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作品評  /  イラストへの評を見る。
ヒトクイマジカル 殺戮奇術の匂宮兄妹

著者 : 西尾維新
絵師 :
ISBN : 4-06-182323-X
page : 477p


炎尾燃 /
  ムチャクチャなキャラでミステリの王道をつきすすむハチャメチャさが面白い。
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エクリチュール /
   これは、そこそこに分量のある小説だ。ノベルスで475ページだから、読むのが遅い人にとってはかなり読むのに時間がかかる。
 この量ならば、中途で休憩をはさむのが普通だ。

 だがっ!

 この小説は、いったい何なんだ。
 まるで自分がそこにいるかのような臨場感、リアリティー。
 ページを繰る手が止められない。
 それはまさしく、
 私と語り手の「ぼく」の意識が、
 ダイレクトにリンクしている感覚だった。
 「ぼく」は私だった。
 私はその京都の舞台にいた。
 悲劇に悲嘆した。
 泣き、むせび、涙があふれた。
 私はただただ、迫りくる文字と文と文章に圧倒され、流されていた。

 気がつけば、最終ページ。
 そこで初めて、時計を見る。
「真夜中じゃないか」

 これを読まずしてエンタテインメントを語るべからず。
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にわか読者の名無しさん /
   分類上はミステリー、でもどうみてもライトノベルにしか見えない。そんな戯言シリーズ本編の最新作がこちらです。(発売したのは随分前ですが)
 主人公いーちゃん視点で、彼が語る『戯言』が地の文である戯言シリーズ。基本的に、登場人物に一般人はいません。皆、なにかしら特殊な能力、環境の下に存在しています。この各キャラの特徴づけの上手さに、西尾維新の才能を感じさせます。
 この作品では、今まで戯言しか言ってこなかったいーちゃんが、初めて戯言抜きの、本気の本音を叫びます。その叫びから始まるいーちゃんの更生シーン(?)は圧巻の一言に尽きます。泣けます。ちょっと泣きました。
 さて、戯言シリーズはミステリーですので人死にが出ます。毎回殺人事件が起きます。そして、いーちゃんが探偵したり痛い目に遭ったり戯言ったりしながら解決するのがこのシリーズの基本構成です。
 が、この巻で起きた殺人事件の被害者は、変な言い方ですが、ティーンズ向けレーベルのライトノベルならまず殺されないタイプのキャラです。(このキャラの死が、上のいーちゃん更生のきっかけとなります) ですが、その死に方があっけない。淡々と死にます。そして、死体の描写が、そしてその死体を見たイーちゃんの心理描写が残酷なまでに上手い。ここまで見事にキャラを切り捨てることが出来るのか。ティーンズ向けライトノベルにどっぷりはまっていた私は、この仕掛けに完全にやられてしまいました。ただ、読み進めると、この人物の死は必然としか思えなくなるのが不思議です。
 西尾維新のタチの悪いところは、見事なまでの予定調和、必然性で話を構成、完結させてしまう点だと考えています。「ここをこう書けば読者はこうなるだろう」と、狙って書いているようにしか思えません。全ての作家がそうだとしても、西尾維新の書く必然には、気持ち悪さしか存在しません。この読後の、吐き気のような不快感。それこそが西尾維新、戯言シリーズの、私にとっての最大の魅力です。この巻を読んで、初めてそれを自覚できました。正直、胸のすくような爽快な話を読みたい人間にはお勧めできません。
 また、いーちゃんの語りによる文章は人を選ぶそうです。私自身は突っ掛かることなく自然に読めましたが、文章が読みづらいと言う人も多いそうで。まず立ち読み等での相性判断をお勧めします。
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京の学生 /
  個人的にツボにきている戯言シリーズです。今回はかなり笑わさせて頂きました。(主に前半)
やっぱりこれまでに出てきたキャラの個性が強烈です。おかげで今作登場の人物たちがやや埋もれ気味・・。それでも強烈だけれども。
シリーズ通して、一人称で進む形式に言葉遊びやパロディなど、非常に独特な文章だと思います。
一応ミステリと銘打っていた気がしますが(昔は)、もう別物です。名台詞好きな自分としては、いたるところにスイートスポットを直撃する文章がありたまりません。
ただ、やはり明るい話ではなく、どちらかというと負の向きの話だと思うので、その手の作品がダメな(読了後になんともいえなく沈んだ気分になるのが嫌な)人の中には拒否反応を示す方もおられるかもしれません。でもおそらく今作を読む人はシリーズで読んでいることだろうから心配無用に思いますが。
まだ読んだことがなく興味のある方は1作目〜3作目あたりまで読んでみてはどうでしょうか。
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法螺丸 /
  容赦が無い。
たったこの一言で表せる作品も少ないかと思いますが、このシリーズまたは作者に関して述べれば、これほど適切な言葉も無い様に思われます。
テクストに埋め尽くされ、テクストに制圧された小説。情景描写を必要最低限にとどめ、主人公の思考を書く事に徹底した秀作です。
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とく /
  もうなんか全然ミステリしてないような気もしますが、シリーズ中これが一番好きです。
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火霊罠禍 /
  戯言シリーズに対する投票と取って欲しいです。
人間試験を除く本編で、一番人の命が軽んじられている巻ではないかと。
戯言だらけのいーたんが、時折見せる前向きさ。ただ後ろ向きなので無く、ただ前向きなので無く、後ろを見つつたまに前も見る彼が大好きです。
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桜乃 /
  この戯言シリーズは一言で言うとあくが強い。
それは登場人物の名前であったり、性格付けであったり、登場人物の特殊技能(?)であったり、語尾であったり、何度も同じ記述を繰り返す文体であったり、発生する事件の内容であったり、死体損壊の度合いであったり、etc。
とにかくあくが強い。
なので万人受けするとは決して思わないけれど、これらが気にならないと言う方は一度手にとってみることをお薦めします。


