった試行錯誤をこの「七姫物語」の挿絵の挿入の仕方に感じた。
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君の嘘、伝説の君
(イラスト評)
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正直、内容に関してちょっと物足りないものを感じた。 だが、この作品の雰囲気が非常に気に入っているのである。
ぼくがライトノベルを買う際にチェックするものは
・タイトル ・作者 ・イラスト
の3つ。
タイトルはかなり重要だと思っている。センスのないタイトルの作品は、どうしても色あせて見える。
作者。むろん重要に決まっている。
そしてイラストである。 どんなに面白い内容でも、イラストが趣味に合わないとそれだけで読む気が失せる。 かえってない方がいいくらいだ、と思うことさえある。
その点、この作品は非常にいいところをついてきた。 じつにぼく好みといえる。
・・・・・・まあ、肝心の内容が個人的にはイマイチだったわけだが。 とはいえ、前にも書いたように、作品の空気というか、雰囲気自体はかなり気に入っている。おそらく、今まで読んだ中でも1,2を争うほどに。
つまり、文章と挿絵の歯車が、がっちり噛み合ってとてもいい相乗効果を発揮しているように思えたのだ。ぼくにとっては。
そして、それこそがライトノベルの存在意義だと思う。 |
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