こんにちは。米澤穂信です。
何の因果か私の部屋に客が入るということはここ数年絶えてないのですが、仮に客を自室に招くとしたら、何としても隠したいのは本棚です。いえ、決して成人向け書籍がずらり並んでいるとかそういうことではありません。
本棚、つまりいつでも手に取れるように並べている本というのは、その人の精神構成そのものを映し出すもの。つまり、自室の本棚を見られることは、心の内を覗かれるに等しいことだからです。
そして、「本を薦める」「好きな本を紹介する」という行為は、自分の心を僅かに露出させることです。自らの容貌を醜いと感じている者は、好き好んで己の顔を晒したりはしません。同じことで、私も本のお薦めをするのはどうも躊躇われます。そこのところをクリアし、オープンに自らの信じる良書を紹介しあうこの「ライトノベル・ファンパーティー」は、精神的強者の集いのように思われます。
このような企画で、保留なしに「米澤の新しいやつ、良かったよ」と言って頂けるような一冊を、出したいものです。
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