推理ものだと思って手にとって、「こんなの推理ものじゃない」とこの作品の評価を下げてしまうような不幸な出会いが起こらないように、最後に一言。
推理ものの要素は持っているものの、決して推理ものではありません。エンターテインメントです!
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辰巳鱗太郎 /
  戯言シリーズの第5作……かな?
「サイコロジカル」の下巻を5作目だと考えると6作目です。

「ぼく」こと“戯言遣い”のいーちゃんは、大学のバイトのため
木賀峰助教授の研究所を訪れ、そこでいーちゃん一行は
凄絶な事件に巻き込まれていく……。みたいな感じのストーリー(よく分からん

というか、これは戯言シリーズ自体に対しての評と言うことで。
ていうかなんかもう「クビツリハイスクール」のあたりからの
なんかJOJOっぽい話の雰囲気は、思わず「西尾氏はもしかして
ミステリじゃなくてライトノベルを書きたいんじゃないか?」みたいな
変な気を起こさせます……いや、全然OKなんですけど。

だって、登場人物が超人だったらトリックもクソもないじゃないですか!(笑)

とりあえずシリーズで一番好きなのは「クビシメロマンチスト」です。
むしろ戦闘とかなくていいからもっとドロドロして欲しいです。個人的に。

でも、なんだかんだでこのシリーズ名作っぽいです。
マジでお勧めっすー。買いですぞー。



……でも、実際こういうレビューっぽいのって、基本的に
「その作品に興味のある人」しか見ないんですよね。
まったく作品を知らない人にこそ宣伝したいのに、それができないのが辛いです。むむむ。
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左手 /
  新青春エンタとやらが何かは知りませんが、
ラノベとしてみたら、この作品の戯言加減は面白すぎます。
なにげにギャグセンス光りすぎ。よくこんな言い回しが思いつくなと。
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crosis /
 
「今後が楽しみな作品」

戯言シリーズ6作目。
「ぼく」こと”戯言遣い・いーちゃん”。今回は魅せます。

もう、これでもかっ!ってぐらいマイナス思考(この言葉ではニュアンスは伝わりきらないが・・・)な主人公・いーちゃんですが
今回は事件をきっかけに成長します。

印象としては今回、異様に面白い。
笑える「おもしろさ」が所々にある。
読んでる途中に違和感を覚えるほど。

そして事件をきっかけに読者は突き放されてしまう。
これはいつも感じます。突き放されてしまうのです。
だけれども今回は前半が楽しかっただけに、心に重くのしかかる
そしてまた主人公はマイナス思考のまま・・・。

でも今回は魅せた。
みいこさんといーちゃんのやりとり、燃えます。
もうこれは体の芯から痺れてしまいます。

そして主人公・いーちゃんは成長する。
ほんの少しだけれども、成長する。

6作目までほとんど変化のなかった「物語」が今、動きはじめる。
とても期待しております、この「戯言シリーズ」。
早く次が読みたい一冊です。

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ED-purple /
  面白さでは戯言シリーズ最高峰といっても良いかもしれません。
でもミステリーを期待している方は読まないほうが良いです。
戯言シリーズが好きな人、西尾維新の作品が好きな人なら確実に満足できるはず。
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ふぉっけ /
  あいかわらずの戯言炸裂!って感じです。
でもこの巻は話の展開が大きく変わってきたなあ。いったいいーちゃんはどちら側の人間に転ぶのか。これから楽しみです。
それにしてもいーちゃんは「俺に惚れるとヤケドをするぜ!」を地でいってますね。

お気に入り:葵井巫女子
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椅子 /
  姫ちゃんの待遇には大いに不満はあるもののついにラスボス登場ということで楽しめました。
だらだら続けてもろくなことがありませんからちょうど良かったと思います。
早めに新刊読みたいです。姫ちゃん…なぜ?。
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みどりや /
  『どんなときに幸せだって感じるですか?』
『…………?』『あー……。ごめん、質問の意味がよくわからないんだけど』
『だーかーらー。あー、生きててよかったなー、とか思う瞬間って、どういうときです?』
『年上のろりぃメイドさんを三人はべらして四畳一間で暮らす生活は幸せだろうとは思うけど、しかしそんな経験はないな』
『あったら死刑ですよ』

この台詞に惚れた.
「どうして四畳半一間ではなく、四畳なんだろう?」とか、とても謎です(笑)。
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御ノ字 /
  5冊と言う縛りがなければ、西尾維新先生の著書は全て入れていたと思います。それほど好きです。
やはり主人公が素敵すぎるかと。
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TAG /
   私的には昨年度のベスト作品。このシリーズは主人公が「戯言使い」を自称するだけあって、バカバカしくも軽妙な台詞まわしが楽しい作品で、これまでの作品ではそれを第三者的に楽しんで読んでいましたが、今回はそれに加えて「姫ちゃん」のセリフに見え隠れする切ない想いや、主人公が事件によって想像以上にショックを受ける部分ですっかり感情移入させられました。
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文学好きの計算機 /
  ぜひとも戯言シリーズの最初から読んで欲しい。
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ちぇみす /
   去年クビキリサイクルを読んで一気にはまった戯言シリーズ。
 何かしら壊れてたり逆に完璧だったりするヒロインたちや、言葉の言い回しがかなり面白い作品。 漫画ネタのギャグがもろに年代があっていてかなりよかった(多重人格に仙水忍とか)。
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