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作品評
悪魔のミカタ 11 It/ザ・ワン

著者 : うえお久光
絵師 : 藤田香
ISBN : 4-8402-2511-7
page : 449p


にわか読者の名無しさん /
   吸血鬼の歴史は深い。そんなことは本読みの皆様は百も承知でしょうし、吸血鬼モノが今なお増え続けていることも理解しているでしょう。
 私はこの本を読んだ後にブラムストーカーのドラキュラを読みましたが、順番が逆だったとしても、読後の感動は変わらなかったと思っています。
 簡単にあらすじを述べますと、吸血鬼がとある町に襲い掛かってきます。その吸血鬼はバリバリ仲間を増やしますが、弱点の一つとして「招かれないとその場所には行けない」というものがあり、その町で増殖し続けるだけでした。そんな中、土地の名士の息子(小五)が、仲間の小学生達と吸血鬼に立ち向かいます。そんな話です。
 最大の問題は、この巻だけ読んでは話を理解するのが難しいことです。この巻から始まる吸血鬼編は、既刊での登場人物――本編の登場人物が直接舞台には現れません。しかし、既刊十巻を読まない場合、舞台の和歌丘という町の特殊性が理解出来ません。
 ですが、中身は非常に面白いです。異常な日常の描写、弱い者達の勇気ある戦い、そして終盤の連続どんでん返し。掛け値なしに面白いと言える作品です。うえおの新境地を見た気がしました。
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紫苑 /
  もともと悪魔のミカタシリーズが大好きで、中でもこの11巻は好きな部類に入る。主人公のコウが出ていないのにもかかわらず、面白さは引けをとらない。決して諦めない登場人物の心理描写やセリフが「くぅ〜」っと叫びたくなるほど気持ちが良い。
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のりぽん・ザ・リッパー /
  吸血鬼に侵蝕される街。絶望的な状況の中、戦い続ける少年。これに燃えずにどうするよ。
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一枝零知 /
  『悪魔のミカタ』シリーズ全体に対する投票のつもりです。最近の中で一番好きなのがこの11。三鷹昇の決意だけでも価値があります。
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F2 /
   この巻はとにかく三鷹昇の台詞がよすぎです。この台詞の為にそれまでのフリがあるといっても過言ではないくらい。
 単体で見たら今季最高の台詞だと思います。
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びっと /
  「吸血鬼」という圧倒的な力と立ち向かう人間たちの物語。
過去、様々な作品において扱われてきた非常に難しい題材であると思いますが、
得体の知れないモノに対する恐怖と、強大な敵に対する絶望というホラー的な
要素を真正面から描いている事は高く評価できるのではないでしょうか。
さて、シリーズ物の中の1冊として捉えた場合、主人公・堂島コウが全く
出てこないというかなりチャレンジングな内容ですが、その代わりに、
彼に憧れ、彼を模倣する小学生・三鷹昇と吸血鬼との戦いを中心に据えることで、
コウの存在感をこれでもかというほど味わうことができます。
いやはや、なんとも、心憎いほど上手いです。
そして終盤、三鷹昇が「つながった」と言って以降の展開。ホントに燃えます。
このシリーズを読んでいて本当に良かった、と思わせてくれた一冊です。
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INN /
   和歌丘に降り立った吸血鬼が、町の人間を片っ端から吸血鬼化してしまう中、それになんとかして抗おうとしている小学生のお話。
 主要メンバーはサクラぐらいしか出て来ませんが、その代わりに主役を張ってるのは『三鷹昇』という小学生。どうしても果たさなければならない目的があるのに、今の自分では力が及ばない。そんな絶望的な状況の真っ只中で、しかし諦める事無く、非力ながらも何とかしようと奮闘する昇の姿は非常に熱く、また格好良い。
 長く続いているシリーズですが、この11巻以降の物語は特に楽しめると思います。
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猫目・葉月 /
  自らの弱さを自覚しつつも、絶望的な状況に抗う者達。こういうのって燃えませんか? 自分は大いに燃えます。「――この町には、吸血鬼がいます。だから、助けてください」言葉通りの意味とそれ以上の意義をもつこの台詞には痺れました。
内面、特に吸血鬼「ザ・ワン」への恐怖も非常に上手く書けています。『屍鬼』あたりが好きな人にも読んでもらいたいですね。
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火霊罠禍 /
  悪魔のミカタシリーズに対する投票と思ってください。
Itになってから主人公の出番がほとんど0な悪魔のミカタ。
ちょっと寂しいですが、敵が見ていて楽しいので良し。
ザ・ワンという存在。その在り方がとても面白いです。
素敵な滅びっぷりを見せてくれ。
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TAG /
   このシリーズは安定して面白いと思いますが、特に1巻(魔法カメラ)、5巻(グレイテストオリオン)およびこの11巻(ザ・ワン)は出色の出来だと思います。この巻の主役は初登場の少年・三鷹昇ですが、小学生でありながら、また自分自身も不安を抱えながら、それでも絶望的な状況下で戦うことを止めない彼のカッコ良さにすっかり魅かれてしまいました。

 ネタバレというほどでもありませんが、この巻は先の展開が読めないまま読んだほうが面白いと思われますので、まだ読んでいない方はこの先を見ずに騙されたと思ってこのシリーズを手に取ることをお勧めします。





 三鷹昇は非凡な少年ではありますが、それでも人並みに弱気になったり自分の行動に疑問をもったりする普通の人間。その彼がどうしようも無いくらいの絶望を味わい、そこから見事に心理的復活を果たすところは大きな爽快感を感じました。
 思うに三鷹昇が「主人公」でないことがこのカタルシスを増大させていると思われます。「主人公」が絶望的状況に陥った場合、「どうやってこの状況を打破するのだろう」とドキドキすることはあっても逆転劇そのものに疑いは抱きません。しかし今回、私はラスト近くで「もうだめだ。三鷹昇はもうおしまいだ。こんな難敵に堂島コウはどう対抗するんだ」と思わされてしまい、そこから三鷹昇がまさかの復活を果たした時に感じたカタルシスは最高でした。
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永山祐介 /
   容赦のない怒涛の展開に痺れました。
 とにかく「すごい」と思いました。
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ポパイ /
  この作品は吸血鬼の恐怖がすごいと思いました。
これまで吸血鬼で怖いというと、「ヘルシング」などの「無敵のモンスター」という怖さがありました。
しかしこの「ザ・ワン」では、自分の知り合いや町の人が吸血鬼になってしまう心理的な怖さがありました。
そして最後には家族まで。
一度持ち上げておいて突き落とす感じもすごかったです。
一番怖い(そしてすごい)と思ったのが、周りの人が一斉に同じ動きをして「今日の分を…」と言ってくるところです。
次の巻のザ・ワン誕生秘話みたいなのもよかったですが、こちらの方がインパクトが強かったです。
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じるらる /
  最後の少年の決意だけでも読む価値があります。
本当に良かった。
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